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平成十八年二月二日提出
質問第四二号

北海道警察における国費及び北海道費の不正経理問題に関する質問主意書

提出者  鉢呂吉雄




北海道警察における国費及び北海道費の不正経理問題に関する質問主意書


 平成十五年十一月、北海道警察旭川中央警察署における捜査用報償費の支出に関する疑惑に端を発した不正経理問題は、その後の調査において全ての警察署及び全部署において不正な経理操作によって、公金を裏金化する行為が組織的・慣行的に行われていたことが判明した。
 そのことに関して、鉢呂吉雄と佐々木秀典は、平成十七年一月十四日に東京地方検察庁(平成十七年一月二十七日付けで札幌地方検察庁(以下、単に「同地検」という)へ移送)に対して、中塚幸男、高橋道夫、五十嵐敏明、角森正人、片貝忠男、和田徹を業務上横領、和田徹、畠山伸一を有印私文書偽造及び同行使、畠山伸一を業務妨害として告発した。
 平成十七年十二月十二日、鉢呂吉雄は同地検に対して、厳正な捜査の執行を求めるべく、同地検:川端伸也検事正に対して要請を行ったが、結果、同地検は平成十七年十二月十二日付けで、中塚幸男、高橋道夫、五十嵐敏明、角森正人、片貝忠男、和田徹に対する業務上横領を嫌疑不十分、和田徹に対する有印私文書偽造・同行使を嫌疑不十分、畠山伸一に対する有印私文書偽造・同行使を嫌疑なし、畠山伸一に対する業務妨害を嫌疑不十分とし、告発を行った七名の全てを不起訴とする処分を行った。
 これに対して、鉢呂吉雄と佐々木秀典は平成十七年十二月二十日、不起訴処分を不当とし札幌検察審査会に審査申立を行うとともに、同日、同地検が示した不起訴処分に関しての根拠と理由に承服し難いとの立場から、同地検に対して、再捜査の実施と起訴処分を求めたところである。
 慣行的、組織的に行われた不正経理の事実は、北海道警察にとどまらず、全国的な問題でもあり、今般、同地検の下した不起訴処分は、検察捜査による真相解明を求める多くの国民の意に反するものと言わざるを得ない。
 また、北海道警察倶知安警察署に勤務していた元会計課職員による公金着服についてである。同地検の調べによると、この元会計課職員は平成十四年四月十八日から平成十七年一月二十六日までの間、前後二十一回にわたり、業務上預かり保管中の金員を、自己の用途に充てる目的で横領したとされている。この者による横領の期間は、北海道警察予算執行調査委員会の内部調査の対象期間でもあり、一連の裏金問題で北海道警察が行った内部調査の信憑性が大きく問われるものである。
 以上のことから、本件に関わって、次の事項について質問する。
 なお、問題の重大性、緊急性に鑑み、国会法七十五条二項に規定する通り、質問主意書受領の日から七日以内に答弁されたい。また同様の文言が並ぶ場合でも、項目ごとに平易な文書で答弁されたい。

一 同地検による不起訴処分について
 (1) 中塚幸男、高橋道夫、五十嵐敏明、角森正人、片貝忠男(以下、単に「五名」という)に対する不起訴処分について、同地検から、「私的流用の事実はない。認められる証拠はない。」との主旨の説明があった。
 1 同地検は、五名が署長として勤務していた署(告発状に記載されている署。以下、単に「当該署」という)における当該期間(告発状に記載されている署長としての在勤期間)に発生した全費目の領収書について把握したのか、答弁願いたい。
 把握したとするならば、その全件数と把握した件数について、答弁願いたい。また上記で把握しなかった理由について、答弁願いたい。
 2 同地検による不起訴処分の判断は、全ての会計書類について、領収書以外の証拠書類への事実確認を行った上での判断なのか、答弁願いたい。
 3 同地検が、全ての会計書類等への事実確認を行っていないとするならば、その理由について、答弁願いたい。その際、私的流用の事実がないとした根拠にならないと思われるが、答弁願いたい。
 4 同地検が、一部の会計書類等に事実確認を行ったとするならば、一部の会計書類について特定した理由と、その件数について、答弁願いたい。
 (2) 五名に対する不起訴処分について、平成十七年十二月十二日、同地検の岩崎担当検事から、「プライバシーの保護や身辺に危害が及ぶことを避けるために、捜査協力者に対しては事実確認を行っていない。」との主旨の説明があった。また平成十七年十二月二十日には、「全て事実確認していないということではない。」との岩崎担当検事の説明があった。
 1 同地検は、五名の当該署における当該期間に発生した、捜査協力者への謝礼の支払いについて把握したのか、答弁願いたい。
 把握したとするならば、その件数について、答弁願いたい。
 把握していないとするならば、その理由について、答弁願いたい。
 2 同地検の説明から、全ての捜査協力者に対して事実確認を行っていない、と解釈してよいか、答弁願いたい。
 3 同地検が、一部特定の捜査協力者に対して事実確認を行ったとするならば、謝礼を受領した人数と支払件数及び該当する署名について、答弁願いたい。
 4 同地検が、一部特定の捜査協力者に対して事実確認を行った理由と、全ての捜査協力者に対して事実確認を行うことをしなかった理由について、答弁願いたい。
 5 五名の当該署における当該期間に発生した、捜査協力者が謝礼を受領したことの証明として発行された領収書の件数について、答弁願いたい。
 6 事実、捜査協力者に謝礼が支払われていたとして、領収書に記載される架空氏名及び住所等は、捜査協力者の自らの意思によっての記載なのか、もしくは捜査員による指示なのか、答弁願いたい。
 7 領収書に記載される氏名及び住所を、架空にするか、正規のものにするかの判断は誰が行うのか、答弁願いたい。
 8 「プライバシーの保護や身辺に危害が及ぶため捜査をしていない。」ということは、捜査上、認められることなのか。
 捜査上、秘密にされるべきプライバシーや個人情報が漏洩する捜査はあり得るのか。
 このような捜査が認められる基準は何か。
 このような捜査は、国民感情として認められるべきものではないが、どのように考えるか、答弁願いたい。
 (3) 五名に対する不起訴処分について、同地検によれば、「裏帳簿は、かつては存在していたが、今は存在していない。」との主旨の説明があった。合わせて、裏帳簿が存在していない根拠として同地検から、齋藤邦雄氏(元北海道警察弟子屈警察署次長)による、「裏帳簿は一定の期間を過ぎれば廃棄する。」との説明に基づき、結果として、「裏帳簿は存在しないと判断した。」との主旨の説明があった。
 1 同地検の説明から、五名が署長として勤務していた当該署においても、「裏帳簿は存在していた」と解釈してよいか、答弁願いたい。
 2 同地検は、五名に対して、裏帳簿の存在の事実確認を行ったのか、答弁願いたい。
 行っていないとするならば、その理由を答弁願いたい。
 行ったとするならば、どのような方法で事実確認は行われたのか、答弁願いたい。
 3 五名が署長として勤務していた当該署において、裏帳簿が存在していたとして、その裏帳簿の管理は誰が行っていたのか、具体的な職務名と氏名で答弁願いたい。
 またその者から、裏帳簿の不存在の確認をどのように行ったのか、答弁願いたい。
 4 同地検は、齋藤邦雄氏の説明を裏付けるための事実確認は行ったのか、答弁願いたい。
 行ったとするならば、如何なる方法をもって行われたのか、答弁願いたい。
 行っていないとするならば、その理由について、答弁願いたい。
 5 同地検は、齋藤邦雄氏からの聴取以外の方法においても、裏帳簿の存在の事実確認を行ったのか、答弁願いたい。
 また、どのような方法で、存在しないことの確認をしたのか、具体的に答弁願いたい。
 行っていないとするならば、その理由について、答弁願いたい。
 6 齋藤邦雄氏による、「裏帳簿は、一定の期間を過ぎれば廃棄する。」との説明は、証拠隠滅を図ることを目的とした行為と解釈してよいか、答弁願いたい。
 7 裏帳簿の原本は廃棄されたとして、その写し(コピー)が裏帳簿の管理者によって手持ち保管されている可能性についての検討を、同地検は行ったのか、答弁願いたい。
 その写しの存在について、どのような捜査をし、その不存在の確認をしたのか、答弁願いたい。
 検討を行っていないとするならば、その理由について、答弁願いたい。
 (4) 五名に対する不起訴処分について、同地検の岩崎担当検事から、「餞別金は激励的な意味合いを持ち、社会的に容認される範囲のものである。」との主旨の説明があった。
 1 同地検の説明によれば、五名に対しては餞別金が支払われていたと解釈してよいか、答弁願いたい。
 2 同地検の考え方は、適正であるか、否か、答弁願いたい。
 また同地検が、このように判断するに至った根拠は、捜査上どのように得たのか、答弁願いたい。
 3 五名は餞別金を受領、もしくは、五名に対して餞別金の支払は行われたか。同地検はその事実確認を行ったのか、答弁願いたい。
 行っていないとするならば、その理由について、答弁願いたい。
 4 同地検の説明主旨について、法的な根拠を答弁願いたい。
 また餞別金が、どうして激励的な意味合いを持つのか、合わせて、公金での餞別金が、何故、社会的に容認されるのか、答弁願いたい。
 (5) 五名に対する不起訴処分について、同地検から、「公金を裏金化しても個人が着服しない限り、組織のために使ったということであれば、業務上横領としては認め難い。」との主旨の説明があった。
 1 北海道警察は裏金の存在を自ら認めているところだが、裏金は誰の指示でつくられたのか。その指示者に関する事実確認は行われたのか、答弁願いたい。
 事実確認が行われていないとするならば、その理由について、答弁願いたい。
 2 同地検の「組織のためであれば、業務上横領としては認め難い。」との考え方は、適正であるか、否か、答弁願いたい。
 適正であるとするならば、法的な根拠など理由について、答弁願いたい。
 適正でないとするならば、今後、どのような措置を講ずるのか、答弁願いたい。
 3 「農林省の出先機関である作物報告事務所出張所長が、対外折衝、あるいは出張所の事務の円滑を図る意図から、その保管に係る人夫賃を所長および所員の出張旅費あるいは接待費等に流用費消したときは、業務上横領罪を構成する」(最高裁判決 昭和三十年十二月九日)との判例について、どのように考えるか、答弁願いたい。
 この判例を引用すれば、組織、個人の費消の区別なく、北海道警察が行った公金の「裏金化」は、業務上横領罪として成立するものと判断できるが、答弁願いたい。
 (6) 和田徹に対する不起訴処分について、同地検から、偽装したとされる領収書は廃棄されており確証は得られないが、関係者の証言から捜査活動に必要な経費、との主旨の説明があった。
 1 同地検は、領収書の廃棄について、関係者からの証言以外の方法においても事実確認を行ったのか、答弁願いたい。
 他の方法による事実確認を行っていないとするならば、その理由について、答弁願いたい。
 2 同地検の言う「関係者」とは、どのような者を示すのか、答弁願いたい。
 3 同地検の言う「関係者」の証言を裏付けるための事実確認は行ったのか、答弁願いたい。
 行っていないとするならば、その理由について、答弁願いたい。
 4 確証は得られていないが、嫌疑不十分により不起訴とした同地検の処分は適正か、否か、答弁願いたい。
 (7) 畠山伸一に対する不起訴処分について、同地検から、虚偽の会計書類の作成は違法行為ではあるが、「私利私欲の犯行ではない。既に行政処分も受けている。」との主旨の説明があった。
 1 同地検が、私利私欲でないと判断した根拠について、答弁願いたい。
 2 虚偽公文書の違法行為を認めつつも、訴追を行わなかった同地検の判断は適正か、否か、答弁願いたい。
 3 同地検の、刑事処分を科す必要がないとした法的な根拠について、答弁願いたい。
二 北海道警察各警察署における公金着服及び、北海道警察予算執行調査委員会(以下、単に「調査委員会」という)が行った調査について
 (1) 北海道警察倶知安署における公金着服事件について
 1 倶知安警察署に勤務していた國分裕信(以下、単に「同人」という)の、日常的に行っていた業務内容は如何なる内容か、答弁願いたい。
 2 同地検は平成十七年十二月七日付で、同人を札幌地方裁判所に業務上横領で起訴したが、業務上横領に抵触した会計費目は如何なるものか、答弁願いたい。
 3 同人は平成十四年四月十八日から平成十七年一月二十六日までの期間、業務上預かり保管の金員を、自己の用途に充てる目的で横領したとされている。金員の支出にあたって、署長及び同人が所属する会計課の上席者による決裁は、どのような方法をもって執行されていたのか、答弁願いたい。
 また、この期間においては、どの機関による内部監査が実施されたのか、答弁願いたい。
 4 同人が業務上横領していた期間の平成十四年は、調査委員会による調査の期間と合致している。内部調査において公金の横領を判明することができなかった原因について、答弁願いたい。
 5 倶知安警察署に対する調査委員会による調査で、調査を執行した人数、調査対象となった人数、調査対象となった会計費目、調査に要した期間、調査において同署より示された書類等の名称について、答弁願いたい。
 (2) 捜査用報償費等執行分析表(以下、単に「分析表」という)について
 1 帯広警察署について、公費で執行できないと認められる経費(以下、単に「執行できない経費」という)の、交際経費の中で、懇親(または総会、祝賀会)会費として金員を支出している。
 その際に、主催者側から領収書の発行は行われたのか、答弁願いたい。
 また、会費支払者は領収書の発行を主催者側に求めたのか、答弁願いたい。
 会費支払者が領収書の発行を求めなかったとするならば、その理由について、答弁願いたい。
 会費が事実、主催者に支払われたのか、そのことについての事実確認は主催者に行われたのか、答弁願いたい。
 2 倶知安警察署について、執行できない経費の項の、激励経費の中で、激励または慰労として金員を支出している。
 ここに示されている一人あたりに支出した単価の算出根拠について、答弁願いたい。
 3 倶知安警察署について、執行できない経費の項の、激励経費の中で、激励または慰労として金員を支出している。
 その支出は物品もしくは食糧による支給なのか、もしくは現金による渡し切りなのか、答弁願いたい。
 物品もしくは食糧による支給とするならば、その支給した品目について、答弁を願いたい。
 また、その場合、購入金額に対しては消費税が課税されるが、分析表に示された額では、消費税をどのように処理しているのか、答弁願いたい。
 現金とするならば、その現金は誰が受け取り、その会合等の中で、どのような方法で処理されたのか、答弁願いたい。
 4 倶知安警察署について、執行できない経費の項の、激励経費の中で、景品代として金員を支出している。ここに示されている支出金額の算出根拠について、答弁願いたい。
 5 倶知安警察署について、執行できない経費の項の、激励経費の中で、景品代として金員を支出している。
 その支出は物品等による支給なのか、もしくは現金による渡し切りなのか、答弁願いたい。
 物品等による支給とするならば、その支給した品目について、答弁願いたい。
 また、その場合、購入金額に対しては消費税が課税されるが、分析表に示された額では、消費税をどのように処理しているのか、答弁願いたい。
 現金とするならば、その現金は誰が受け取り、その会合等の中で、どのような方法で処理されたのか、答弁願いたい。
 6 倶知安警察署について、執行できない経費の項の、食糧経費の中で、補食費として金員を支出している。
 ここに示されている支出金額の算出根拠について、答弁願いたい。
 7 倶知安警察署について、執行できない経費の項の、食糧経費の中で、補食費として金員を支出している。
 その支出は食糧による支給なのか、もしくは現金による渡し切りなのか、答弁願いたい。
 食糧による支給とするならば、その支給した品目について、答弁願いたい。
 また、その場合、購入金額に対しては消費税が課税されるが、分析表に示された額では、消費税をどのように処理しているのか、答弁願いたい。
 現金とするならば、その現金は誰が受け取り、その会合等の中で、どのような方法で処理されたのか、答弁願いたい。
 8 倶知安警察署について、執行分析表の摘要欄に、「次長からの聴取の際に、説明、メモ等に基づき確認した。」とある。
 これは、『公費で執行できないと認められる経費−交際経費、激励経費、食糧経費』の全てにおいて、領収書は存在していないと解釈してよいか、答弁願いたい。
 9 8に関連して、領収書は存在していないとするならば、存在しない理由について、答弁願いたい。
 10 倶知安警察署について、執行できない経費の項の摘要では、「次長からの聴取の際に、説明、メモ等に基づき確認した。」ことにより、執行できない経費の算出根拠としている。
 この中にある『説明』は、記憶のみに基づく説明なのか、または説明にあたっては資料等を提示しての説明なのか、答弁願いたい。
 また、ここで言う『メモ等』とは、次長の個人的もしくは私的なメモを意味するのか、答弁願いたい。
 次長の個人的もしくは私的なメモとするならば、そのメモの内容が公金の不正額の確定及び、返還額の確定の算出根拠となることについて、適正と考えるか、答弁願いたい。
 11 倶知安警察署について、積み上げ根拠の項では、次長から捜査費の交付を受けていた係長は、協力者に三万円位を支払っていたとしている。
 仮に領収書名義が、協力者または捜査員の都合により架空名義(氏名)とされたとしても、協力者に支払った金額は明らかになるはずである。「位」と記述されている理由について、答弁願いたい。
 また捜査員が領収書を受け取ることができなかったとするならば、その理由について、答弁願いたい。
 領収書が存在していないとするならば、その理由について、答弁願いたい。
 そのような「位」との回答で真実と確認したのか、答弁願いたい。
 12 帯広警察署について、積み上げ根拠の項では、「課長〜副署長から捜査費として六〜八万円受領していたと思う。」としている。
 月毎に捜査費の交付額に差違は生じるのか、答弁願いたい。
 差異が生じるとするならば、その理由について、答弁願いたい。
 差異が生じないとするならば、ここに示されている「月六〜八万円」の意味について、その理由を答弁願いたい。
 このような曖昧なもので、真実と確認されたことになるのか、答弁願いたい。
 13 帯広警察署について、積み上げ根拠の項では、課長、次長、係長はそれぞれ捜査費の交付を受け、手持ちとして金員を保管している。
 同地検は、五名に対する捜査の過程において、それぞれが保管している手持ち金員の使途について、事実確認を行ったのか、答弁願いたい。
 事実確認を行っていないとするならば、その理由について、答弁願いたい。
 また、それで確証あるものとした根拠について、答弁願いたい。
 14 倶知安警察署について、積み上げ根拠の項で次長は、「捜査費・報償費は十〜二十パーセントを控除して、各課(係長)に渡していたが、金額は覚えていない。控除した分を運営費にしていた。」とし、極めて曖昧な根拠となっている。一方、執行できない経費の摘要では、「次長からの聴取の際に、説明、メモ等に基づき確認した。」と、具体的な根拠に基づき、執行できない経費の算出を行っている。
 この曖昧な根拠と、具体的な根拠の間に生じている矛盾について、答弁願いたい。
 15 帯広警察署について、平成十三年度及び平成十四年度分析表が示されない理由について、答弁願いたい。
 その分析表を示すべきと考えるが、答弁願いたい。
 16 帯広警察署について、平成十二年度分析表によると、摘要では、「副署長等からの説明により確認した。」とある。
 説明にあたって、副署長は資料を提示したのか、または口頭のみによるものなのか、答弁願いたい。
 説明にあたって、資料を提示したとするならば、その資料名について、答弁願いたい。
 説明にあたって、口頭のみによるものとするならば、そのことを立証するに足り得る資料等の提示は行われたのか、答弁願いたい。
 17 帯広警察署について、積み上げ根拠の項では、「副署長は三万円位、課長は一〜二万円と双方の申し立てに違いがあるため、低額の課長の申し立てを算定額とした。」とある。
 課長の額を算定額とした根拠について、答弁願いたい。
 また、それで確証あるものとした根拠について、答弁願いたい。
 18 帯広警察署について、積み上げ根拠の項では、「副署長六万円位、課長は六〜八万円と双方の申し立て額が同額である六万円を算定額とした。」「副署長三万円位、課長は二〜三万円位と双方の申し立て額が同額である三万円を算定額とした。」とある。
 双方が示した額には、明らかに食い違いがあるにも関わらず、同額とした根拠について、答弁願いたい。
 19 帯広警察署について、積み上げ根拠の項では、「(運営費等は)受け取っていない(いなかった)。」とあるが、その部・課名について、答弁願いたい。
 20 天塩警察署について、積み上げ根拠の項に「運営費」とある。
 運営費は会計規則に基づいた費目なのか、答弁願いたい。
 会計規則に基づいた費目でないとするならば、運営費と呼称している根拠について、答弁願いたい。
 また、運営費の使途内容について、答弁願いたい。
 21 天塩警察署について、積み上げ根拠の項に、「捜査費三〜四万円、報償費三〜五万円の半分を捜査員に交付し、残りは予備費として保留し、不足時に交付していた。」とある。
 不足時とは、どのような事態を示してのことか、答弁願いたい。
 不足時の交付を必要としない場合、予備費は、どのような方法で処理されるのか、答弁願いたい。
 22 天塩警察署について、積み上げ根拠の項に、「係長は受領していたかどうか記憶がない。主任は個人に対してではなく係長として受領していたと説明。」とある。
 主任の説明を裏付けるものは何か、答弁願いたい。
 係長は記憶がないとしているが、このような曖昧な回答を、確認できたものとした根拠について、答弁願いたい。
 23 天塩警察署について、積み上げ根拠の項に、「課長は受領した記憶がないとのことから、0円で計上した。」とある。
 このような曖昧な回答を、確認できたものとした根拠について、答弁願いたい。
 24 白石警察署について、平成十二年度分析表の摘要では、「使途の内訳は、元副署長の説明により確認した。」とある。
 説明にあたって、元副署長は資料を提示したのか、または口頭のみによるものなのか、答弁願いたい。
 説明にあたって、資料を提示したとするならば、その資料名について、答弁願いたい。
 説明にあたって、口頭のみによるものとするならば、そのことを立証するに足り得る資料等の提示は行われたのか、答弁願いたい。
 25 白石警察署について、公費で執行できない経費の交際経費で、執行月不明としている箇所がある。
 具体的に執行対象となった件数・人数及び金額が明示されているにも関わらず、執行月が不明とされている。それで確証あるものとした根拠について、答弁願いたい。
 また、ここに該当する関係機関及び外郭団体に対しては、執行月の事実確認は行われたのか、答弁願いたい。
 行われていないとするならば、その理由について、答弁願いたい。
 26 白石警察署について、積み上げ根拠で五十嵐敏明署長は、「機動的、効果的に運用するために予め現金化していたというだけのもの。」としている。
 機動的、効果的とは具体的にどのような状況のことを示すのか、答弁願いたい。
 また捜査の過程において、正規な会計手続きによる支出を行った場合、捜査に対しては如何なる支障が生じるのか、答弁願いたい。
 27 白石警察署について、積み上げ根拠で、「使途は地域課員の検挙実績に対する報償などであった。」としている。
 検挙実績に対する報償とは、具体的にどのような状況を示すのか、答弁願いたい。
 28 苫小牧警察署について、平成十二年度分析表によると、執行できない経費の項について、食糧経費の中で、補食として金員を支出している。
 分析表に示されている、一人あたりに支出した単価の算出根拠について、答弁願いたい。
 29 苫小牧警察署について、積み上げ根拠で角森正人署長は、「捜査費・報償費に一部不適正な処理があったが、すべて警察活動に使用し、署長個人の手当の受領はなかった。」としている。
 一部不適正な処理の内容について、答弁願いたい。
 また、すべて警察活動に使用したとする根拠について、答弁願いたい。
 30 苫小牧警察署について、積み上げ根拠で、「聴取した捜査員九名中八名は捜査費の受領を否定。」としている。
 拒否した理由について、答弁願いたい。
 31 苫小牧警察署について、積み上げ根拠で、「課長は捜査費の受領を否定している。」としている。
 調査委員会が課長の否定を「了」とした根拠について、答弁願いたい。
 32 旭川中央警察署について、平成十二年度分析表の摘要では、「副署長からの聴取の際、備忘録、記憶等に基づくもの。」としている。
 記憶を裏付けるものについて、答弁願いたい。
 このような曖昧な回答を、確認できたものとした根拠について、答弁願いたい。
 33 旭川中央警察署について、積み上げ根拠で片貝忠男署長は、「正規な手続きを経ないことは認識していた。」としているが、正規な手続きを経ない理由について、答弁願いたい。
 34 同地検の岩崎担当検事から、分析表の確証が得られない額について、「確認できなかった金額は数万円程度。」との主旨の説明があった。
 五署について、分析表の確証が得られない額のうち、確認された項目と金額の全てを答弁願いたい。
 確認できない金額は、数万円程度との説明だが、五署毎に確認できない金額を答弁願いたい。
 確認できない金額の使途が不明な中、私的流用がなく不起訴とした根拠について、答弁願いたい。
 (3) 調査委員会最終報告及び、北海道監査委員による特別監査・確認的監査報告、会計検査院決算報告に伴う国費及び北海道費の返還について
 1 北海道警察は、国費(六億五千六百八十一万四千七百二十四円 法定利息含む)、北海道費(三億五百七十七万八千二百四十九円 法定利息含む)、総額九億六千二百五十九万二千九百七十三円を返還した。それに対して、北海道警察返還金処理委員会(以下、単に「処理委員会」という)には、平成十七年十一月三十日現在で十二億六千三百一万四千五百八十三円の収入があり、三億五万九千十円の余剰金が出たものとされている。
 この内容は事実か、答弁願いたい。
 また、余剰金の清算内容等、及び清算内容を決定する者(もしくは機関)について、答弁願いたい。
 2 収入の内訳に、「拠出金」、「協力金等」とあるが、拠出金、協力金それぞれが示す意味と内容について答弁願いたい。
 「協力金等」に記載されている「等」とは、どのような意味を示すのか、その内容について答弁願いたい。
 3 拠出金及び協力金等の内容について、衆議院議員、参議院議員並びに地方公共団体の議員及び長は含まれているのか、答弁願いたい。
 処理委員会は、衆議院議員、参議院議員並びに地方公共団体の議員及び長から、公職選挙法上、寄附を受けることのできる団体として認められるものか、答弁願いたい。
 公職選挙法上、衆議院議員、参議院議員並びに地方公共団体の議員及び長が処理委員会に寄附を行ったとした場合、その者による寄付金は、どのように処理されるのか、答弁願いたい。
 4 「拠出金」に応じた人数、「協力金等」に応じた人数について、答弁願いたい。
 5 収入、余剰金及び、余剰金の清算内容については、今般の北海道警察による公金の不正流用により、公金のあり方が大きく問われている事態を鑑みれば、納税者に対しては、その情報の全てを公開する義務が生じていると考えられる。
 公開するとするならば、その時期及び方法について、答弁願いたい。
 また公開をしないとするならば、その理由について、答弁願いたい。
 6 1に示した通り、余剰金があるとするならば、処理委員会の収益として税務申告すべきと考えるが、答弁願いたい。

 右質問する。



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