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平成十九年六月二十五日提出
質問第四一八号

日本の在外公館に配置されていた美術品の廃棄に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




日本の在外公館に配置されていた美術品の廃棄に関する質問主意書


一 日本の在外公館に配置されていた美術品のうち、在米大使館の和紙マット画「蘇る」、日本画「春暖」、「緑雨」、「吹雪」、「曙」、在アトランタ総領事館の日本画「滝」、「さぎ一対」、「白雪」、「山水画」(作者不明)、「山水画」、「泳ぐ鴨」、在ニューヨーク総領事館の美術品「フィレンツェの庭」、版画「秋雑木」、在グアテマラ大使館の日本画「吹雪」、「叭々鳥」、「海村」、「寝覚」、「朝暉」、「水仙」、在ベレン総領事館の洋画「夕焼帆船」、「スペイン風景その一」、「スペイン風景」、版画「草取」、在フランス大使館の書「山ざくら(若山牧水歌)」、陶磁器「碧釉大壷」、日本画「鯉」、彫刻「あまつひ やくも」、在オーストリア大使館の書「新年の詩」、版画「WORK 85−8(くみ)」、在南アフリカ大使館の日本画「桜に鳥」、「鵜飼」、「桃源境」、在ペルー大使館の日本画「学士耕雨」、「杏」、在ベトナム大使館の版画「朝顔」、在ギニア大使館の日本画「妙義」、在アルジェリア大使館の陶磁器「葡萄文染付大壷」、在タイ大使館の陶磁器「釉嵌線文大皿」、在ガボン大使館の陶磁器「青白磁花文鉢」、在コンゴ(民)大使館の日本画「芍薬」、在ベネズエラ大使館の日本画「松韻涛声」、在サンクトペテルブルク総領事館の日本画「冬景山水」、在エクアドル大使館の陶磁器「九谷焼色絵小文皿」、在ベルギー大使館の辰新春氏が作者の日本画、在トリニダードトバゴ大使館の陶磁器「色釉壷」の計四十五点(以下、「廃棄された美術品四十五点」という。)が廃棄されていたことがそれぞれの政府答弁書(それぞれ順に内閣衆質一六六第二四四号、二六一号、二六二号、三〇五号、三三七号、二五五号、二九九号、三〇八号、三二七号、三四〇号、三五三号、二八三号、三五六号、二六九号、二九六号、三〇三号、三一九号、三三六号、三六〇号、二八〇号、三二二号、三五五号、三六五号、二四五号、二六〇号、三〇六号、三二〇号、二八二号、三五〇号、二八一号、三三九号、三四八号、二七五号、三四九号、二四九号、二五一号、二七三号、二八四号、二八五号、二八六号、二八八号、三〇一号、三一一号、三三四号、三五一号)で明らかになったが、「廃棄された美術品四十五点」が配置されていた各在外公館に最初に配置された日にちをそれぞれ明らかにされたい。
二 「廃棄された美術品四十五点」につき、実際に廃棄された日にち、及び廃棄の方法、廃棄された場所についてそれぞれ明らかにされたい。
三 「廃棄された美術品四十五点」を廃棄することを決定するにあたり、決裁書は作成されているか。作成されているのならば、その内容を明らかにされたい。作成されていないのならば、作成しない理由を明らかにされたい。
四 二〇〇七年六月二十五日付朝日新聞三十九面に、「在外公館、美術品四十五点廃棄 〇二年以降、紛失も一点 外務省『劣化した』作者側『失礼な話』」との見出しで、
 「大使館などの在外公館に飾られていた絵画や陶磁器などの美術品のうち、〇二年以降に四十五点が廃棄され、大使公邸で絵画一点を紛失していたことがわかった。廃棄した四十五点について外務省は『劣化したり破損したりした物。管理は適切だった』としているが、作者からは「外務省なら大事にしてくれると思ったのに」といった憤りの声が上がっている。
 調査を求めてきた前田雄吉(民主)、鈴木宗男(新党大地)両衆院議員に外務省が明らかにした。それによると、これらの美術品は日本文化を世界に知ってもらう目的で購入したり寄贈されたりした物。廃棄された四十五点のうち二十九点は主に昭和期の芸術家たちの作品で、残りは横山大観や川合玉堂の複製品だった。
 二十九作品は日本画十一点、陶磁器六点、洋画、版画各四点、書二点など。うち五点は寄贈で、八点は五〇〜八〇年代ごろに八千〜四十万円(計百十六万円余り)で購入。残る十六点の購入時期や価格については『取得の経緯を示す記録が残っておらず分からない』という。
 紛失した一点は、盛岡市の画家、土井宏太郎さんの日本画「潮の舞」(五十号)。外務省が九二年に五十八万円で購入したが、〇六年四月ごろ、所蔵先の在ウズベキスタン大使公邸でなくなった。大使館は、盗難の可能性もあるとして現地当局に捜査を要請したが、見つかっていない。
 八〇年代に寄贈した書を廃棄された書道家の遺族は『適切に管理していれば劣化などするものではないし、本当に捨てたのかと疑いたくもなる。五十年も前の作品を「命よりも大切」と大事に保存してくれる人もいるのに失礼な話だ』と話す。
 土井さんは『外務省を信用し、子を託すような気持ちで出した。名誉なことでもあるので価格も通常の十分の一ほどにした。紛失はとんでもないことで現地に行って自分で捜したいくらいだ』と憤る。
 外務省によると、在外公館に所蔵している美術品は四千数百点。在外公館課は『廃棄したのは、しみやカビが出たり、古くなって劣化したり壊れたりして、修復が難しい物。温度や湿度の管理などに気を配るよう、各公館に指示している』と説明する。」
との記事(以下、「朝日新聞記事」という。)が掲載されていることを外務省は承知しているか。
五 「廃棄された美術品四十五点」が廃棄されることが決定される際に、どのような劣化症状が見られたのか。「朝日新聞記事」には外務省在外公館課の説明として、「廃棄したのは、しみやカビが出たり、古くなって劣化したり壊れたりして、修復が難しい物。温度や湿度の管理などに気を配るよう、各公館に指示している」との記述があるが、どのような劣化症状が見られ、廃棄決定がなされたのか、具体的かつ明確に説明されたい。
六 五の劣化症状はいつごろから見られたものか。
七 五の劣化症状が一の日にちの以前から見られたものであったならば、一の日にち以前に外務本省に保管するなどして、修繕することは検討されなかったのか。
八 五の劣化症状が一の日にち以降に見られたものであったならば、一の日にち以降に五の劣化症状が見られるようになった原因について説明されたい。「朝日新聞記事」には、「八〇年代に寄贈した書を廃棄された書道家の遺族は『適切に管理していれば劣化などするものではないし、本当に捨てたのかと疑いたくもなる。五十年も前の作品を「命よりも大切」と大事に保存してくれる人もいるのに失礼な話だ』と話す。」との記述があるが、「廃棄された美術品四十五点」の管理体制は適切であったと外務省は答弁しているところ、一の日にちから二の日にちまでに五の劣化症状が見られるようになった原因につき、明確に説明されたい。
九 「廃棄された美術品四十五点」の中で、一の日にち以降、誤って破損されたものはあるか。
十 「廃棄された美術品四十五点」の物品管理簿にはどのような記載がなされているか。具体的かつ詳細に説明されたい。

 右質問する。



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