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平成十八年十一月二十八日提出
質問第一八六号

対北朝鮮外交を巡る在米国日本国大使館と外務本省の軋轢に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




対北朝鮮外交を巡る在米国日本国大使館と外務本省の軋轢に関する質問主意書


一 朝日新聞社コラムニストの船橋洋一氏の著書「ザ・ペニンシュラ・クエスチョン 朝鮮半島第二次核危機」(朝日新聞社)の百二十二〜百二十三頁に、
 「駐米日本大使館は、ワシントンの雑音と不協和音を漏らさず、東京に打電した。
 『だまし討ちみたいなことはやってほしくない』
 『北朝鮮という国はお金をあげたり、対話をすればよくなるという国ではない』
 『金目ばかりが先行するのは困る。安全保障をちゃんとやってほしい』
 加藤良三駐米大使は、日本政府は、首相訪朝と正常化交渉に関して、米国と十分に打ち合わせていないのではないかとの懸念を深めた。
 『日韓正常化と日朝正常化とは違う。そこを間違ってはいけない』
 加藤は、そうした懸念を本省に伝えた。
 『どこが違うか。それは、安全保障問題だ。日韓正常化の時は安全保障問題は考える必要はなかった。両国とも米国の同盟国だったからだ。しかし、北朝鮮はそうではない。核、ミサイル、通常兵力、不審船、いまなお安全保障上の脅威を与えている。それを克服しないで、正常化はない』
 そういう趣旨である。
 それらの問題は、日朝正常化の水面下交渉で日本側が北朝鮮側に問い質し、先方からの回答を吟味してきたところであった。
 その成果が日朝平壌宣言に他ならなかった。
 しかし、駐米大使館は、完全に蚊帳の外に置かれていた。
 東京から首相訪朝の内密の知らせが届いた後もなお、情報提供は不十分だった。
 加藤は、アーミテージが訪日の際、日本政府に伝えた北朝鮮の核問題での新たな展開に関する情報も日本から帰国したアーミテージに直に教わったほどである。本省から米国大使館に打電されてきたアーミテージ訪日の際の発言を記した電報のうち、なぜか、その部分はすっぽり抜けていた。」
という記述があることを外務省は承知しているか。
二 在米国日本国大使館が外務本省に対し、「だまし討ちみたいなことはやってほしくない」との趣旨の米国側懸念を伝える公電を送ったことがあるか。あるならば、当該公電の外務本省への到着年、月、日、時、分と秘密指定の有無を明らかにされたい。
三 在米国日本国大使館が外務本省に対し、「北朝鮮という国はお金をあげたり、対話をすればよくなるという国ではない」との趣旨の米国側懸念を伝える公電を送ったことがあるか。あるならば、当該公電の外務本省への到着年、月、日、時、分と秘密指定の有無を明らかにされたい。
四 在米国日本国大使館が外務本省に対し、「金目ばかりが先行するのは困る。安全保障をちゃんとやってほしい」との趣旨の米国側懸念を伝える公電を送ったことがあるか。あるならば、当該公電の外務本省への到着年、月、日、時、分と秘密指定の有無を明らかにされたい。
五 二〇〇二年八月にアーミテージ米国国務副長官が訪日したと承知するが、その際、同副長官が日本政府関係者と会談した日時とそれぞれの会談について記録が作成されたか否かを明らかにされたい。
六 「加藤は、アーミテージが訪日の際、日本政府に伝えた北朝鮮の核問題での新たな展開に関する情報も日本から帰国したアーミテージに直に教わったほどである。本省から米国大使館に打電されてきたアーミテージ訪日の際の発言を記した電報のうち、なぜか、その部分はすっぽり抜けていた」という事実があるか。あるならば、なぜ外務本省はかかる削除を行った公電を在米国日本国大使館に送ったのか。
七 二〇〇二年九月の日朝首脳会談の過程において「駐米大使館は、完全に蚊帳の外に置かれていた」という認識を外務省は有しているか。

 右質問する。



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