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平成二十一年五月十五日提出
質問第四〇七号

航空自衛隊新田原基地における「米軍再編」に伴う日米共同訓練と施設整備に関する質問主意書

提出者  赤嶺政賢




航空自衛隊新田原基地における「米軍再編」に伴う日米共同訓練と施設整備に関する質問主意書


 新田原基地は、一九五七年に設置され、宮崎県児湯郡新富町に所在する航空自衛隊の基地である。第五航空団や飛行教導隊が配備され、地元自治体と住民は、日常的に自衛隊の戦闘機による爆音と墜落の恐怖に苛まれている。「騒音で子どもが鼻血を出した」など、爆音による健康被害を訴える住民もいる。一九八六年には、基地周辺自治体の一つである西都市で、自衛隊機が墜落し、乗員と住民四人が死傷する事故も発生している。
 ところが、日米両政府は、二〇〇六年五月に合意した「再編実施のための日米のロードマップ」に基づき、「沖縄をはじめとする基地負担の軽減」を理由に、本土の自衛隊基地六ヶ所において、「米軍再編」に伴う日米共同訓練(以下「訓練」という)を実施してきた。新田原基地では、二〇〇七年九月以降、すでに過去四回の訓練が行なわれている。
 さらに政府は、より大規模な訓練(タイプU)の実施に向け、同基地で滑走路の改修をはじめとする施設整備を計画・予算化し、来月にも工事に着手しようとしている。
 一方、沖縄の米空軍嘉手納基地では、基地負担が軽減されるどころか、同基地所属機以外の米軍機(以下「外来機」という)の飛来と訓練などにより、負担が増大しているのが実態である。嘉手納町の調査によれば、二〇〇八年度の騒音発生回数は過去五年間で最多を記録しており、地元住民からは「ベトナム戦争の頃のようだ」という声が上がっている。
 日米両政府の責任はきわめて重大であり、「米軍再編」計画はただちに中止・撤回すべきである。
 以下、質問する。

一 訓練について
 1 航空自衛隊新田原基地周辺の騒音発生状況(最大発生測定地点における過去五年間の年間騒音発生回数及び一日平均騒音発生回数)及び地元自治体・住民への影響に関する政府の認識を明らかにされたい。
 2 新田原基地においては、二〇〇七年九月以降、過去四回の訓練が行なわれてきているが(二〇〇九年五月十五日現在)、各々の訓練について、期日、演練項目、使用訓練空域、日米双方の参加部隊及び規模を明らかにされたい。各々の訓練に伴う事前の展開及び撤収の日時も明示されたい。
 3 右訓練は、米空軍嘉手納基地及び米海兵隊岩国基地所属の米軍機が新田原基地に「移転」して実施されている。嘉手納基地及び岩国基地周辺の騒音発生状況(最大発生測定地点における過去五年間の年間騒音発生回数及び一日平均騒音発生回数)を明らかにされたい。
 4 右訓練期間中における嘉手納基地及び岩国基地周辺の騒音発生状況(最大発生測定地点における訓練期日毎の一日騒音発生回数)を明らかにされたい。
 5 嘉手納基地における外来機の飛来及び訓練の実施状況について、政府はどのように把握しているか。
 6 以上をふまえ、訓練が嘉手納基地周辺における基地負担の軽減をもたらしているかについて、政府の見解及び今後の対応方針を明らかにしていただきたい。
二 施設整備について
 1 政府は新田原基地において大規模な訓練(タイプU)の実施に向け、既設滑走路及び誘導路、駐機場の改修、隊舎・食堂の新設、管制塔の新設、既設機体用消音装置の改修などを行なうことを明らかにしている。これに伴い、仮設滑走路を新設し、調整池の新設等の基地内排水対策を講じるとしている。各々の具体的な整備内容と経費、目的、施設整備全体の経費総額を示されたい。
 2 新田原基地は高台に位置することから、周辺地域ではこれまでも基地から流れ出る雨水による被害が発生し、地元自治体・住民が政府に排水対策を求めてきた経緯があるが、政府はどのように認識し対応してきたか。
 3 今回の仮設滑走路の新設に伴い、雨水の流出量が増加することによる被害の拡大が懸念されているが、政府はどのように対応する方針か。
 4 政府は、施設整備完了後の仮設滑走路について、二〇〇八年四月十一日の衆議院安全保障委員会での私の質問に対し、「仮滑走路を撤去するといたしますと約二億円ぐらいかかるのではないかと見込まれておりまして、今のところ、これは残置する方向で検討させていただいておるところでございます」(長岡憲宗防衛省経理装備局長)と答弁している。仮設滑走路を残置するという方針は今も同じか。
 5 政府は仮設滑走路について、長さ二千七百メートル、幅四十五メートル、オーバーランは東西とも二百五十メートルと説明している。これは環境影響評価法に基づく第一種事業(滑走路長二千五百メートル以上の飛行場及び施設の設置又は変更の事業)に該当すると考えるが、政府の見解と今後の対応方針を明らかにされたい。
三 その他
 1 二〇〇九年二月に行なわれた訓練では、米兵約六十人が基地外に宿泊し、さらに政府がその宿泊先さえ明らかにしなかったことに対し、地元自治体・住民から不安と怒りの声が上がっている。政府は今後、米兵の基地外の宿泊についてどのように対応するのか。
 2 右訓練では、嘉手納基地から飛来した米軍のF15戦闘機が燃料漏れを起こした。燃料が機体から噴水のように噴出し、辺りに燃料の臭いが漂っていたことが報じられている。今回の燃料漏れの原因と米軍の対応について明らかにされたい。

 右質問する。



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