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平成十九年三月六日提出
質問第一〇三号

安倍首相の人権意識に関する質問主意書

提出者  辻元清美




安倍首相の人権意識に関する質問主意書


 二月二五日、伊吹文部科学大臣が長崎での講演会で、日本は「大和民族が統治した同質的な国」「人権だけを食べ過ぎれば、日本社会は人権メタボリック症候群になる」と発言した。伊吹大臣は、かつて「我が国は世界の中で極めて例外的な国でございまして、もう申し上げるまでもなく、アイヌの方とか在日で日本国籍をお取りになった方ももちろん共生して暮らしているわけですが、基本的に言うと、一民族で成り立ち、一民族の言語が主権の及ぶ国家のどこででも通用して、そしてその一民族が常にその国をコントロールしてきて」(二〇〇六年一〇月二〇日・衆議院文部科学委員会)と答弁している。
 これに対し安倍首相は、記者に対し、「同質的な国」という発言については「特に問題あると思わない。そんなに相手を皆殺しにすることもなく、まあまあ仲良くやってきたということなんじゃないか」と述べ、「人権メタボリック症候群」という発言については「全体を読んでみれば問題ない。権利には義務がつきもの。義務には規律が大切とおっしゃっている」と、問題視しない見解を示している。
 しかしながら、国連・人種差別の撤廃に関する委員会は「人種差別の撤廃に関する委員会の最終見解」(二〇〇一年三月二〇日)で、「委員会は、高官による差別的発言及び、特に、本条約第四条(C)に違反する結果として当局がとる行政的又は法的措置の欠如や、またそのような行為が人種差別を助長し扇動する意図を有している場合にのみ処罰可能であるとする解釈に、懸念を持って留意する。締約国に対し、将来かかる事態を防止するために適切な措置をとり、また本条約第七条に従い、人種差別につながる偏見と戦うとの観点から、特に公務員、法執行官、及び行政官に対し、適切な訓練を施すよう要求する。」としている。
 また、国連・子どもの権利委員会が「日本に対する総括所見(第二回)」(二〇〇四年一月三〇日)の中で、「子どもの権利条約第二条(差別禁止)の一般原則が、アイヌ及び在日韓国朝鮮人などの国民的、及び民族少数者、障害を持つ子ども、並びに婚外子など特に権利を侵害されやすいグループに属する子どもに関する立法政策および施策に十全に組み入れられていない。」と懸念を示し、改善するよう日本政府に勧告している。
 このように、日本では民族少数者の権利、そして市民の人権保障が不十分というのは国際社会に共通した認識であり、日本政府は多くの勧告を受けている。
 人権に関する国際的な基本認識では、市民の「権利」を実現するための「義務」を負うのは国家・政府であり、規律が求められるのも国家・政府である。今後日本が人道大国として国際的な地位を確立していくためにも、安倍首相の認識がこうした国際基準と合致したものであるかどうか確認することは急務である。
 従って、以下、質問する。

一 《同質的な国発言》について
 1 安倍首相のいう「皆殺しにすることもなく、まあまあ仲良くやってきた」とは具体的にどの民族に対する、いつの時点での、どのような施策をさすのか。複数あれば、すべて示されたい。
 2 旧大日本帝国下の「皇民化政策」で、琉球民族・アイヌ民族・朝鮮民族・台湾民族に固有の言語を禁止した言語統制は、「仲良くやってきた」施策に数えられるのか。安倍首相の見解を示されたい。
 3 安倍首相は、「特に権利を侵害されやすいグループに属する子どもに関する立法政策および施策に十全に組み入れられていない。」とする国連・子どもの人権委員会の認識は間違っているという認識か。また政府として、過去・現在・未来において、国連に対し修正するよう求めたことはあるか、また求めていくのか。
 4 安倍首相は、「特に権利を侵害されやすいグループに属する子どもに関する立法政策および施策に十全に組み入れられていない。」とする国連・子どもの人権委員会の認識は正しいという認識か。そうであれば、今後どのような改善策を行っていくか。すべて、具体的に示されたい。
 5 安倍首相は、「大和民族」の定義をどうとらえているか。
 6 「基本的に言うと、一民族で成り立ち」というのは、安倍首相も同じ見解か。
 7 「その一民族が常にその国をコントロールしてきて」というのは、具体的にどのような体制をさすと考えるか。また、安倍首相も同じ見解か。
二 《人権メタボリック症候群発言》について
 1 「全体を読んでみれば問題ない」と安倍首相は発言されているが、「人権だけを食べ過ぎれば、日本社会は人権メタボリック症候群になる」という文言自体には問題があるのか。安倍首相の認識を示されたい。
 2 「問題がある」という認識であれば、具体的にはどのような問題があるか。安倍首相の認識を示されたい。
 3 「問題がない」という認識であれば、「人権だけを食べ過ぎて人権メタボリック症候群」になった具体的な例を示されたい。複数あるなら、把握している限りすべて明らかにされたい。
 4 伊吹大臣は、予算委員会での辻元清美の質問に対し、「前後をどの程度読んでいただいているのかと思いますが」と述べており、安倍首相は「全体を読んでみれば」と述べている。正確を期するためにも、伊吹大臣の発言「全体」を明らかにされたい。
 5 安倍首相がいうところの「権利」「義務」とは、それぞれ誰がもつのか。安倍首相の認識を示されたい。
 6 「人種差別につながる偏見と戦うという観点」から、政府高官である伊吹文部科学大臣への「適切な訓練」が必要と考えるが、安倍首相の認識はいかがか。
 7 「人種差別につながる偏見と戦うという観点」から、政府高官である安倍首相への「適切な訓練」が必要と考えるが、安倍首相の認識はいかがか。

 右質問する。



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