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平成十八年十二月七日提出
質問第二一一号

高レベル放射性廃棄物の最終処分施設の設置可能性を調査する区域の公募に関する質問主意書

提出者  辻元清美




高レベル放射性廃棄物の最終処分施設の設置可能性を調査する区域の公募に関する質問主意書


 高レベル放射性廃棄物の最終処分施設の設置可能性を調査する区域の公募(以下「公募」と略す)が行なわれているが、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律(以下「法」と略す)に「都道府県知事及び市町村長の意見を聴き、これを十分に尊重してしなければならない」(第四条第五項)とされている点について混乱があるように見受けられる。また、調査に対する電源立地地域対策交付金の次年度からの増額が概算要求に含まれていることに疑念がある。
 よって、それらの問題につき、以下の質問をする。

一 新聞報道によれば、高知県東洋町や滋賀県余呉町などで、資源エネルギー庁や原子力発電環境整備機構が「各段階で自治体が拒否権を持てるというのが国の約束だ」と説明しているという。法第四条第五項は、自治体に「拒否権」を与えていると解してよいのか。
二 公募に応じた市町村長が、応募を取り下げることはできるのか。
三 滋賀県余呉町長は「余呉は建設できる状況ではないだろう」としつつ、「調査だけ受け入れ」を想定する意向を示しているという。「建設できない」と考えていながら応募し、交付金を受け取るのは許される行為なのか。「調査だけ受け入れ」というのはありうるのか。
四 電源立地地域対策交付金は、国民からの貴重な税金を原資にしたものである。立地を前提とせず交付金だけを目的とする応募が検討されるということは、制度的欠陥があるからだと考えるが、いかがか。
五 電源立地地域対策交付金の交付規則第五条によれば、発電用施設、使用済み燃料貯蔵施設、MOX燃料加工工場、低レベル放射性廃棄物埋設施設、深地層研究施設の交付期間は、いずれも立地可能性調査の開始年度ないしその翌年度からとなっている。立地可能性調査とは「地質、気象、海象の調査その他の発電用施設の立地地点を定めるための調査」(交付規則第五条)を言い、陸域・海域のボーリング調査などが行なわれる。ところが最終処分施設の文献調査では、現地に足を運ぶ必要すらなく、調査をすることで自然環境にも社会環境にも何ら影響を与えない。文献調査は立地可能性調査と同等ではなく、概要調査が立地可能性調査に当たるものであり、文献調査はその前段と考えるべきではないか。そのような調査に当該交付金を交付することは交付金の趣旨に反するのではないか。
六 前記の実態と照らし合わせたとき、年間二・一億円という交付金の額は、原発等の立地可能性調査に対する年間一・四億円(但し原発では、経済産業大臣が特に必要と認める場合は特例あり)に比して大きすぎないか。それをさらに年間一〇億円(限度額二〇億円)に増額しようとするのは、まさに法外ではないか。
七 これまで正式な応募がないのはどのような理由によるものと考えているか。交付金の増額が解決策となるとの考えか。
八 電源立地地域対策交付金の交付は当該市町村が単独で申請できるとされているが、都道府県が設置に同意していない施設に関してそうした申請が行なわれた実績はあるか。
九 原子力発電施設等立地地域特別交付金の交付対象は都道府県であり、市町村のみで応募するとしている文献調査と矛盾するのではないか。
一〇 同交付金の対象となる「立地地域」とは、「施設の設置が行われ、若しくは行われることが見込まれる」(電源開発促進対策特別会計法施行令第一条第一項第一六号)地域のはずである。文献調査区域を「立地地域」と見なすのは無理があるのではないか。交付額は一つの地域振興計画につき原則として二五億円(年間一二・五億円)であり、きわめて高額である。「立地地域」の定義は、厳格であるべきではないか。
一一 原子力発電環境整備機構が、公募に応じた自治体、あるいは応募を検討している自治体に寄付をした実績はあるか。あるとすれば、いつ、どこに、いくら寄付をしたか。ないとすれば、寄付はできないということか、もしくはできるがしていないということか。

 右質問する。



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