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平成二十一年六月八日提出
質問第五一二号

いわゆる足利事件に関連した取り調べの全面可視化導入に対する佐藤勉国家公安委員長の見解等に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




いわゆる足利事件に関連した取り調べの全面可視化導入に対する佐藤勉国家公安委員長の見解等に関する質問主意書


 一九九〇年、栃木県足利市で当時四歳の女児が殺害されたいわゆる足利事件で容疑者とされ、無期懲役が確定し、服役中だった菅家利和さんが、女児の下着に付着していた体液のDNA型が菅家さんのものとは一致しないとの鑑定結果が出たことを受け、本年六月四日、千葉刑務所から釈放された。右につき佐藤勉国家公安委員長は、同月五日の閣議後の記者会見(以下、「会見」という。)で、現在は一部のみに限定されている取り調べの可視化につき、「すべて今の態勢でいいという話でもない」との旨述べ、対象範囲の拡大を検討することを示唆したものの、全面的な導入については慎重な姿勢を見せたと報道されている。右を踏まえ、質問する。

一 佐藤委員長は「会見」において、足利事件についての当時の栃木県警の捜査に対して「しっかりした証拠の下に逮捕したと記憶している。あってはいけないことだが、当時としては精いっぱいのことをしてこんな結果になったのでは」と述べたと承知するが、右で言う「しっかりした証拠」とは何であるか説明されたい。
二 既に指摘されている様に、当時栃木県警が実施したMCT118のDNA鑑定技術は、別人で一致する可能性が千人に一.二人と、現在の四兆七千億人に一人というものと比較すれば、その精度はかなり低いものであり、またそもそも殺害された女児の下着に付着していた体液のDNA型は、菅家さんのDNA型と一致していなかったとのことであるが、佐藤委員長として、当時栃木県警が菅家さんを「しっかりした証拠の下に逮捕した」と認識しているのはなぜか説明されたい。
三 佐藤委員長は「会見」において、足利事件が起きた当時、栃木県議会議員として、同事件について同県警からの報告を受けており、捜査状況をよく分かっていた旨述べていると承知する。菅家さんによると、菅家さんが栃木県警に逮捕された後、同県警の警察官により、髪の毛を引っ張られる、け飛ばされる等の暴行を受け、更には「白状しろ」「早くしゃべって楽になれ」などと言われ、脅しの様な形で自白を強要されたとのことであるが、佐藤委員長は当時右について報告を受け、菅家さんが同県警より非人道的な取り調べを受けていたことを承知していたか。
四 佐藤委員長は「会見」において、足利事件に関し栃木県警は「精いっぱいのことをした」旨述べているが、三の菅家さんへの取り調べにおける同県警の行状は、「精いっぱいのこと」として許容されるものであると認識しているか。佐藤委員長の見解如何。
五 佐藤委員長は「会見」において、現在は一部のみに限定されている取り調べの可視化につき、前文で触れた様に「すべて今の態勢でいいという話でもない」と、その対象範囲を拡大する可能性について言及しているが、警察庁における取り調べの可視化措置に関し、今後どの程度までその対象範囲を拡大することを考えているのか、佐藤委員長の見解を示されたい。
六 三で挙げた菅家さんの事例の様に、取り調べにおける警察官による容疑者への非人道的な行為を防ぐためには、取り調べの全過程において録音・録画等の全面可視化を実施する以外に方策はないと考えるが、佐藤委員長の見解を示されたい。
七 今次、菅家さんが釈放されたことを受け、菅家さんを逮捕し、取り調べを行った当時の担当責任者を含め、栃木県警に対してどの様な指導を行う考えでいるのか、佐藤委員長の見解を示されたい。

 右質問する。



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