衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十年五月三十日提出
質問第四五九号

児童手当制度に関する質問主意書

提出者  西村智奈美




児童手当制度に関する質問主意書


 児童手当制度について、政府には、事業の実施状況等を説明する責任があるにもかかわらず、その事業報告すらなく、十分な説明がなされてきたとはいえない。そこで、児童手当制度の運用の実態等を明らかにするため、以下、質問する。
 なお、答弁書の作成に当たっては、できる限り、わかりやすく、かつ、丁寧に記載されたい。

一 児童手当(特例給付並びに小学校修了前特例給付及びこれに準じた給付を含む。以下同じ。)の受給者は現在、何人いるのか。直近の数字を明らかにせよ。
二 受給者の数について、制度創設以降の推移を年次ごとに、わかりやすく示されたい。また、その数が大きく増減しているときの要因を明らかにせよ。
三 児童手当の支給対象児童は現在、何人いるのか。直近の数字を明らかにせよ。
四 支給対象児童の数について、制度創設以降の推移を年次ごとに、わかりやすく示されたい。また、その数が大きく増減しているときの要因を明らかにせよ。
五 児童手当の支給対象年齢と同じ年齢に含まれる児童は現在、わが国に何人いるのか。その総数に占める支給対象児童の割合は、何パーセントか。
六 児童手当の支給対象年齢と同じ年齢に含まれる児童の総数及びこれに占める支給対象児童の割合(児童でみた給付率)について、制度創設以降の推移を年次ごとに、わかりやすく示されたい。また、その数が大きく増減しているときの要因を明らかにせよ。
七 児童手当の支給対象年齢と同じ年齢に含まれる児童でありながらその支給対象とならない児童の数及び支給対象年齢と同じ年齢に含まれる児童の総数に占めるその割合(児童でみた不支給率)について、制度創設以降の推移を年次ごとに、わかりやすく示されたい。
八 児童手当の支給対象年齢と同じ年齢に含まれる児童でありながらその支給対象とならない児童が支給対象から外される要因について、その類型(所得制限によるもの以外についても)と類型ごとのおよその数を明らかにせよ。
九 児童手当の支給総額について、制度創設以降の推移を年次ごとに、わかりやすく示されたい。また、その額が大きく増減しているときの要因を明らかにせよ。
十 児童手当制度の費用負担額(公務員分を含む)について、制度創設以降の推移を年次ごとに、総額並びに事業主(額及び拠出金率)、国、都道府県及び市町村の別を明らかにして、わかりやすく示されたい。また、その額が大きく増減しているときの要因を明らかにせよ。
十一 児童手当制度の費用負担の仕組みが複雑なものとなっている背景と経緯について、説明されたい。また、現行の費用負担の仕組みについて、合理的なものといえるかどうかを含めて、政府はどのように評価しているのか、明らかにされたい。
十二 児童手当法における「児童」、「支給要件児童」、児童手当法の運用において用いられている「支給対象児童」、「支給額の算定の基礎となる児童」について、それぞれの定義とその間の異同について、説明されたい。
十三 支給要件児童を養育している父母が海外に転居し、支給要件のうち住所要件を満たさなくなったときは、たとえ父母以外の者が国内に居住して当該児童を養育していても、その父母以外の者は、児童手当の受給資格者とはならないと理解してよいか。
十四 養育される児童については住所要件がないことから、実務では、外国に居住する児童であっても、日本に住所を有する養育者との間で養育要件が満たされれば、児童手当は支給されると承知している。
 ところで、日本に住所を有する外国人労働者については、本国に支給要件児童の全部又は一部を残してきた場合でも、当該外国人労働者と当該児童との間で養育要件が満たされれば、支給対象児童について児童手当は支給されることになるのか。この場合の法制上の考え方及び実務上の取扱いについて、説明されたい。
十五 児童福祉施設に入所している児童については、原則として児童手当は支給されないと聞く。当該児童が孤児である場合(他に養育者がいない場合)とそうでない場合に分けて、その理由を、当該児童と当該施設の施設長、職員との間の監護要件、生計同一要件、生計維持要件の成否、施設への措置費等との関係を含めて、説明されたい。この場合、児童手当が不支給となるのは、児童手当法上、当然にそうなるのか、あるいは、法の解釈において認められた裁量の範囲内でそのように運用されているに過ぎないのか、いずれであるのかを明らかにせよ。
十六 里親に委託された児童についても、原則として児童手当は支給されないと聞く。当該児童が孤児である場合(他に養育者がいない場合)とそうでない場合に分けて、その理由を、当該児童と当該里親との間の監護要件、生計同一要件、生計維持要件の成否、里親への委託費等との関係を含めて、説明されたい。この場合、児童手当が不支給となるのは、児童手当法上、当然にそうなるのか、あるいは、法の解釈において認められた裁量の範囲内でそのように運用されているに過ぎないのか、いずれであるのかを明らかにせよ。
十七 政府は、児童手当の受給者について、児童手当法第四条(附則第七条の規定も含む。以下同じ。)第一項の第一号該当者、第二号該当者、第三号該当者ごとの数を把握しているか。把握しているのであれば、それぞれの直近の数を明らかにされたい。
十八 児童手当法の第四条第一項第三号の規定について、その意義及びこの規定が置かれた背景と経緯を明らかにされたい。
十九 児童手当が第一子から支給されている現在においても、児童手当法第四条第一項第三号の規定を存置しておく理由は何か。
二十 仮に、児童手当法の児童の定義、支給要件児童の定義及び支給対象児童の定義とを同一のものとなるよう制度を仕組むと、児童手当法第四条第一項第三号のような規定は、論理的には不要となると理解してよいか。
二十一 児童手当法では、受給資格者の認定及び児童手当の支給は、公務員以外の被用者及び被用者等でない者にあっては住所地の市町村長が、公務員にあってはその所属庁の長がそれぞれ行うこととされている。
 認定及び支給の事務を市町村長が行うことについては、市町村長が受給資格者の家族構成、所得等の状況を市町村の現有公簿により確認できること、さらにこの事務を市町村長が行うことにより地域における児童福祉施策の一環としての効果が発揮できることによるものと説明されている。
 ところが、公務員については、その所属庁が必ずしも現有公簿により養育実態等の状況を確認できるわけでもなく、また、特に国家公務員については、その所属庁に公務員が居住する地域における児童福祉施策の効果が期待できるわけでもない。
 にもかかわらず、公務員について、住所地ではなく、所属庁の長が認定及び支給の事務を行うとの特例が設けられている理由は何か、説明されたい。
二十二 児童手当については、職業(公務員以外の者と公務員)、住所地の市町村等が異なると、別の者が認定及び支給事務を行うこととなっている。
 そこで、これらの間で、同一受給者について重ねて認定をしたり、同一児童について複数の受給資格者が認定を受ける等、二重認定、二重給付のおそれが生じる。具体的には、公務員分として認定すべきところを市町村長が住民分として認定してしまった、あるいは別居監護等の児童について父母両者で申請し両者とも認定してしまったなどのケースが考えられる。
 これまでに、二重認定があったために一方の認定が取り消されたケースは、どれくらいあるのか。制度創設以降の推移を年次ごと、原因となるケースの類型ごとに、わかりやすく示されたい。
二十三 児童手当受給者台帳はどこに備え付けられ、何が記載されているのか。児童手当の支払記録については、児童手当受給者台帳に記載されているのか。
二十四 支給対象児童ごとの台帳は存在するのか。支給対象児童ごとの児童手当の支払記録はあるのか。
二十五 公務員と公務員以外の住民との間の二重認定の防止のために講じている措置、市町村間の二重認定の防止のために講じている措置のそれぞれについて、説明せよ。
二十六 公務員の所属庁が民営化等のために公務員が被用者となった場合(個々の公務員が退職して被用者となった場合ではない)について、認定の効力はどうなるのか。改めて住所地の市町村長の認定を要しないとする取扱いが行われているとすれば、当該市町村長はどのような資料を根拠に児童手当を支給しているのか。児童手当受給者台帳は、公務員が属していた所属庁から住所地の市町村に移管されているのか。こういう場合の実務の取扱いについて、それぞれ説明されたい。
二十七 児童手当の受給資格者が死亡した場合における未支払の児童手当については、児童手当法第十二条において、その者が監護していた支給要件児童に支払うことができると定められている。また、同法施行規則第九条により、未支払の児童手当を受けようとする者は、未支払請求書を市町村長に提出するとされているところである。そこで、未支払分の児童手当については、支給要件児童に請求権があり、かつ、受給権があると理解してよいか。その児童に行為能力がない場合、実際の請求当事者と支給の相手方に関する実務の取扱いについて、説明されたい。
二十八 未支払分の児童手当の請求は年間、何件あるのか。また、その支給額の年間総額はいくらか。直近の数字を明らかにせよ。
二十九 児童手当については、生活保護法上、全額これを収入と認定するとともに、児童手当相当額の児童養育加算を加算して世帯ごとの最低生活費を認定するものと承知している。
 生活保護法第十条は、「保護は、世帯を単位としてその要否及び程度を定めるものとする」と定め、世帯単位の原則を明らかにしている。他方、児童手当法第一条は、「児童手当を支給することにより、家庭における生活の安定に寄与する」ことを目的とすると定め、受給資格者ごとに監護・生計要件と所得要件を設けて、その受給資格及び児童手当の額を認定している。
 そこで、生活保護法の「世帯」と児童手当法の「家庭」の異同について、説明されたい。
三十 児童手当制度の政策評価は、どのような評価基準に基づいて実施されているのか、明らかにされたい。併せて、これまでの児童手当制度に対する政策評価の実績について、説明されたい。
三十一 児童育成事業について、その趣旨と具体的な事業内容を明らかにせよ。
三十二 児童育成事業の事業規模について、その総額と内訳のそれぞれについて、制度創設以降の推移を年次ごとに、わかりやすく示されたい。
三十三 児童手当と児童育成事業について、それぞれの政策評価は、どのような評価基準に基づいて実施されているのか、説明されたい。併せて、これまでの児童手当と児童育成事業に対する政策評価について、それぞれの実績を明らかにされたい。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.