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平成十八年六月十四日提出
質問第三五二号

米国産牛肉に関する質問主意書

提出者  岡本充功




米国産牛肉に関する質問主意書


 平成十七年十二月にBSE感染牛が確認された米国から牛肉の輸入再開が決定された。平成十八年一月に椎骨付き牛肉が米国から輸出され、多くの国民に食の安全を揺るがす問題として脅威を与えたことは記憶に新しい。その中で米国産牛肉に関する輸入再々開も近いとの報道もある。しかしながら、米国産牛肉に対する疑問は解消していない。
 従って、次の事項について質問する。

一 対日牛肉輸出証明(EV)プログラムとは具体的にはどんなプログラムであるのかその詳細が企業秘密とされ公表されていないことは安全性を担保するうえできわめて重要であると考えるが見解如何。各施設別のEVプログラムがあることは不自然であり、統一されているべきであると考えるが見解如何。また各施設の具体的かつ詳細な処理工程を含めたEVプログラムについて回答を求める。
二 平成十七年十二月に食品安全委員会が答申した「『米国・カナダの輸出プログラムにより管理された牛肉・内臓を摂取する場合と、我が国の牛に由来する牛肉・内臓を摂取する場合のリスクの同等性』に係る食品健康影響評価について」は個別の肥育牧場や食肉処理施設についての評価かそれとも米国産牛肉全般にかかるBSEリスクを評価したものであるのか見解如何。また、米国産牛肉全般にかかるBSEリスクを評価したものであるとすれば、一部の肥育農場であれ食肉処理施設であろうとも対日輸出プログラムが守られていなければ本答申は成立しなくなると解されるが見解如何。また本答申の中で「今後のリスク評価には、米国およびカナダにおけるサーベイランスを、対象および数、また検査法を含めてさらに強化し、かつ継続することが重要であると考えられる。」とし、さらに「我が国のリスク管理機関による米国とカナダのサーベイランスデータの恒常的把握が必要で、それに基づいたリスクの再評価があり得る」としている。米国のサーベイランスが今後縮小されれば生体牛リスクの総括的評価が今後成り立たなくなる恐れが生じることはないのか見解如何。また本答申の結論への付帯事項の中で「リスク管理機関が(中略)輸入再開の場合は輸出国に対して輸出プログラムの遵守を確保させるための責任を負う」とされている。これに従えば米国内施設における平成十八年一月時点で輸出プログラム遵守違反が認められた責任は我が国のリスク管理機関の責任と理解するが見解如何。
三 平成十八年二月十五日の衆議院予算委員会における松田国務大臣の「輸出プログラムが守られていないということで管理側は輸入をとめられた」と答弁し全食肉処理施設からの輸入を停止した。これは現時点でとか一部の施設に限定した質問ではなく従って当然答弁も個別の施設を想定した答弁ではないはずである。見解如何。
四 平成十八年二月十七日に米国農務省(USDA)が報告した「対日牛肉輸出証明プログラムに関する調査結果・対策報告書」の中でUSDAによる十二箇所の改善点、食品安全検査局(FSIS)による十五箇所の改善点、農務省監査局(OIG)の六つの推奨点が示された。この中で未実施のものについてはそれぞれ期日を決めて完了することとされている。実施済みかどうかの確認、また未実施のものについて実施済みとの報告は既に受けているのか、それぞれ個別の点について具体的な回答を求める。
五 平成十八年一月に米国農務省地域監察官事務局が報告した報告書(報告書番号五〇六〇一の一〇のKC)で指摘されている動植物保健検査局(APHIS)、FSISに対する勧告のうちそれぞれが期限を示して改善をすると回答した。これらのうち期限に達しているものは改善されているのか。行われているのであればその詳細を各勧告に対応する形で回答を求める。特にOIGが監査で訪問した十二施設のうち九施設では「適切な特定危険部位除去手順が守られていたかあるいは適切であったかどうかが判断できなかった」としている。この九施設に対日EVプログラム認定施設が含まれているのか如何。
六 平成十七年八月にFSISが特定危険部位(SRM)除去に関する違反やHACCAP違反について千三十六件の規則遵守違反記録(NR)が報告されている。平成十八年六月現在FSISによるこのようなNRは何件あると承知しているのか。また承知していないとすれば何件あるかという問いを米国側にしているのか如何。対日牛肉輸出証明(EV)プログラム認定施設においてもこの時点でNRが報告されている。これらの施設のうち日本が平成十七年十二月に査察した施設が少なくとも九施設あったと承知している。この査察の中でこれらのNRの指摘の改善について確認をしてきたのか。また確認しているのであればどのような確認であったか具体的な査察報告を回答されたい。すべてのEVプログラム認定施設においてこれらの違反記録の改善がどのように行われたのか米国側から報告を受けているのか。報告を受けているのであればその詳細な報告を各NRに対応する形で回答を求める。
七 四から六で質してきた米国機関側からの「期限を定めて改善する」との報告はいずれも食品供給の現場にBSEを蔓延させないための重要な改善であると考える。然るに政府がこれらの改善点についてもし詳細な確認をしていないのであれば確認をしていない理由を逐一の改善点について回答を求める。
八 行政機関の保有する情報の公開に関する法律によれば行政機関の長は、開示請求があったときは、開示請求にかかる行政文書の原則公開を定めている。本法第五条第二号で規定する国民の生命、健康を保護するため公にすることが必要な情報であるが一方本法第五条第三号で定める他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報である場合、この法律の非公開とすることができる情報となるのか見解如何。平成十七年十二月に日本政府が実施した米国内食肉処理施設への査察報告書についてはすでに農林水産委員会において食品安全委員長が国民の生命、健康を保護するために必要な情報であるとの趣旨の答弁をしている。その一方農林水産省消費安全局長は本法第五条第三号の他国との信頼関係が損なわれると認められることにつき相当の理由がある情報であるため非公開としているとの趣旨の答弁をしている。本情報の公開が米国、ならびにカナダとの信頼関係を損うおそれがあると認める相当の理由如何。また米国・カナダと我が国との信頼関係が多くの自国民の生命、健康より優先される理由如何。

 右質問する。



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