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平成二十一年六月八日提出
質問第五一〇号

いわゆる足利事件に関連した取り調べの全面可視化導入に対する森英介法務大臣の見解等に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




いわゆる足利事件に関連した取り調べの全面可視化導入に対する森英介法務大臣の見解等に関する質問主意書


 一九九〇年、栃木県足利市で当時四歳の女児が殺害されたいわゆる足利事件で容疑者とされ、無期懲役が確定し、服役中だった菅家利和さんが、女児の下着に付着していた体液のDNA型が菅家さんのものとは一致しないとの鑑定結果が出たことを受け、本年六月四日、千葉刑務所から釈放された。右につき森英介法務大臣は、同月五日の閣議後の記者会見(以下、「会見」という。)で、取り調べの全面可視化につき、「全面的に義務付ければ被疑者に供述をためらわせて取り調べ機能を損ない、真相解明に支障をきたす。現段階では全面的に容認する方向での検討は難しい」との旨述べたと承知する。右を踏まえ、質問する。

一 森大臣は検察による取り調べを受けたことがあるか。
二 今次、いわゆる足利事件において容疑者とされ、無期懲役が確定した菅家さんの釈放を東京高等検察庁が決定し、菅家さんが釈放されたことに関し、森大臣としてどの様な見解を有しているか。
三 前文で触れた様に、「会見」において森大臣は、取り調べの全面可視化について、「全面的に義務付ければ被疑者に供述をためらわせて取り調べの機能を損なう」旨述べているが、森大臣としてどの様なデータ、客観的事実に基づき、取り調べの全面可視化が取り調べの機能を損なうと認識しているのか、その根拠を説明されたい。
四 菅家さんによると、栃木県警に逮捕された後、同県警の警察官により、髪の毛を引っ張られる、け飛ばされる等の暴行を受け、更には「白状しろ」「早くしゃべって楽になれ」などと言われ、脅しの様な形で自白を強要されたとのことである。森大臣として、取り調べの全面可視化が取り調べの機能を損なうと認識しているのなら、どの様な方策をもって、右の様な非人道的な取り調べを防止する考えでいるのか、その具体的な考えを説明されたい。
五 取り調べの全過程が録音・録画等の方法により明らかにされ、その様子が被疑者と取り調べを行う者以外の第三者にも明らかになるのならば、少なくとも四で挙げた様な取り調べにおける非人道的な行動を抑止することができるのではないか。森大臣の見解如何。
六 前文で触れた様に、「会見」において森大臣は「現段階では全面的に容認する方向での検討は難しい」と述べているが、森大臣として、現時点で取り調べの全面可視化を行うことが困難というのではなく、それについての検討すら、行うことは困難であると認識しているのはなぜか。
七 森大臣として、いつの段階になれば、取り調べの全面可視化についての検討を行える様になると認識しているのか説明されたい。
八 二〇〇二年六月十九日に逮捕され、四百三十七日間勾留された当方は、当方はじめ逮捕された関係者に対する検察官の取り調べの過酷さ、また当方の事件に関連して参考人、証人として呼ばれた人物が、東京地方検察庁特別捜査部より強圧的、誘導的な聴取を受け、検察側にとって都合の良い調書を無理矢理つくらされたことを、自身の経験として知っている。右の経験からも、取り調べの全面可視化は、警察、検察の暴走を抑止し、公正、公平な捜査を実現して冤罪をなくす上で絶対に必要であると考えるが、森大臣の見解如何。

 右質問する。



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