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平成二十年九月二十六日提出
質問第四二号

介護保険制度における介護報酬請求の不正防止に関する質問主意書

提出者  平野博文




介護保険制度における介護報酬請求の不正防止に関する質問主意書


 昨年発覚したコムスンによる介護報酬不正請求事件は、介護保険制度に対する国民の信頼を大きく損ねるものであった。もっとも、一部事業者による介護報酬の不正請求は、コムスン事件だけでなく、以前から問題となっているところである。
 近年の介護報酬引き下げにより、多くの誠実な事業者が経営環境の悪化、介護労働者の待遇維持に苦慮しており、また介護保険料の引き上げによって国民は多大な負担を強いられているが、介護事業者や国民に負担を求める前に、まず、不正請求を根絶し無駄な支出をなくすことが先決であると考える。
 従って、次の事項について質問する。

一 記録、文書等の保存に関する現状について
 1 不正請求を防止し、また不正の有無を確認するためには、介護サービスの提供や介護報酬の請求に関係する記録、文書等(以下、記録等)が、適切に保存されていることが重要である。
  介護保険制度開始以来、介護事業者の不正請求が判明した事案で、記録等の提示等の義務(介護保険法第二十三、二十四条等)に反し、あるいは保存義務(委託基準第三十九条第二項等)に反して記録等の不備(不存在、廃棄、改ざん等)があったケースはどれだけあるか。
 2 1で挙げた以外に、法第二十三、二十四条等に基づき介護事業者の記録等の調査を行った事案は何件あるか。また、記録等について何らかの義務違反が確認された件数は何件か。各々につき、どのような違反があり、どのような措置がとられたかも併せて明示されたい。
 3 改ざん・隠蔽等の記録等の不正や、不正請求について情報が寄せられた場合の、保険者及び行政の行うべき対応について、国は、どのような指示をしているか。
二 記録等の保存義務について
 現行法上、介護サービスの提供にかかる一定の記録等については、事業者に保存・保管義務が課せられているが、介護報酬の請求にかかる介護給付費請求書、同請求明細書等については、事業者、保険者共に、法律上の保存義務が課せられていない。
 介護給付費請求書等の保存につき、「五年間保存することが望ましい」旨の通知がなされていることは承知しているが、なぜ義務ではないのか。年金記録問題の例に見るように、入力・データ化された記録の有無にかかわらず、文書の保存は必要と考えるがどうか。
三 保存期限について
 1 介護サービスの提供にかかる事業者の記録等の保存・保管義務は、一般に二年間とされているようであるが、なぜ二年なのか。
 2 不正請求を含む介護報酬の過払いに対する保険者の返還請求権の消滅時効は五年であり、後日の検査や返還請求の実効を上げるためには、保存期限は少なくとも五年は確保すべきである。記録保存にかかる事業者の負担にも配慮すべきではあるが、保険料を納める生活者や納税者の視点に立てば、保存年限を延長すべきと考えるがどうか。
四 訪問介護などにおいて、利用者は介護事業者から、提供したサービスの内容等の記録の提供を受けることができるが、これは利用者が請求した場合に限られている。不正請求防止の観点からは、介護事業者及び保険者の双方から、サービスの提供日時、内容、金額等を記載した書類が利用者のもとに交付されることが有効であり、交付を義務化すべきと考えるがどうか。

 右質問する。



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