衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十九年六月二十五日提出
質問第四一七号

いわゆる混合診療問題及び未承認薬剤の授受に関する再質問主意書

提出者  郡 和子




いわゆる混合診療問題及び未承認薬剤の授受に関する再質問主意書


 平成十九年六月十三日付郡和子提出質問第三八〇号「いわゆる混合診療問題及び未承認薬剤の授受に関する質問主意書」(以下「質問第三八〇号」という。)に対して、答弁書(平成十九年六月二十二日付内閣衆質一六六第三八〇号)が送付された。
 この答弁書において、「いわゆる混合診療」に関する医療現場の解釈の混乱を質す必要があるとみられる回答がある一方で、不正と判断されるべき事例について適切な指導・調査が行われていないことを疑わせる回答があった。
 さらに、現行の薬事法体系に関する懸念を喚起する回答があった。すなわち、薬事法体系は本来、その効果及び安全性が確認されている医薬品の効能を前提として患者を治療すること以外の目的に当該医薬品が使われることによる危険を防止し、国民の健康と福祉を守る効果が期待されている。しかし、この答弁書の回答は、現行の薬事法がこうした効果を持つ法体系としては不備があるとの懸念を抱かせるものである。
 厚生労働省においては、これら未承認の薬剤についての研究を適正に進め、診療現場での適正使用に結びつけることができるようにするための様々な制度改善の検討が期待されるところである。しかるに、答弁書に示された内閣の基本的考え方は、総じて、こうした制度改善に向けた公正な検討が行われる可能性を疑わせるものといわざるを得ない。
 右、医療現場の解釈の混乱を質す意義が認められる回答についてはその趣旨をより明確にするとともに、疑念を払拭しえない答弁についてはさらに詳細な答弁を求める。
 以上の観点から、次の事項について質問する。

一 「いわゆる混合診療」について
 1 答弁書「一の1について」では、予防は保険給付の対象とならない、とある。答弁書「一の2及び3について」に示される論拠により「保険医療機関及び保険医療養担当規則」(以下「療担規則」という。)第五条、第十八条、第十九条に違反しない薬剤の予防的投与と、これと一連の診療の過程において行われる薬剤の保険診療としての治療的投与は、併用してよいと解釈できるか。あるいは、予防については保険診療と併用して患者に薬剤費を負担させてもよいか。
 2 答弁書「一の2及び3について」の内容は、「既に日本において収載医薬品とされている薬剤」の適応外処方は、療担規則第十九条には違反するものではなく、療担規則第五条及び第十八条に違反するか否かが問題になる、と解釈してよいか。
 3 同じく答弁書「一の2及び3について」の内容は、「既に日本において収載医薬品とされている薬剤を、本来的な薬理作用に基づき適応外処方した場合には、その適応外処方の目的とする効能に関して薬事規制上の承認がなされている国が存在すれば、療担規則第十八条及び十九条に違反しない」と解釈してよいか。それとも、「存在すること等を踏まえると」の「等」に具体的な事柄、要件が含まれるか。
  後者の場合には、「等」に本件特有の事柄、判断の要件あるいは論拠があるならばその事柄、要件、論拠について明示されたい。また、「等」に一般化できる事柄、要件あるいは論拠が含まれるならばその内容を明らかにされたい。
 4 同じく答弁書「一の2及び3について」の内容は、一般に、保険医療機関における保険医がアスピリンの一次予防投与を、アスピリンの薬剤費について保険請求を行わず、患者に薬剤費を負担させなければ、保険診療と併用して行ってよい、と解釈してよいか。
 5 予防的診療行為と治療的診療行為の併用の可否については、多くの医療現場で解釈の混乱があると推測される。また、質問第三八〇号の質問項目四に示した元衆議院議員や国立大学医学部教授等による要望の申し入れも、「いわゆる混合診療」と関連する法令の難解さを示すものと思われる。
  そこで、右質問項目一の1及び3について厚生労働省の見解を示した文書又は解説した文書が既にあれば、その代表的なものを示されたい。
二 療担規則第十九条違反と疑われる行為の調査について
 答弁書「二の2について」に示された「保険医療機関等及び保険医等の指導及び監査について」の別添1では、「第四 指導対象となる保険医療機関等及び保険医等の選定」「四 個別指導の選定基準」のうち「(一)都道府県個別指導」において、「支払基金等、保険者、被保険者等から診療内容又は診療報酬の請求に関する情報の提供があり、都道府県個別指導が必要と認められた保険医療機関等」が個別指導の対象となるとされ、個別指導の開始に至る日数制限については記載が無い。また、別添2では、「第三 監査対象となる保険医療機関等の選定基準」に適合する保険医療機関等が監査の対象となるとされるが、監査の開始に至る日数制限についても記載が無い。
 個別指導を開始する必要性についての判断基準、個別指導開始に至る日数についての考え方、監査の選定基準についての右別添2よりも詳しい考え方、個別指導開始に至る日数についての考え方を示す文書があれば、その代表的なものを示されたい。
三 未承認の療法に係る治療費請求事案の調査について
 1 質問第三八〇号の質問項目三に示した神奈川県立がんセンターの事例において、患者遺族が不当性を訴え、「患者の権利オンブズマン」が独自の調査に基づき混合診療に該当すると結論していたことは、昨年五月十日の厚生労働委員会における私の質問でも述べたところであり、報道及び同調査では、当該医療機関において同様の不当性が疑われる診療内容・診療報酬の請求が複数存在しているとされている。このような事例は、右別添2の「第三 監査対象となる保険医療機関等の選定基準」の一、二に該当すると考えるが、いかがか。
 2 答弁書「三について」において、前記事例につき、「事実関係等が確定していない段階で、その結果等についてお答えすることは差し控えたい」とあるが、昨年五月十日の時点で厚生労働省が「事実関係を調査している」と答弁した案件であり、既に一年半以上を経過している。
  調査の結果ではなく調査の経緯につき、既に行った行政行為又は行政機関内における検討につき、具体的に示されたい。また、事実関係等が確定するのはいつ頃か、その目途を明らかにされたい。
 3 過去に、右事例と類似した事例(例えば現行制度における「先進医療」に該当する医療行為が、承認を受けていない医療機関で行われ、保険請求が行われ、患者が不当性を訴えていることが報道等により社会的に認知され、厚生労働省にも情報提供され、個別指導又は監査等の行政行為が行われた事例等。類似性は存在が確認できる範囲内でよい。)があれば、情報提供が行われてから当該行政行為が行われるまでの期間、当該行政行為が終了するまでの期間について、(1)短期間であった事例、(2)長期間にわたった事例、(3)典型的又は平均的な期間であった事例の具体例の概略を、当該期間とともに示されたい。
四 「いわゆる混合診療」と疑われた事例についての問い合わせに関する情報の漏洩について
 1 答弁書「四について」の内容から、郡和子事務所より厚生労働省保険局医療課(以下「医療課」という。)久米氏に五月二十四日問い合わせをした後、厚生労働省内部より外部への情報伝達として厚生労働省が把握しているのは、厚生労働省医政局研究開発振興課(以下「研発課」という。)から池田康夫教授に対する臨床試験実施方法についての事実確認のみであると解釈してよいか。
 2 医療課から研発課に対する事実確認について、(1)連絡が行われた日時、(2)その際に、郡和子事務所から医療課に対し、池田康夫教授の研究が「いわゆる混合診療」に該当するか否かの照会があったことを伝達しているか否か、(3)行った事実確認の内容概略、を明らかにされたい。
 3 研発課から池田康夫教授に対する事実確認について、(1)連絡が行われた日時、(2)その際に、郡和子事務所から医療課に対し、池田康夫教授の研究が「いわゆる混合診療」に該当するか否かの照会があったことを伝達しているか否か、(3)行った事実確認の内容概略、を明らかにされたい。
 4 過去に、厚生科学研究費補助金の支給を受けて行われている研究が、いわゆる混合診療に該当する可能性について情報提供を受け、医療課において正規手順に基づく調査を開始する前に、研発課又は疑念の対象となった本人もしくは医療機関に研究内容の事実確認を行った事例があるか。事例があれば、その頻度及び概略について示されたい。
五 既承認薬の未承認の効用等への使用と薬事法第五十五条の適用について
 1 答弁書「五について」の内容によれば、医薬品の製造販売業者が、製造販売承認を取得している医薬品について、承認を受けた効能・使用目的・使用方法のみを標榜し、標榜されている内容とは異なる効能を記載し、異なる使用目的・使用方法によって使用することとした契約を結んで医療機関に販売・授与することは、薬事法第五十五条に抵触しないと解釈してよいか。
 2 右、質問項目五の1の法令解釈を述べた文書が既にあれば、その代表的なものを示されたい。
六 「治験のあり方に関する検討会」委員としての適性について
 1 答弁書「七について」の内容について、厚生労働省の審議会、検討会等の座長を務める者が、規則違反をした場合に、規則違反である行為によって利益を得た後に、規則の解釈が誤っていたことを認めた時点でそれ以降の規則違反による金銭受給を中止し、未使用分のみの返還を申し出るのみで、質問第三八〇号で引用した川崎前厚生労働大臣の国会答弁における「不正」には該当しなくなると厚生労働省は判断していると解してよいか。あるいは、「未使用分の返還を申し出ていること等」の「等」に、答弁書に記載されない本件特有の判断根拠があるか。
 2 同じく答弁書「七について」に池田教授は「記載を誤って解釈したことを認識した」とあるが、同教授は厚生労働省に対して、どのように誤って解釈したと弁明ないし説明をしているのか、その内容を明らかにされたい。また、その弁明ないし説明は口頭で行われたのか、文書で行われたのか。厚生労働省にその弁明ないし説明を記録した文書等は存在するか。
 3 厚生科学審議会科学技術部会「厚生労働科学研究における利益相反に関する検討委員会」において提示された種々の資料、その他近年の利益相反をめぐる世論から、利益相反の管理についての考え方は、責任ある公的立場についている者が、個人的な利益によって、公的判断に不公正な偏りが及ぶことを回避することにより、公共の利益や個人の基本的な権利を守るべきとする理念に基づくと考える。
  質問第三八〇号で引用した川崎前厚生労働大臣の国会答弁は、「不正にかかわった人」と述べ、過去に間接的な関与があった場合にも、委員を継続することは不適切であるとの判断を示した。この前大臣の発言に基づけば、不正を行った者が、不正ではないと誤った判断をして不正を行ったことを認め今後は不正を行わないと言明するのみでは、厚生労働省の委員としての判断に不公正な偏りが及ぶことを回避しえず、また不正を行っていた期間における判断は信頼性を欠くと考える。厚生労働省は、このような前大臣の発言に対する解釈は正しくないと判断するのか、見解を明らかにされたい。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.