衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十九年六月二十日提出
質問第四〇六号

社会福祉法第二条第三項第八号の事業に関する質問主意書

提出者  田嶋 要




社会福祉法第二条第三項第八号の事業に関する質問主意書


 いわゆる格差社会の進行とともに、生活保護の給付が急増している。一方、悪質な業者が、いわゆるホームレスに対して住居を提供する福祉事業という名の下に、生活保護制度を悪用し、結果として公金を搾取しているケースの可能性も指摘されている。そこで、次の十一点について質問する。

一 社会福祉法第二条第三項第八号にいう「簡易住宅」または「宿泊所その他の施設」(総称して以下「無料低額宿泊所」)に関して、その全国での開設状況を把握しているか。
二 把握しているとすれば、「無料低額宿泊所」利用者のうち生活保護を受給している者は何人いるか。また、生活保護費は「無料低額宿泊所」利用者に年間どのくらい支払われているか。
三 「無料低額宿泊所」の開設に伴い、特に都市部で事業者と地域住民との摩擦が起きているようだが、その状況を把握しているか。
四 現状の「無料低額宿泊所」は、主として利用者が住宅扶助等の生活保護を受けることを前提として運営されているが、この点、問題ないか。
五 「無料低額宿泊所」の居室使用料が、事業者と利用者との間で生活保護の住宅扶助基準の限度額で契約されているが、厚生労働省社会・援護局長が示している「無料低額宿泊所の設備、運営等に関する指針」(以下「指針」という。)にいう、居室使用料は「無料又は低額である」に反してはいないか。
六 居室使用料における「低額」の解釈を明確に示すべきではないか。
七 NPO法人等が、生活保護を受ける資格がある者に対し、生活保護の申請手続きを指導し、もともと滞在していない地域の自治体に申請をして生活保護を受けることになった場合、その当該自治体の行政負担は大きくなるが、この点どのように考えるか。
八 東京都発表(平成十九年五月二十四日)のホームレスの数が、七年前に比べ約四割減少したとのことだが、過去五年間の「無料低額宿泊所」の利用者は首都圏で約五〇〇〇人増加している。東京都周辺の自治体によってはホームレスの数はほぼ横ばいであるのに、施設の利用者数が過去五年間で十倍以上に急激に増加しているところもある。東京都のホームレスが近県の「無料低額宿泊所」に入居しているとは考えられないか。
九 社会福祉法第七十二条第一項及び「指針」には、不当に営利を図った場合は、経営の制限、又は停止を命じられる場合がある旨、規定されている。善良な事業者として登録されたNPO法人などの団体が、他県からホームレスを連れてきて、入居者に生活保護を受けさせた上で施設を運営していた場合、それは「不当に営利を図った場合」に該当するのか。またここで言う「不当に」の判断基準はどのように考えれば良いか。
十 「指針」において「無料低額宿泊所」は「利用者の自立支援に努めること」とあるが、例えばある自治体の調査によると、約六割の利用者が一年以上滞在しているという。このような実態で、施設側が「自立支援に努めている」と言えるか。国として、各自治体に施設の実態調査を求める予定はあるか。
十一 各自治体では、国から示された「指針」に基づき独自のガイドラインを制定し、事業者に対し指導を行っているが、「指針」やガイドラインによる行政指導には限界があることから、今後、指導を実効あるものとするため、国において、施設整備及び運営に関する具体的な施設基準を定めるなどの法的な整備を行う予定はあるか。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.