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平成二十年十二月十二日提出
質問第三四〇号

海賊対策と公共の秩序維持に関する質問主意書

提出者  長島昭久




海賊対策と公共の秩序維持に関する質問主意書


 ソマリア沖・アデン湾における海賊対処は焦眉の急であるとの認識の下、現行法上可能な限り迅速な行動を促す観点から、海賊対策と公共の秩序維持について以下質問する。

一 ソマリア沖・アデン湾における海賊問題は日本人の生命・財産にかかわる火急の課題であり、一刻も早く実効的な海賊対策をとることが求められている。国家の固有の責務である邦人保護の観点から、この海賊問題の重要性・深刻性に関し、政府の認識を改めて問う。
二 本年に入り採択された海賊対策に関する三件の国連安保理決議には、公海を含むソマリア沖における海賊行為等の抑止のための軍艦の役割に関し、国連のいかなる意思が示されていると解しているか。
三 NATOおよびEUは、ソマリア沖・アデン湾の海賊対策としていかなる取組を行っているか。また、現時点でソマリア沖・アデン湾の海賊対策に軍艦・軍用機を派遣しているアジアの国名を明らかにされたい。
四 ソマリア沖・アデン湾において、軍艦による船舶のエスコートが海賊行為等の抑止において発揮している効果に関し、政府の認識如何。政府が把握している実例に基づき説明されたい。
五 本年に入り採択された海賊対策に関する三件の安保理決議に呼応して、ソマリア沖海域の沿岸国を除き、コーストガードの艦船を派遣している国はあるか。
六 海賊行為は、行為の目的についていかなる主張がなされていたとしても、国連海洋法条約第百一条に照らして認定されることになる旨の政府答弁(内閣衆質一七〇第一六八号)を踏まえれば、海賊行為の認定は、行為を行った者が属する組織の属性や、その組織が掲げる政治的な主義主張などがいかなるものであるかに拘わらず、あくまでも、当該行為に着目し、同条に照らして行われることになると解することができると考えるが、政府の解釈如何。
七 海上保安庁法第二条第一項の「海難救助」、同第五条第二号の「海難の際の人命、積荷及び船舶の救助」の一環として、外国船舶であって船員がすべて外国人であるものの公海上における海難の救助のため巡視船等を派遣した事例があると承知するが、この事実にかんがみても、同第一条第一号の「海上において、人命及び財産を保護」にいう「人命及び財産」は、特に日本人の人命および財産に限ったものではないと考えられるが、如何か。
八 海上保安庁法第十八条第一項において「危険な事態」の例として規定されている「海難」の定義を示されたい。自然現象に起因するものに限られるのか。たとえば、海賊のような犯罪者による襲撃との遭遇も含むと解されるか。
九 周囲の状況等から日本国民の人命および財産が危険に晒されているわけではないと認められる海賊行為について、海上保安官が人命・財産の保護のため行政警察権の行使としてこれを鎮圧することが排除されていないとすれば、その法律上の根拠(任務、所掌事務、権限等)を示されたい。
十 公海上を航行中の日本籍船に小型ボート等により不正に侵入する行為が、刑法第百三十条の住居侵入等の罰条に該当することはあるか。
十一 海上保安庁の巡視船が護衛する公海上の日本籍船に小型ボート等により不正に侵入する行為について、行政警察権の行使として海上保安庁法第十八条第一項第六号の「制止」を行うことがあるとすれば、その具体的態様はいかなるものか。また、当該「制止」への抵抗抑止のため武器を使用することは可能か。その際、抵抗を防ぐために他に手段がないとして人に危害を与えることは認められるか。
十二 平成十三年に勃発した九州南西海域での不審船事案において、海上保安庁の巡視船は、「威嚇射撃」、「威嚇のための船体射撃」および「正当防衛射撃」を行ったと認識しているが、それぞれの行為について概要および法的根拠を示されたい。
十三 自衛隊法第八十四条の三の「在外邦人等の輸送」が同第三条第一項の「公共の秩序の維持」にかかる任務とされる理由如何。「外務大臣から当該緊急事態に際して生命又は身体の保護を要する外国人として同乗させることを依頼された者」を同乗させることができるとされている趣旨と併せて示されたい。
十四 自衛隊法第七十八条の「治安出動」は、海上における緊急事態について発令されることもあり得るのか。あり得るとすれば、これと同第八十二条の「海上における警備行動」との制度上の相違について、それぞれの場合の武器使用権限の相違等を含め、説明されたい。
十五 自衛隊法第八十二条の「海上における警備行動」が、「特別の必要がある場合」に限り発動できる趣旨を説明されたい。
十六 「海上における警備行動」を命ぜられた自衛官が、自衛隊法第九十三条第一項において準用する警察官職務執行法第七条の範囲内で武器を使用することは、一般に、国際法上問題となったり、憲法第九条が禁ずる「武力の行使」に当たるといったことはないと考えてよいか。

 右質問する。



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