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平成二十一年七月三日提出
質問第六三八号

北方領土問題に係る我が国の対応の変遷等についての麻生太郎内閣総理大臣の認識等に関する第三回質問主意書

提出者  鈴木宗男




北方領土問題に係る我が国の対応の変遷等についての麻生太郎内閣総理大臣の認識等に関する第三回質問主意書


 本年五月三十日、麻生太郎内閣総理大臣は横浜市内で、同月二十日の参議院予算委員会で自身が「北方四島ではロシアによる不法占拠が続いている」と述べたことを受け、同月二十九日、クレムリンで行われた新任駐ロシア特命全権大使の信任状奉呈式において、ロシアのメドベージェフ大統領が挨拶の中で、「(北方四島の)ロシアの主権を疑問視する日本の試みは交渉継続を促すことにはならない」と述べ、我が国を批判したとされていることに関し、「日本の公式見解だから、あらためて言ったからといって、ごちゃごちゃするようなことはない。日本が独立した昭和二十七年から同じことしか言っていない」との発言(以下、「麻生発言」という。)をしている。右と「前回答弁書」(内閣衆質一七一第五七三号)及び「前々回答弁書」(内閣衆質一七一第四八三号)を踏まえ、再度質問する。

一 「麻生発言」にある「同じこと」とは具体的に何か。
二 前々回質問主意書で、@一九五二年当時、Aソ連邦が崩壊し、後継国としてロシア連邦が成立した当時、B現時点の三つの時期における日ソ並びに日ロ関係の状態について問うたところ、「前々回答弁書」ではそれぞれ以下の答弁がなされている。
 @ 「御指摘の時期においては、我が国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の国交が回復していない状態にあった。」
 A 「御指摘の時期においては、我が国政府として、ロシア連邦による民主主義社会の建設、市場経済体制への移行、『法と正義』の原則に基づく外交の実現等に向けた様々な改革努力を強く支持するとともに、かかる改革努力に対し、国際社会と協調しつつ適切な支援を行う一方で、ソヴィエト社会主義共和国連邦からロシア連邦に引き継がれた北方領土問題が未解決であったため、ロシア連邦との間で平和条約の締結に関する交渉を継続していた。」
 B 「我が国とロシア連邦との間の関係は、現在、平成十五年一月に採択された日露行動計画に基づき、幅広い分野で順調に進展が見られる一方、残念ながらこれまで北方領土問題の解決に至っていない。政府としては、重要な隣国であるロシア連邦との間でアジア太平洋地域における重要なパートナーとしての関係を構築するため、北方領土問題の最終的解決に向けて強い意思を持って交渉を進めるとともに、極東・東シベリア地域での協力を含め、幅広い分野での協力を進展させていく考えである。」
 我が国とソ連との国交がなかった時代から、ソ連が崩壊し自由と民主のロシアになった時期を経て現在に至るまで、北方領土交渉における我が国のスタンスは、四島返還という点において一切変化はないにしても、交渉における文言等の具体的対応には確かな変化が見られる。前回質問主意書で、右を鑑みる時、「日本が独立した昭和二十七年から同じことしか言っていない」とした「麻生発言」は、北方領土交渉の経緯を十分に理解していない、不勉強な発言であり、北方領土交渉の前進に資するものではないと考えるが、いかがかと問うたところ、「前回答弁書」では「先の答弁書(平成二十一年六月九日内閣衆質一七一第四八三号)六及び七についてでお答えしたとおり、平成二十一年五月二十日に行われた参議院予算委員会における北方領土問題に関する麻生太郎内閣総理大臣の発言は、同問題に関する政府の認識を改めて述べたものであって、御指摘の麻生太郎内閣総理大臣の発言は、このような趣旨を述べたものと認識している。」との答弁がなされている。右答弁の内容は、突き詰めれば二〇〇八年六月二十日の政府答弁書(内閣衆質一六九第五〇七号)の「北方領土問題については依然として日露間に意見の相違があるが、外務省としては、我が国固有の領土である北方四島の帰属の問題を解決して、ロシア連邦との間で平和条約を締結するため、ロシア連邦政府との間で交渉を行ってきているが、残念ながら、北方四島が戦後六十年以上ロシア連邦によって不法占拠されており、これまで北方領土問題の解決に至っていない。」という答弁に行き着くものである。当方は前文で触れた本年五月二十日の参議院予算委員会における麻生総理の「北方四島ではロシアによる不法占拠が続いている」という発言について問うているのではない。当方が問うているのは、右の@からBの期間において、北方領土問題に関する日ロ間の交渉のあり方等について様々な変化が見られるのにもかかわらず、「日本が独立した昭和二十七年から同じことしか言っていない」と、あたかもその経緯を正しく理解していないとも受け止められる発言を麻生総理がしていることである。麻生総理として、@からBの期間において、北方領土交渉における我が国のスタンスが、四島返還という点において一切変化はないにしても、交渉における文言等の具体的対応には確かな変化が見られることを理解しているか。再度確認を求める。

 右質問する。



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