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平成二十一年五月二十二日提出
質問第四三八号

いわゆる「三・五島論」発言に係る政府代表の説明及び内閣総理大臣の見解等に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




いわゆる「三・五島論」発言に係る政府代表の説明及び内閣総理大臣の見解等に関する質問主意書


 本年四月十七日の毎日新聞に、谷内正太郎政府代表が毎日新聞社のインタビューを受け、北方領土問題につき、「三島と択捉一部でも」と、谷内代表として、歯舞、色丹、国後、択捉の我が国への帰属を確認し、ロシアとの平和条約を締結するという従来の政府方針と異なり、北方四島の面積を折半するという方法をもって、同問題の最終的解決を目指すべきとも取られる見解を示したと報じた記事(以下、「毎日記事」という。)が掲載されている。右について、谷内代表は毎日新聞社に対して、「毎日記事」にある様な、北方四島の面積分割をもって最終的な北方領土問題の解決とすべきという趣旨の発言はしていないと反論している。また谷内氏は、同年五月二十一日の参議院予算委員会に政府参考人として出席し、「『個人的に三・五島でも良い』というたぐいの発言は一切していない。ただ、全体の流れの中で、誤解を与える部分もあったかもしれないと反省している。深く遺憾に思っている。私の基本的立場は北方四島の帰属問題を解決して、平和条約を締結するという政府方針通りだ」と釈明している。右を踏まえ、質問する。

一 前文の委員会において麻生太郎内閣総理大臣は、谷内氏の釈明の後に、北方領土交渉に係る政府の方針について「段階的にやろうとしているわけではない」旨発言(以下、「総理発言」という。)したと承知するが、「総理発言」の真意は何か説明されたい。「総理発言」にある「段階的」とは、具体的に北方領土交渉におけるどの様なアプローチを指し、また麻生総理としてその様なアプローチはとらないと言っているのか、詳細に説明されたい。
二 外務省発行の広報誌『われらの北方領土』には、北方領土交渉に係る政府方針について「交渉に当たり、我が国は、ロシア側が九一年後半以降示してきた新たなアプローチを踏まえ、北方四島に居住するロシア国民の人権、利益及び希望は返還後も十分に尊重していくこと、また、四島の日本への帰属が確認されれば、実際の返還の時期、態様及び条件については柔軟に対応する考えであることを明示しつつ、柔軟かつ理性的な対応をとりました。」との記述がなされている。右の政府方針は、北方四島の我が国への帰属が確認されさえすれば、五六年宣言、東京宣言、イルクーツク声明等、過去の宣言や声明、協定、条約等に基づき、北方四島の段階的な返還を行うことを否定しないというものであると考えるが、右は「総理発言」の意味と異なるか。
三 「総理発言」は、北方四島の我が国への帰属が確認された上での、北方四島の実際の我が国への返還のあり方については、例えば二で触れた様な段階的な方法を含め柔軟に対応するが、その前段階の、我が国への帰属の確認については、例えばまずは二島の帰属を先に確認する、または一島ずつ確認していくといった段階的な確認方法はとらず、あくまで四島の帰属を同時期に、一括して求めるという意味か。確認を求める。
四 「総理発言」の真意が三で指摘した通りであるのならば、それは政府の公式見解か。公式見解であるのなら、その根拠を示されたい。
五 本年五月二十日発行の『FACTA』二〇〇九年六月号の七十四頁から七十五頁にかけて、「手嶋龍一式intelligence」という論文が掲載されている。その中に、
 「実際はインタビューにどのように答えたのだろう。
 『シベリア・パイプラインから百万バレルが極東に供給され、その半分を日本が引き受けるとか、環境協力、生態系の保存について協力するとかであれば、三・五島の返還でもいいということになるかもしれない』」
との記述があるが、外務省は右を承知しているか。
六 五の『FACTA』記事にある記述は、「毎日記事」に掲載された谷内氏の発言の本当の内容であり、毎日新聞のインタビューを受けた際、谷内氏が実際に答えた内容を正確に表したものであるか。確認を求める。

 右質問する。



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