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平成二十一年二月二十六日提出
質問第一五七号

ロシアおよびカザフスタン等と日本との間の二国間原子力協力協定の交渉に関する質問主意書

提出者  保坂展人




ロシアおよびカザフスタン等と日本との間の二国間原子力協力協定の交渉に関する質問主意書


 報道によれば日本とロシア、カザフスタンとの間で原子力協力協定の締結に向けた交渉が行われており、韓国との間でも技術協力等の協定締結が行われようとしている。また、一月一九日にはアラブ首長国連邦との間で原子力協力の覚書が交わされ、将来的には原子力協力協定の締結もありうると伝えられている。
 原子力協力は、日本から移転された核物質、原子力資機材、技術、情報が核拡散や放射能災害につながる危険性を有する事柄であり、安易に協力協定が締結されてはならないと考える。
 従って、次の事項について質問をする。

一 ロシア、カザフスタン、韓国、アラブ首長国連邦のほかに新たに原子力協力協定や覚書等を締結・交換しようとしている国はあるのか。あるのであれば、その国名をすべて挙げられたい。
二 核物質や原子力資機材の移転を伴わない原子力協力に関し、これまでに定められた協定や覚書等について、その名称と締結・交換の年月日をすべて挙げられたい。
三 一九九一年四月一八日に旧ソビエト連邦と原子力協力協定が締結された。この協定については、その後ロシアが引き継ぎ、日露原子力協力協定として現在も有効であると理解してよいのか。
四 ロシアおよびカザフスタンについて新たな原子力協力協定を締結する必要があるのは、それぞれどのような協力のためか。それぞれの国との間で想定されている協力の内容と、そのうち協定締結が要件となるのはどの協力か。以下の各項目について協力の想定にふくまれているか、協定が必要とされるかを答えられたい。
 a ウラン鉱山の開発およびウラン採掘
 b ウラン輸入
 c ウラン転換
 d ウラン濃縮
 e ウラン再濃縮(使用済み燃料から回収されたウランの濃縮)
 f ウラン再転換
 g 核燃料加工
 h 使用済み燃料の再処理
 i 原子力発電所の建設、運転およびメンテナンス
 j 高速増殖炉の開発
 k 放射性廃棄物の処理処分
五 米英仏中の各国はIAEA(国際原子力機関)の保障措置適用施設名を明らかにしていると聞くが、その施設名をすべて挙げられたい。
六 ロシアについてはIAEAの保障措置適用施設名が明らかでないと聞いたが、現在も明らかでないのか。明らかになっているのであれば、適用対象となるすべての施設名を挙げられたい。
七 ロシアについてIAEAの保障措置適用施設名が明らかにされていない場合、日本からの核物質・資機材・技術の移転が平和利用に限って行われることに重大な疑義が生まれる。そのような状態で原子力協力協定を締結することが許されると考えられるか。許されないとすれば、日本政府はロシア政府に対し、どのような担保を求めるのか。
八 ロシアにおいて日本の原子力発電所用のウラン濃縮等、核燃料関連の役務が既に行われている。これまでに行われた核燃料関連役務の内容、実施年月、施設名、核物質量などの詳細を明らかにされたい。
九 天然ウランの供給以外に、日本の原子力発電所用の核燃料関連役務がカザフスタンで行われたことがあるか。あるのであれば、その詳細を明らかにされたい。
一〇 今後、再処理回収ウランのロシアおよびカザフスタンへの移転を日本政府は認めようとしているのか。認めようとしているのであれば、どの施設でのどのような役務か。
一一 今後、再処理回収ウランのロシアおよびカザフスタンへの移転を日本政府が認めようとしているのであれば、再処理回収ウランを受け入れるロシアおよびカザフスタンの核施設の査察に関するIAEAとの交渉は終了しているのか。終了していなければ、どの段階まで進んでいるのか。
一二 再処理回収ウランがロシアで再濃縮されるのであれば、高濃縮ウランの生産を検知するために必要なカスケード内環境サンプリングをロシアは受け入れているのか。
一三 現段階でロシアおよびカザフスタンが受け入れているIAEAの査察が、日本の核物質が核兵器に転用されないことを保証するに十分だと日本政府は考えているのか。十分でないとすれば、どのようなことが必要となるのか。
一四 核兵器保有国であるロシアの日本の核物質を扱う核施設における査察のために、IAEAはどのぐらいの予算を充当しているのか。あるいは充当しようとしているのか。その予算は、日本から移転される核物質が核兵器に転用されないことを保証するに十分だと日本政府は考えているのか。
一五 日本の再処理回収ウランをロシアおよびカザフスタンにおける核施設で濃縮・転換したりする役務により発生する劣化ウランや放射性廃棄物は、どこでどのように扱われるのか。その劣化ウランや放射性廃棄物は役務を委託する日本の企業に所属するのか。
一六 天然ウランの濃縮コストと再処理回収ウランの再濃縮コストを日本政府は比較したことがあるのか。比較したことがあるのであれば、その結果を明らかにされたい。

 右質問する。



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