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平成二十一年七月三日提出
質問第六三七号

冤罪並びに取り調べの全面可視化に対する麻生太郎内閣総理大臣の見解等に関する第三回質問主意書

提出者  鈴木宗男




冤罪並びに取り調べの全面可視化に対する麻生太郎内閣総理大臣の見解等に関する第三回質問主意書


 一九九〇年、栃木県足利市で当時四歳の女児が殺害されたいわゆる足利事件で容疑者とされ、無期懲役が確定し、服役中だった菅家利和さんが、女児の下着に付着していた体液のDNA型が菅家さんのものとは一致しないとの鑑定結果が出たことを受け、本年六月四日、千葉刑務所から釈放された。右につき麻生太郎内閣総理大臣は、同日夜の首相官邸における記者のぶら下がり取材において、「冤罪が起きない国にするためには可視化が必要ではないのか」との旨の記者の質問に対して「ぼくは基本的には一概に可視化すれば直ちに冤罪が減るという感じがありません」と答えている(以下、「麻生発言」という。)。右と「前回答弁書」(内閣衆質一七一第五五六号)及び「前々回答弁書」(内閣衆質一七一第五〇九号)を踏まえ、再度質問する。

一 「前々回答弁書」で「麻生発言」の中にある冤罪の定義について「無実の罪、ぬれぎぬ等という意義で用いられることがあるとの趣旨で発言したものと承知している。」との答弁がなされていることを受け、前回質問主意書で、最高検察庁、つまり政府として菅家さんの釈放を決めたということは、菅家さんのケースは右答弁にある冤罪であったことを政府として認めたことに他ならないのではないかと問うたところ、「前回答弁書」では「検察当局においては、御指摘の事件に関し、再審請求の即時抗告審で実施された鑑定に基づく鑑定書一通が刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第四百三十五条第六号に定める無罪を言い渡すべき明らかな証拠に該当する蓋然性が高いと判断したことから、刑の執行停止により受刑者を釈放したものであると承知している。」との答弁がなされている。要するに菅家さんのケースは、無実の罪、ぬれぎぬの冤罪であるのか否か、簡潔な答弁を求める。
二 「前々回答弁書」で麻生総理は「御指摘の点と取調べの全過程について録音・録画を義務付けることとの関連については、承知していない。」と答弁していることを受け、前回質問主意書で、麻生総理は、何の根拠もなく、取り調べの全面可視化が冤罪の減少にはつながらないとする「麻生発言」を行ったのかと問うたところ、「前回答弁書」では「お尋ねについては、前回答弁書五についてで述べたとおりである。」との答弁がなされている。右答弁とは「一般に、検察当局においては、必要な捜査を尽くし、収集し得た証拠を総合的に検討して被告人を起訴し、裁判所においても、慎重な審理を尽くした上で有罪判決を言い渡しているものと承知しており、御指摘の点と取調べの全過程について録音・録画を義務付けることとの関連については、承知していない。」というものである。麻生総理は、「検察当局においては、必要な捜査を尽くし、収集し得た証拠を総合的に検討して被告人を起訴し」と言うが、検察当局における、容疑者への取り調べを含む「必要な捜査」が常に正しく、それによって「収集し得た証拠」が公正かつ客観的なものであると考えているのか。
三 足利事件に限らず、二〇〇三年の鹿児島県議選において、志布志市の運動員ら十五人が公職選挙法違反容疑で逮捕されたが、後に全員の無罪が確定したいわゆる志布志事件や、富山県氷見市の柳原浩氏が強姦などの容疑で富山県警に誤認逮捕されたが、二年あまり服役した後に無罪が確定したいわゆる富山事件についても、全て容疑者が暴行や脅迫とも言える強圧的な取り調べを受け、自白に至っているものである。取り調べの全面可視化が導入されれば、少なくとも警察官、検察官がこの様な非人道的な取り調べを行うことを防ぐことができ、冤罪を減らすことにつながると考えるが、麻生総理が「ぼくは基本的には一概に可視化すれば直ちに冤罪が減るという感じがありません」と言う根拠は何か、「取調の可視化の導入=冤罪の減少」という図式が成り立たないとする「麻生発言」は、どの様な根拠、データに基づいたものであるのか、再度明確な説明を求める。

 右質問する。



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