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平成二十年十一月二十八日提出
質問第二九一号

情報収集衛星の情報開示に関する質問主意書

提出者  吉井英勝




情報収集衛星の情報開示に関する質問主意書


 情報収集衛星は大規模災害へ対応しているといいながら、「安全保障」と「情報収集」の機密を楯に、その情報を国民の前にほとんど明らかにしていない。それにもかかわらず、政府は明確な証拠も示さずに目的を果たしていると強弁し続けているが、災害監視目的に使っているのかさえ疑わしい。情報収集衛星の導入の九八年度から昨年度までの決算額で五千五百二十一億円を支出。今年度予算は六百三十七億円、来年度概算要求で六百五十六億円。合計すると六千八百十四億円に達する。軍事偵察衛星、予算の浪費と批判されるのは当然である。
 よって、次のとおり質問する。

(一) 人工衛星は、国内においては人工衛星登録簿に記載し国連に通報、その後国連その他の国際機関に登録されることになっていると思うが正しいか。その根拠規定や登録の手続き等について示されたい。
(二) 情報収集衛星は、人工衛星登録簿に記載され、国連その他の国際機関に登録されているか。記載・登録されていれば、どのように記載・登録されているか明らかにされたい。未記載・未登録であれば、その理由は何か。情報収集衛星については特例があるのか。
(三) わが国がこれまでに打ち上げた人工衛星で、人工衛星登録簿に未記載、国連その他の国際機関に未登録のものがあれば示されたい。
 また、わが国を除く諸外国が打ち上げた人工衛星で、国連その他の国際機関に未登録のものがあるか。
(四) 人工衛星を打ち上げるためには、電波の周波数を確保するため、電波法に基づいて総務省に免許を申請し免許を受けなければならないと思うがどうか。さらに、免許を取得した後、国際電気通信連合に通告し、国際周波数登録原簿に登録される国際的な手続きが必要かと思うがどうか。人工衛星の周波数確保と国際的な手続きについて説明されたい。
(五) 情報収集衛星は、周波数確保や国際的手続きについて特例があるのか。現在までに打ち上げた情報収集衛星の免許申請日、落成検査日、免許日、国際電気通信連合通告日、国際周波数登録原簿登録日を明らかにされたい。
(六) 情報収集衛星を、これまですべて三菱電機との間で随意契約により調達している具体的理由は何か。
(七) 日米間以外に「日米衛星調達合意」のような国際取り決めはあるのか。また、国際的に「衛星調達合意」が他の国の二国間合意として存在するか。
(八) 情報収集衛星は、日米衛星調達合意から除外されているのか。これからも「非研究開発衛星の調達手続き等」によらず調達していくのか。
(九) 本年十一月四日の宇宙開発戦略専門調査会で配布された宇宙航空研究開発機構(JAXA)作成の資料に「衛星のシリーズ化」が記載されている。衛星のシリーズ化とは何か、実例をあげ示されたい。
(十) これまでにシリーズ化した人工衛星の中に、情報収集衛星は含まれるのか。含まれるとすれば、情報収集衛星は「非研究開発衛星」として国際競争入札が義務づけられる可能性が出てくるのか。出てこないとすれば、その理由は何か。
(十一) 情報収集衛星の打ち上げは、JAXA・種子島宇宙センターでの打ち上げ当日のみならず、種子島への衛星やロケットの搬入時点から、異常とも思える警備が行われている。情報収集衛星の打ち上げ日には、鹿児島県警は数百人規模の警備態勢をしき、宇宙センターの近くを通る車両があれば停止させ、通行の目的等をたずねたりトランクを開けたりして島内の自由な通行を妨げている。一昨年の九月十一日の情報収集衛星・光学二号機の打ち上げの際、JAXAから許可を得ているのに警察から車を止められ、検問を受けるという事実も明らかになっている。ロケットに情報収集衛星を積み込んでいない場合には、このような規模の警備はとらないと思うがどうか。
 種子島宇宙センターでのH2Aロケット試験機一号機から十四号機まで、打ち上げ日時・搭載人工衛星名・打ち上げの際の警察と海上保安庁の警備人数を明らかにされたい。
(十二) 情報収集衛星打ち上げ時の過剰とも思える警備については、文科省からは「JAXAから鹿児島県警に警備のお願いをしている」という説明を受けている。一方、警察庁は「JAXAから依頼を受けて警備措置をとったわけではない」と説明しており、食い違いがある。どちらが正しいのか。
(十三) 情報収集衛星の運用を行っている内閣衛星情報センター、情報収集衛星の開発・製造に関わっているJAXA等では、三菱電機、日本電気、東芝をはじめとする民間宇宙産業から職員として受け入れを行っていると思うがどうか。受け入れの状況について、受け入れ先・受け入れ元の企業名・人数について答えられたい。万一、答えられない場合はその理由を詳細に述べられたい。
(十四) 情報収集衛星に関わる出張旅費だけでも、昨年度までに十億円あまりが支出されている。情報収集衛星の開発と運用・維持のために出張旅費はどのように使われているのか。維持業務旅費と業務外国旅費に分け、年度別に出張者・出張先・出張目的を明らかにされたい。
(十五) 情報収集衛星の利用状況について、〇六年四月二十四日の参院行政監視委員会で、大石利雄・消防庁次長(当時)は「消防庁におきましては、これまで地震災害の際の情報収集衛星による画像の提供を受けているところでございます。具体的には、福岡県西方沖地震の際に画像の提供を受けております」と答弁している。この答弁内容に間違いはないか。
(十六) この後、大石消防庁次長は注意(口頭含む)や処分を受けたのか。受けたとすれば事実を発言した者が、なぜ注意や処分を受けなければならないのか。
(十七) 情報収集衛星が撮像した情報は、各省庁がどのように利用しているかいっさい明らかになっていないが、明らかにしてはいけないという決まりが存在するのか。災害情報等、国民の安全や財産を守るための情報は明らかにするのが当然ではないか。
 これまで情報収集衛星が撮像した画像の数量と、その中で防災用に関係機関(気象庁・大学・研究所等)に提供した数量を示されたい。
(十八) 情報収集衛星の運用と開発は中止し、替わりに災害監視目的の人工衛星を打ち上げ、情報を国民の前に明らかにすべきではないか。情報収集衛星がなければ、大規模災害への対応はできないのか。
(十九) 内閣衛星情報センターは、石川島播磨重工業(現・IHI)に「新型国産打上げロケットと情報収集衛星の整合性の研究」を委託している。その結果はどうなっているか。
 また、「新型国産打上げロケット」とは、官民共同で開発が進められているGXロケットを想定していると考えられるがどうか。GXロケットは、情報収集衛星を打ち上げる前提で開発が進められているのか。

 右質問する。



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