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平成十九年十月二十六日提出
質問第一五五号

寺越昭二氏、寺越外雄氏そして寺越武志氏の拉致認定に関する質問主意書

提出者  西村真悟




寺越昭二氏、寺越外雄氏そして寺越武志氏の拉致認定に関する質問主意書


 寺越昭二氏、寺越外雄氏そして寺越武志氏(以下、敬称略)の三人は、昭和三十八年五月十一日、日本海に同じ船に乗って漁に出て帰らず、破損した船だけが発見されたので、遭難したと思われていたところ、失踪から二十四年後の昭和六十二年一月二十二日、寺越外雄から日本にいる姉に、北朝鮮で生活しているという手紙が届き、失踪当時十三歳の寺越武志も北朝鮮にいることが判明したのであるが、失踪当時、彼等に日本海上で自分達の船を離れて北朝鮮に渡航する意志も手段もあろうはずはないので、その時彼等は、北朝鮮に日本海上で拉致されたと考えるのが合理的である。
 しかるに、政府は、未だに寺越昭二ら三人を拉致被害者と認定せず、その根拠を、北朝鮮に居住する寺越武志自身が拉致されたと明言していないということに求めているようであるが、これは自由な発言が許されない北朝鮮の実状を無視した理屈といわざるを得ず、拉致被害者救出を使命とする政府のとるべき態度ではない。
 何故なら、寺越武志のように拉致被害者本人が拉致されたと明言しないことを以て政府が拉致被害者と認定しないのであれば、五年前に帰国できた蓮池薫氏等拉致被害者五名も北朝鮮においては拉致されたと明言しなかったのであるから彼等も拉致被害者ではなかったことになり、現在北朝鮮に居る他の全ての拉致被害者がある日記者会見をさせられて拉致を否定すれば、もはや拉致被害者は存在せず、政府は、「拉致問題は解決済み」という北朝鮮の主張を受け入れざるを得なくなるからである。そして、この事態は、政府による拉致被害者の切り捨て、つまり救出の放棄を意味する。
 よって、寺越事件は全拉致被害者救出の成否を左右する重要な課題であると位置づけられるので、その対策は、緊急を要すると考えられる。
 従って、次の事項について質問する。

一 政府は、寺越昭二、寺越外雄および寺越武志(以下、右三名という)の、それぞれの現在の消息を如何に把握しているか、回答されたい。
二 政府は、右三名を保護または救出すべき日本国民と考えているのか、回答されたい。
三 平成十四年四月十八日、参議院外交防衛委員会において、漆間巌警察庁警備局長(当時)は、「(認定以外の)拉致の可能性のある事案というのはいろいろつかんでおるわけでございます」と答弁して認定以外の拉致事件があることを認め、平成十八年十月十六日、政府拉致問題対策本部が決めた「拉致問題における今後の対応方針」(以下、対応方針という)第五項に、「特定失踪者など拉致の可能性を排除し得ない事案の捜査・調査を推進」する旨記載があるが、政府は、右三名について捜査・調査を推進すべき拉致の可能性のある事案と考えてきたのか、回答されたい。
四 平成十八年十二月十三日、拉致問題国際会議参加者らが招聘された政府主催のレセプションで、漆間警察庁長官(当時)は、寺越昭二の息子らに「(寺越昭二失踪事件は)拉致だと考えている」と話しているが、政府は右三名が北朝鮮に拉致されたと考えているのか、回答されたい。
五 北朝鮮は、寺越昭二が北朝鮮上陸後に病死したと主張しているが、亡命工作員安明進は、寺越昭二は海上の拉致現場で抵抗したため北朝鮮工作員により射殺されたと証言している。
 寺越昭二の家族は、北朝鮮がいうように同人が北朝鮮で病死したのなら遺骨があるはずだから家族に遺骨を返せと求めているが、北朝鮮は真新しい墓の写真や墓の土などを渡すのみで遺骨を返していない。このことから、寺越昭二が北朝鮮工作員によって射殺された疑いが大きくなっている。
 政府は、寺越昭二が北朝鮮工作員によって射殺された疑いをもっているのか、回答されたい。
六 政府は、対応方針第一項で、「全ての拉致被害者の安全確保と即時帰国、真相究明、実行犯引渡し」を北朝鮮に要求していくとしている。
 政府は、ここでいう真相究明には右三名の事案の真相究明も含まれると考えているのか、回答されたい。
七 政府は、北朝鮮との外交交渉の中で、右三名の事案を如何に扱ってきたか、回答されたい。
八 政府は、「拉致問題の解決なしに北朝鮮との国交正常化はしない」という原則を掲げて、「全ての拉致被害者の安全確保と即時帰国、真相究明、実行犯引渡し」を求めているが、右三名の事案と寺越昭二殺人容疑に関して真相究明と実行犯引渡しがなされることが北朝鮮との国交正常化の条件と考えているのか、回答されたい。

 右質問する。



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