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平成二十年十月二日提出
質問第六二号

日豪EPAが我が国農業へ与える影響等に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




日豪EPAが我が国農業へ与える影響等に関する質問主意書


 我が国はこれまでシンガポールやメキシコ等と経済連携協定(EPA)を締結しているが、世界有数の農業国であるオーストラリアに対しても、同国とのEPA(以下、「日豪EPA」という。)締結に向け、現在政府は交渉を続けていると承知する。右を踏まえ、以下質問する。

一 現在「日豪EPA」交渉はどの様な進捗状況を見せているのか説明されたい。
二 そもそも政府が「日豪EPA」交渉を始めた経緯を時系列に明示し、並びに「日豪EPA」が我が国にもたらすと政府が想定している利益について説明されたい。
三 我が国はこれまでシンガポールやメキシコ等の国家とEPAを締結している。しかし「日豪EPA」については、牛肉や乳製品、小麦、大豆、砂糖、米等の我が国の重要品目とオーストラリアからの輸入農産物が重複しており、仮にEPA締結によってこれら重要品目の関税が撤廃された場合、我が国国内の農業は壊滅的な打撃を受けることが想定され、他国とのEPA締結とは、我が国国内経済に与える影響が大きく異なると思料する。また、日本全国各都道府県の中でも「日豪EPA」締結によって最も大きな打撃を受けると想定されているのは北海道であり、二〇〇六年に北海道庁が行った試算によると、「日豪EPA」締結により北海道経済は関連産業全て含めて約一兆三千七百十六億円の損失を出し、農家戸数も二万一千戸減少すると見られている。更に、道内総生産も、一九九七年の北海道拓殖銀行の破綻時を上回る四.二%の減少を見せ、関連産業で四万七千人、離農する農家も含めると八万八千人の失業者が出て、道内完全失業率は八.五%になるとのことである。この様に「日豪EPA」は我が国国内に多大な不利益を及ぼし、我が国農業に壊滅的打撃を与えるものと考えるが、右に対する政府の認識如何。
四 現在政府、特に農林水産省は、我が国の食料自給率につき、二〇一五年度までにカロリーベースで四十五%、生産額ベースで七十六%まで向上させることを目標としていると承知するが、一方で麻生太郎内閣総理大臣は、本年九月二十九日の所信表明演説において、「農林水産業については、食料自給の重要さを改めて見直すことが、第一の課題となります。五〇パーセントの自給率を目指します。」と述べているが、右は食料自給率の政府目標を変更したことを示しているのか。
五 「日豪EPA」は、食料自給率の政府目標達成に資するものか。政府の認識如何。
六 「日豪EPA」について、政府部内で、例えば農水省、外務省、経済産業省等、各省庁間で意見の相違が見られるということはないか。
七 一般に、EPAを締結するにあたっては、締結による利益のみならず、締結する国家間の、それぞれの文化等への相互理解、信頼関係も不可欠であると考える。オーストラリアについては、我が国が科学的見地に立って行っている調査捕鯨活動を野蛮な行為とみなす意見が閣僚内にあり、少なくとも我が国に対する十分な理解がなされているとは言い難い。この様な状況の中で同国とEPA交渉を進めることは、三で述べた経済的打撃から鑑みても、我が国の国益にとって得るものより失うものの方が遙かに大きいと考えるが、政府の見解如何。

 右質問する。



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