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平成十八年四月十日提出
質問第二一六号

介護保険制度「地域密着型サービス施設整備交付金」に関する質問主意書

提出者  滝  実




介護保険制度「地域密着型サービス施設整備交付金」に関する質問主意書


 介護保険制度の改正により「地域介護・福祉空間整備等交付金」が創設された。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域ケア体制の確立を目指したもので、地元での生活継続を望む高齢者の希望に応える理念は評価できる。
 しかしながら、地域密着型サービス(小規模多機能型サービス)に対する施設整備費を市町村に交付し、市町村が弾力的な執行をできるよう目指したものなのに、実際の施設整備には利用できない制限があり、うまく機能していない面がある。制度上の欠陥ともいえ、真に地域再生のための新たな介護・福祉基盤の整備を進めるために是正を求める。
 よって、次の事項について質問する。

一 平成十七年四月から施行された介護保険制度の改正により創設された「地域介護・福祉空間整備等交付金」の「地域密着型サービス(小規模多機能型サービス)」に対する施設整備費(市町村への交付金)では、借家の改修は助成対象外である。しかし、こうした施設においては、初期経費を安く抑えるために民家を賃借し、個室を増やすなどの改修をしてサービスを始める例が多い。借家利用は経費の面だけでなく、空き家の有効利用の面からも今後も増えると見られる。
 例えば長野県では、制度改正前には運営主体やサービス内容によって国庫補助が出なかった施設を支援するため、地域で小規模で多機能なサービスを提供する「宅幼老所」を“コモンズハウス”として借家の整備に対しても助成を行う制度を平成十四年度から県単独事業で設けた結果、事業者の参入が進み、平成十七年度末には約三百か所が整備されている。このように小規模多機能型サービスに対する地域の需要は非常に高いが、制度改正後もこのコモンズハウスについて、借家の改修は助成対象になっていない。
 改正後も制度の不備を県が補っているのが現状だが、地域密着型の介護サービスについては、国が市町村に交付金を交付するように制度を変更した以上、地域が利用しやすいように是正するのは当然である。借家の改修も地域密着型サービスへの施設整備交付金の助成対象にすべきではないか。
二 長崎県大村市の認知症グループホームで入居していた高齢者七人が亡くなった火災をきっかけに、消防庁は認知症グループホームに住宅用スプリンクラー設置を義務付けることを検討している。しかし、住宅用スプリンクラーの設置には費用が少なくとも百万円から三百万円かかるため、ギリギリの経費で運営しているホームには費用負担が過大だ。中には「スプリンクラーが義務化されたら、収入の無い入居者に負担を求めることができず、ホームを閉めざるを得ない」と心配する声もあると聞く。また、消防庁の案では「自分で避難するのが難しい人が就寝する施設も、認知症高齢者グループホームと同様の防火対策をとる必要がある」としており、影響は他の高齢者介護施設にも及ぶだろう。
 一方で、木造住宅が多い小規模施設の安全のためには、スプリンクラーが必要だと言う消防庁の立場も理解できる。
 高齢者の福祉政策が、身近な地域に小規模な施設を整備して、住み慣れた地域で暮らすことを基本としている以上、地域密着型サービスへの施設整備交付金の助成対象に「スプリンクラーの設置等防火対策の費用」も加えるべきだと思われるが、考え方をお示しいただきたい。

 右質問する。



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