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平成十九年五月十四日提出
質問第二二四号

下水道整備事業の現況に関する質問主意書

提出者  小宮山泰子




下水道整備事業の現況に関する質問主意書


 わが国の近代的下水道は明治時代に始まったとされているが、とくに昭和三十三年の下水道法の制定以来、下水道事業は公衆衛生の向上、水質保全など環境面及び雨水対策による公共用水域の安全確保などで大きな役割を果たしてきた。
 その一方で下水道事業の現況を概観しても、検討すべき課題が多いと考える。統計数字を含め下水道事業をめぐる現況を把握し、今後の下水道事業のあり方を再検討するため、以下、質問する。

一 下水道の建設財源とされてきた自治体の下水道債借入金は、下水道経営を困難に陥れているばかりか、自治体の財政を圧迫する大きな原因となっていると広く指摘されている。下水道債借入金残高総額について、最近の実態をご説明いただきたい。また下水道債借入金残高が地方公共団体の借入金総額に占める割合について伺いたい。さらに過去三十年間で、料金不足額が一般会計の借金に振り替えられた下水道料金赤字総額を伺いたい。
二 建設費のほか下水道の維持管理費について伺いたい。自治体の下水道維持管理費総額、下水道使用料総額及び市町村の一般会計で支出される料金不足総額について、最近の実態をご説明いただきたい。また一般会計から下水道会計へ繰り出された過去十年間の総額について伺いたい。
三 小泉前内閣の三位一体改革による国庫補助負担金の削減、地方交付税交付金の圧縮が実施され、下水道事業を取り巻く環境は一段と厳しくなっていると考えるが、市町村の下水道事業財政に与える影響について、どのように考えているか見解を伺いたい。
四 北海道夕張市の財政破綻は、観光事業の失敗による債務が大きすぎて目立たないが、下水道の建設及び供用開始後の管理・運営に伴う負債が影響していることは間違いないと考える。平成十六年度末で夕張市の下水道債残高は約十八億円、十六年度までの十年間の下水道会計収入不足額は約二十億六千万円と聞いている。再建計画で下水道使用料の値上げを行うとしているが、収入不足額を埋めるには遠く及ばず、再建計画が予定どおり進まないことを危惧する。見解を伺いたい。
五 国土交通省の資料によると、下水道普及率は人口百万人以上の規模の都市で九八・四%、他方、人口五万人未満の自治体では三六・三%であり、未普及人口は二千五百万人としている。今後人口五万人未満の自治体の下水道整備が課題としているが、どのくらいの費用と期間が必要と考えているか伺いたい。
六 今後は管路の布設換え等更新のための事業が増加すると考えるが、更新のための費用及びその財源等について伺いたい。
七 合併浄化槽については下水道と同様、水質保全、生活環境の改善及び保全を図る上で有効な施設であると政府も評価しているところである(例として平成三年六月十二日付、「合併処理浄化槽設置整備事業と下水道事業との調整について」厚生省生活衛生局水道環境部長通知)。また北側前国交大臣は平成十七年の下水道法一部改正案審議の際に、「汚水処理施設の整備手法の選定については、各施設の役割、機能を総合的に勘案して、地域の実情を踏まえ地方公共団体がみずから判断することが重要」と答弁している。
 今後、下水道事業が市街地から郊外へ、地方では中山間地へと移っていき、公共下水道として整備を進めるには、自治体の負担能力をはるかに超える財源が必要となることが考えられるが、下水道か合併浄化槽かの選択について、費用対効果、地方財政の健全化の面から、より適切、合理的な選択がされるよう、新たな方針を提案する考えがあるか、伺いたい。

 右質問する。



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