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平成二十一年六月十九日提出
質問第五七三号

北方領土問題に係る我が国の対応の変遷等についての麻生太郎内閣総理大臣の認識等に関する再質問主意書

提出者  鈴木宗男




北方領土問題に係る我が国の対応の変遷等についての麻生太郎内閣総理大臣の認識等に関する再質問主意書


 本年五月三十日、麻生太郎内閣総理大臣は横浜市内で、同月二十日の参議院予算委員会で自身が「北方四島ではロシアによる不法占拠が続いている」と述べたことを受け、同月二十九日、クレムリンで行われた新任駐ロシア特命全権大使の信任状奉呈式において、ロシアのメドベージェフ大統領が挨拶の中で、「(北方四島の)ロシアの主権を疑問視する日本の試みは交渉継続を促すことにはならない」と述べ、我が国を批判したとされていることに関し、「日本の公式見解だから、あらためて言ったからといって、ごちゃごちゃするようなことはない。日本が独立した昭和二十七年から同じことしか言っていない」との発言(以下、「麻生発言」という。)をしたと承知する。右と「前回答弁書」(内閣衆質一七一第四八三号)を踏まえ、再質問する。

一 外務省の広報冊子の「われらの北方領土」に、北方領土問題に係る我が国の対応について「交渉に当たり、我が国は、ロシア側が九一年後半以降示してきた新たなアプローチを踏まえ、北方四島に居住するロシア国民の人権、利益及び希望は返還後も十分に尊重していくこと、また、四島の日本への帰属が確認されれば、実際の返還の時期、態様及び条件については柔軟に対応する考えであることを明示しつつ、柔軟かつ理性的な対応をとりました。」と、一九九〇年代において、北方領土問題に係る我が国の対応は変化したとの記述がなされている。前回質問主意書で、政府が右記述にある対応をとる様になったのはいつからかと問うたところ、「前回答弁書」では「先の答弁書(平成十九年十月二十六日内閣衆質一六八第一三二号)一及び二についてでお答えしたとおりである。」との答弁がなされている。右答弁は「お尋ねについては、従来、我が国政府は、ソヴィエト社会主義共和国連邦とのあらゆる対話の機会をとらえて、北方領土問題を解決して平和条約を締結するとの我が国の立場を粘り強く主張してきたところであるが、千九百九十一年後半以降、ロシア側より、過去の合意を尊重することを含め、同問題を法と正義の原則に基づいて解決すること、同問題の解決を先延ばしにしないこと、我が国との関係における最終的な戦後処理の達成が必要であること等の考え方が表明されたことを踏まえ、御指摘のような柔軟な対応をとることとしたものである。」というものである。我が国として、北方領土問題の解決、つまり、北方四島の我が国への返還を、ソ連時代も含め、ロシア側に求めてきたことは一貫して変わりのないものの、その返還方法や我が国の対応のあり方等については、ソ連時代とロシア時代とで変化が生じているものと考えるが、確認を求める。
二 前回質問主意書で、@一九五二年当時、Aソ連邦が崩壊し、後継国としてロシア連邦が成立した当時、B現時点の三つの時期における日ソ並びに日ロ関係の状態について問うたところ、「前回答弁書」では、@については「御指摘の時期においては、我が国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の国交が回復していない状態にあった。」、Aについては「御指摘の時期においては、我が国政府として、ロシア連邦による民主主義社会の建設、市場経済体制への移行、『法と正義』の原則に基づく外交の実現等に向けた様々な改革努力を強く支持するとともに、かかる改革努力に対し、国際社会と協調しつつ適切な支援を行う一方で、ソヴィエト社会主義共和国連邦からロシア連邦に引き継がれた北方領土問題が未解決であったため、ロシア連邦との間で平和条約の締結に関する交渉を継続していた。」、Bについては「我が国とロシア連邦との間の関係は、現在、平成十五年一月に採択された日露行動計画に基づき、幅広い分野で順調に進展が見られる一方、残念ながらこれまで北方領土問題の解決に至っていない。政府としては、重要な隣国であるロシア連邦との間でアジア太平洋地域における重要なパートナーとしての関係を構築するため、北方領土問題の最終的解決に向けて強い意思を持って交渉を進めるとともに、極東・東シベリア地域での協力を含め、幅広い分野での協力を進展させていく考えである。」との答弁がなされている。我が国とソ連との国交がなかった時代から、ソ連が崩壊し自由と民主のロシアになった時期、そして現在に至るまで、北方領土交渉における我が国のスタンスは、四島返還という点において一切変化はないにしても、交渉における文言等の具体的対応には確かな変化が見られると思料する。右を鑑みる時、「日本が独立した昭和二十七年から同じことしか言っていない」とした「麻生発言」は、北方領土交渉の経緯を十分に理解していない、不勉強な発言であり、北方領土交渉の前進に資するものではないと考えるが、政府の見解如何。

 右質問する。



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