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平成二十年六月十七日提出
質問第五四四号

日米地位協定上の第一次裁判権に絡む公務に関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




日米地位協定上の第一次裁判権に絡む公務に関する質問主意書


 日米地位協定第十七条3(a)(A)は、日本に駐留する米軍人・軍属とその家族による犯罪について、公務中の場合、米側が第一次裁判権を有すると規定している。ところが、日米地位協定上の公務の範囲については明確にされておらず、公務の範囲に関する日米合同委員会の内容も、詳細は明らかにされてこなかった。
 この程、機密解除された米側公文書によると、日米地位協定に基づき、日本側に第一次裁判権がないとされる「公務中」の範囲を、通勤や米兵の職場における飲酒にまで拡大し、米側に有利な運用とする旨、日米合同委員会で合意していたことが判明した。このことが、二〇〇八年六月十六日の夕刊で報道されるや否や、沖縄県民から強い声が上がり、合同委員会合意への批判が集中した。
 以下、質問する。

一 一九五五年十一月二十一日、米兵らによる交通事故の事件処理をめぐり、日米合同委員会刑事裁判権分科委員会が開催されたようであるが、開催場所、出席者、会議の目的を明らかにした上で、これらについての政府の見解を示されたい。
二 法務省刑事局長は、一九五六年四月、全国の検事正ら宛に通達を発出し、米軍人・軍属とその家族らの勤務地への往復時の交通事故を公務中として処理するよう指示したようである。法務省刑事局長が前記通達を発出した年月日、通達の表題、添付書類の有無とその表題、通達の宛先と内容の詳細を明らかにした上で、このような通達を発出した理由について、政府の見解を示されたい。
三 前記法務省刑事局長の通達には、一九五五年十一月二十一日に開催された日米合同委員会刑事裁判権分科委員会の議事録が添付されたようであるが、間違いないか。
四 一九五五年十一月二十一日に開催された日米合同委員会刑事裁判権分科委員会の公式議事録の要旨は、次の通りだと報道されている。
 米側 飲酒という用語は公の催事以外の場所で飲酒することを指すものと解釈する。軍隊の構成員らが勤務中に飲酒したとしても、必ずしも公務の性格を失うものではない。勤務地と宿舎の往復の間に事故を起こし、その際の飲酒が判断力を失わせる程度であった場合は公務外となる。
 日本側 然り。公の催事は狭く解釈されるべきだ。数名が飲酒目的で集合しても該当しないが、社交上の慣行により、一定の将校または軍属の出席が要求される場合には、公務と認めることにやぶさかではない。
 米側 寄り道も公務として許されると考える。ガソリンスタンドやクリーニング工場に立ち寄る場合はどうか。慣習および慣行が考慮されるべきだ。
 日本側 住居と勤務地の往復のみに限定して考えるべきで、いかなる寄り道も認めたくない。しかし、個々のケースごとに考究することに同意する。
 政府は、前記分科委員会公式議事録の要旨が前記の通りであることを認めるか、違うというのであれば、異なる箇所を具体的に指摘されたい。また、政府において、前記公式議事録全文を公表すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
五 政府が前記公式議事録の全文を公表しないのであれば、その理由を明らかにされたい。

 右質問する。



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