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平成二十一年一月十三日提出
質問第一八号

上司の言動等が理由で自衛官が自殺した件に係る防衛省の一連の対応等に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




上司の言動等が理由で自衛官が自殺した件に係る防衛省の一連の対応等に関する質問主意書


 「政府答弁書」(内閣衆質一七〇第三五五号)を踏まえ、質問する。

一 一九九九年に発生した、海上自衛隊佐世保基地の護衛艦さわぎり艦内で当時二十一歳の三等海曹が自殺した事件(以下、「三等海曹自殺事件」という。)を巡る訴訟に関し、政府は次の二点を主張していた。
 1 自殺した三等海曹(以下「当該隊員」という。)の上官の言動の違法性については、一般に、言葉による職務上の厳しい指導は行為者の意図や認識を考慮せずに直ちに違法となるものではないとした上で、違法となるような上官の言動はなかった。
 2 上官の行為と当該隊員の自殺との間の相当因果関係の有無については、当該隊員の自殺原因は、三曹という階級とそれに見合う自己の技能練度との乖離に苦悩し、焦りを徐々に募らせていったことにあるというべきであり、上官から受けた行為によるストレスによってうつ病にり患し、自殺に至ったものとはいえない。
  「三等海曹自殺事件」を巡る訴訟においては、昨年八月二十五日の福岡高等裁判所判決において、同事件に係る防衛省の責任が認められ、福岡高裁は防衛省に対して、三等海曹のご遺族への賠償を命じている。それについて、「政府答弁書」で防衛省は「防衛省としても、平成二十年八月二十五日の福岡高等裁判所の判決において、自殺した三等海曹(以下「当該隊員」という。)の上官の言動は国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)上違法であり、当該言動と当該隊員の自殺との相当因果関係が認められるとされた司法の判断を受け入れたものである。」と答弁している。「三等海曹自殺事件」における福岡高裁判決を防衛省が受け入れたということは、三等海曹の自殺は上官の言動に違法性があり、三等海曹の自殺は三等海曹自身の焦りから来るものではなく、上官の違法な言動から来るストレスが原因であったことを防衛省としても認めているということか。防衛省においては、「司法の判断を受け入れた」等と曖昧な言い方をするのではなく、認めている、認めていないの明確な言い方で答弁されることを求める。
二 「三等海曹自殺事件」において、福岡高裁は上官の言動の違法性を認め、防衛省としてもその判決を受け入れているが、当初防衛省として、一で挙げた二点にある様に、三等海曹の上官の言動に違法性はない等、「三等海曹自殺事件」における防衛省の責任を否定していたのはなぜか。どの様な根拠に基づき、一で挙げた二点を主張していたのか説明されたい。
三 「三等海曹自殺事件」及びそれに係る訴訟に関連して、これまで防衛省内でどの様な調査(以下、「調査」という。)が行われたか。「調査」が行われた期間、行った部署、対象となった者の官職氏名等、「調査」の詳細について説明されたい。
四 今回福岡高裁判決で「三等海曹自殺事件」に係る防衛省の主張が認められず、それに対して防衛省は上告せずに判決を受け入れたということは、「調査」の対象となった者のうち虚偽の回答をした者がいる等、「調査」に何らかの間違いがあったことを防衛省自ら証明しているに他ならないのではないか。「政府答弁書」でも防衛省は「前途ある隊員を志半ばで失うことや悲しい思いをされる御家族が生じるといったことがないようにするべく、今後とも隊員の自殺防止に全力で取り組んでまいりたい。」と、「三等海曹自殺事件」をはじめとした自衛官自殺事件の再発防止に取り組む旨の答弁をしている。そうであるならば、三等海曹のご遺族に謝罪をすることだけではなく、なぜ「三等海曹自殺事件」に係る防衛省の主張が認められなかったのか、「調査」に係る問題等、「三等海曹自殺事件」への防衛省の一連の対応等を徹底的に見直す必要があると考えるが、浜田靖一防衛大臣の見解を示されたい。
五 昨年十月二十三日、三等海曹のご遺族が防衛省に来省された際、人事教育局長が「三等海曹自殺事件」について謝罪をしているが、右の人事教育局長による謝罪以外に、浜田大臣はじめ防衛省内で起こった一切の不祥事に責任を持つ防衛省幹部により、改めて三等海曹のご遺族に謝罪を行う考えはあるかとの質問に対し、「政府答弁書」でも「防衛省としては、遺族に対して、御子息が亡くなられたことについて既におわびを申し上げたところである。」と答弁している。右答弁は、三等海曹のご遺族に対して、浜田大臣はじめ防衛省内で起こった一切の不祥事に責任を持つ防衛省幹部により、改めて謝罪を行う考えがないことを示しているのか。ある、ないの、明確な答弁を再度求める。

 右質問する。



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