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平成二十一年七月二日提出
質問第六三〇号

低周波振動による被害対策に関する質問主意書

提出者  吉井英勝




低周波振動による被害対策に関する質問主意書


 低周波振動による公害について、一九七〇年代に阪神高速道路堺線沿道での被害の訴えからはじまった研究者による低周波振動の測定と、健康被害(吐き気、血圧や心拍数増加、不眠症)等の関係についての研究が行われて、当時の堺泉北コンビナートによる大気汚染との複合汚染もふくめて社会問題になった。
 こうしたことは、国会でもとりあげられて、一九七八年十一月七日の参議院公害対策及び環境保全特別委員会において、沓脱タケ子議員が堺泉北コンビナートの大気汚染との関係の薄い西名阪道路沿線低周波音に関して行った質問に対して、環境庁大気保全局長が、「道路交通が一つの大きい振動あるいは低周波振動というようなことでの影響を及ぼしているのでないだろうかということは言える」「研究調査を進めて、それによって将来環境基準ができるものならばはっきりつくっていくということを考えている」と答弁した。ところが、それから六年後の一九八四年十二月に、環境庁は「一般環境中に存在するレベルの低周波空気振動では、人体に対する影響を証明するデータは得られなかった」とする調査報告書を発表した。それ以降、政府としての低周波振動に対する対策は進んでいない。
 一方、この間にも高架橋による高速道路、風力発電による風車、二十四時間営業のコンビニ等の大型空調機や冷房機、エコキュート等住宅機器の急増によって、住宅地のなかでも住民被害は拡大しており、低周波振動(低周波音)による被害対策は急務である。
 よって、次のとおり質問する。

(一) 生活環境における低周波振動(低周波音)の影響に関し、以下の点についてどのように調査しているのか。
 @ 高架橋方式の高速道路(橋桁の間隔により道路の固有振動数がいろいろになると思われるが、その倍音も問題になる)の周辺
 A 風力発電所の風車の風きり音とその低周波側の振動が伝わる地域
 B コンビニの大型空調機や冷蔵庫の周辺
 C エコキュート機器(家庭用二酸化炭素冷媒ヒートポンプ給湯器)周辺
 D その他飛行機のエンジンや音とその耳には聞こえない低周波振動が問題になる空港等の周辺
(二) 低周波振動と、その人体への影響(肉体的、精神的)について、どのように調べているのか。
(三) 住宅地のコンビニ等の大型空調機や冷蔵庫等の機器から発生する低周波の周波数と振幅、同様に家庭用エコキュート等の機器から発生する低周波の周波数と振幅について、製品ごとにどのように調査しているのか。また、環境や人の健康に影響を及ぼすおそれのあるものについては、メーカーに対策を取らせる必要があると思うが、どのような取り組みを行っているのか。
(四) これまでのように「対策マニュアル」だけで済ませるのか、環境基準を設けて、それを達成するように取り組むことで、低周波振動対策を施した機器の開発等、新しい環境重視型社会に前進できるかが問われる。政府は、低周波振動については環境基準を考えないのか。

 右質問する。



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