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平成二十一年七月十五日提出
質問第六八二号

一九六〇年の日米安全保障条約改定に際したいわゆる「核持ち込み密約」についての政府部内の調査に対する内閣総理大臣等の見解等に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




一九六〇年の日米安全保障条約改定に際したいわゆる「核持ち込み密約」についての政府部内の調査に対する内閣総理大臣等の見解等に関する質問主意書


 本年六月一日付の共同通信社による配信記事を受けた新聞報道によると、一九六〇年の日米安全保障条約改定時に核兵器を搭載した米軍の艦船や航空機が我が国に立ち寄ることを黙認するとしたいわゆる核持ち込み密約(以下、「密約」という。)につき、外務省事務次官ら同省の中枢幹部が引き継いで管理し、外務大臣ではなく官僚側の判断によって、橋本龍太郎、小渕恵三両元内閣総理大臣ら一部総理大臣、外務大臣にのみ伝えていたと、一九八〇年代から一九九〇年代にかけて外務省事務次官を経験した者四名が同通信社に伝えていたとのことである。また、本年六月二十九日付の毎日新聞一面には、一九八七年七月に外務省事務次官に就任した村田良平氏が、毎日新聞社の取材に対し、「密約」の存在を認め、前任次官から文書で引き継ぎを受けていた旨答えている。更に、本年七月七日付の毎日新聞一面には、一九七四年十一月の当時のフォード米国大統領による訪日に備え、政府が非核三原則の「持ち込ませず」の箇所を修正し、米国の核艦船による我が国への寄港を公式に認めることを検討していたことを、外務省アメリカ局長、官房長、駐米国特命全権大使等を歴任した大河原良雄氏が毎日新聞社の取材に明らかにしたと報じる記事が掲載されている。右を踏まえ、質問する。

一 前文で触れた様に、かつて外務省において事務次官等の要職を歴任した人物が、自らの氏名を明らかにした上で「密約」の存在を明らかにしている。この様な流れを受け、河野太郎衆議院外務委員長は、本年七月十日、村田元次官と直接面会して「密約」があったことを確認し、「『密約』はない」としてきたこれまでの政府答弁の変更を、衆議院外務委員長として政府に求めていく考えを示しているが、政府、特に外務省として、右を承知しているか。
二 麻生太郎内閣総理大臣は、本年七月十四日、記者団に対し、「『密約はなかった』。そうずっと答弁を申し上げてきている。密約はなかったということなので、私としては、改めて調べるつもりはない」と述べている。前文で触れた様に、かつて外務省において事務次官等の要職を歴任した人物が、自らの氏名を明らかにした上で「密約」の存在を明らかにし、河野委員長もただ単に「『密約』はない」とする政府の答弁は認めないとの意向を示しているのにも関わらず、「密約」についての調査はしないとする麻生総理の対応は、国民の理解を得られるか。
三 麻生総理は「密約はなかったということなので、私としては、改めて調べるつもりはない」と述べているが、前文で触れた様に、その存在を認める具体的証言がなされている今、麻生総理としてあくまで「密約」はないとする根拠は何か示されたい。
四 北朝鮮の核開発等、極東アジアにおける不安定な現状を鑑みる時、「持たず、作らず、持ち込ませず」の非核三原則のうち、特に「持ち込ませず」の部分については見直しを検討することが必要になる可能性もあると思料するが、政府として、右の見直しにつき、今後検討をする考えはあるか。

 右質問する。



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