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平成二十一年十一月二十六日提出
質問第一一七号

鳩山内閣の科学技術政策に関する質問主意書

提出者  高市早苗




鳩山内閣の科学技術政策に関する質問主意書


 科学技術は国力の根幹であり、未来を切り拓く鍵である。
 自民党政権時の日本は、科学技術創造立国を目指し、総合科学技術会議を司令塔として、五年毎の「科学技術基本計画」や、私が安倍内閣の科学技術政策・イノベーション担当大臣を務めた時に策定・閣議決定された二〇二五年までの長期戦略指針「イノベーション25」などに基づき、関係各府省が科学技術関係施策を推進してきた。
 しかし、政権交代により誕生した鳩山内閣の科学技術政策はきわめて不透明であり、不十分であると言わざるを得ない。
 鳩山内閣総理大臣が「国民との契約事項」と称する民主党マニフェストには、科学技術政策に関しては、「環境分野などの技術革新で世界をリードする」という項目があるのみである。
 そして、鳩山内閣のマニフェスト至上主義が、科学技術政策の分野にも大きく影を落としている。
 鳩山内閣では、子ども手当や高速道路無料化などの目玉施策を優先するあまり、他の施策の予算要求額を抑えることとなり、その結果、政府の科学技術振興費は二十七年ぶりに減少することとなりそうだ。
 また、平成二十一年十月八日の第八十五回総合科学技術会議においては、「グリーン・イノベーション」を科学技術政策の柱として打ち出した。「二〇二〇年までに、温室効果ガスを、一九九〇年比で二十五%削減する」という無謀な目標を掲げた鳩山内閣が、科学技術分野においても温暖化対策関連研究への過度の重点化を行おうとしていることによって、全体として減額要求された科学研究予算の中で、科学技術政策の根幹である基礎研究費にしわ寄せがいく結果となっている。
 行政刷新会議が第一次仕分け作業を終えたが、科学技術関係予算は、その多くが予算縮減という厳しい評決を受けた。
 国策としてのビジョンを示して進めてきた「次世代スーパーコンピューティング技術の推進」が「来年度の予算計上の見送りに限りなく近い縮減」と評決されたことに対しては、既に多くの専門家等から批判の声が上がったところである。
 世界に目を向けると、中国は、二〇二〇年までの長期ビジョンを示し、「創新(イノベーション)型国家」「科学技術強国」を目指している。米国は、「パルミザーノ・レポート」や二〇〇六年の大統領一般教書演説における「米国競争力イニシアティブ」でイノベーション鼓舞を打ち出している。EUでも、「競争力イノベーション・イニシアティブ」を策定し、研究成果の実用化や中小企業のイノベーション支援プログラムを推進している。
 このように、世界の主要国が科学技術大国を目指してしのぎを削るなど、正に「知の大競争時代」に突入しているにもかかわらず、日本の未来への投資である科学技術関係予算を「無駄遣い」の一言で削減する事業仕分けの在り方には、憤りを感じずにはいられない。
 研究の継続性や人材が要である科学技術は、ひとたび政策を誤れば、世界に大きく遅れるという視点を忘れてはならない。去る十一月十九日、総合科学技術会議の有識者議員が、事業仕分けについて、「短期的な費用対効果のみを求める議論は、長期的視点から推進すべき科学技術にはなじまない」とする緊急提言を行ったが、当然の主張である。
 右の点を踏まえ、次の事項について質問する。

一 行政刷新会議での事業仕分けについて
 @ 「次世代スーパーコンピューティング技術の推進」の事業仕分けに際して、文部科学省の説明者が「計算速度世界一」という目標に関して「一位がとれなければ、様々な競争分野で日本が不利になる」と発言したことに対して、仕分け人(評価者)である民主党の蓮舫参議院議員は、「何故二位になったらだめなのか」と発言された。この蓮舫参議院議員の発言についての鳩山内閣総理大臣の感想を伺う。
 A 仙谷行政刷新担当大臣が、「科学技術は大事だが、世界一でなくてもいい」と発言された。この発言についての鳩山内閣総理大臣の感想を伺う。
 B 平成二十一年十一月二十五日、ノーベル化学賞受賞者で理化学研究所の理事長である野依良治氏が、次世代スーパーコンピューター技術開発に関して仕分け人(評価者)が「世界一でなくてもいい」としたことについて、「中国やアメリカから買えばいいというのは不見識だ。科学技術の頭脳にあたる部分を外国から買えば、その国への隷属を意味することになる」と発言された。この発言についての鳩山内閣総理大臣の感想を伺う。
 C 平成二十一年十一月二十五日、野依良治氏は、事業仕分けにおいて「次世代スーパーコンピューティング技術の推進」が「来年度の予算計上の見送りに限りなく近い縮減」と評決されたことに関して、「不用意に事業の廃止、凍結を主張する方には、歴史という法廷に立つ覚悟ができているのか問いたい」とも発言された。この発言についての鳩山内閣総理大臣の感想を伺う。
 D 平成二十一年十一月十九日、総合科学技術会議の有識者議員が、事業仕分けについて、「短期的な費用対効果のみを求める議論は、長期的視点から推進すべき科学技術にはなじまない」とする緊急提言を行った。この提言に対する鳩山内閣総理大臣の見解を伺う。
 E 菅国家戦略担当大臣が、報道番組で、「スーパーコンピューター開発予算を凍結しない」旨を発言され、スーパーコンピューター開発以外の科学技術予算についても、政治判断で事業仕分けの評決について見直しを検討する考えを示された。今後、鳩山内閣では誰が責任者となって、どのような手順で、どのような基準をもって、いつまでに見直し作業を進めていくのか。
 F 平成二十一年十一月二十二日、事業仕分けの仕分け人(評価者)である民主党の枝野幸男元政調会長がテレビ番組に出演して、「(スーパーコンピューターの)経済効果がきちんと説明されていたら、今の議論にはならなかった」と発言された。仕分け対象となっている各事業の執行官庁の大臣や職員が、仕分け作業の前に各事業の「経済効果」を詳しく説明する機会は与えられているのか。また、説明をするとしたら、誰に対して説明をすれば、全ての仕分け人(評価者)に各事業の経済効果に関する情報が伝わるのか。
 G 各府省の科学技術関連予算のうち、今回の事業仕分けにおいて「来年度予算計上は見送り」「予算要求の縮減」「廃止」「事業の見直し」など縮小の方向で仕分けされた事業につき、担当府省と事業項目ごとに、削減・縮減・廃止等の理由、当該事業の鳩山内閣における概算要求額、本年八月の麻生内閣の概算要求額と鳩山内閣の概算要求額の増減額比較について、回答されたい。
二 鳩山内閣における科学技術政策の柱について
 @ 「グリーン・イノベーション」とは何か。具体的に説明されたい。
 A 「グリーン・イノベーション」は、鳩山内閣における科学技術政策の基本的な柱であると考えていいのか。
 B 前問において、基本的な柱とするのであれば、来年度概算要求において、どのように反映されているのか。「グリーン・イノベーション」に関連する概算要求の項目と要求額を事業毎にお示しいただきたい。
 C 前問の予算要求額は、本年八月に麻生内閣で組まれた概算要求額と比較してどのようになっているのか。事業毎にお示しいただきたい。仮に減額になっている場合には、その理由をお示しいただきたい。
 D 「グリーン・イノベーション」は、「二〇二〇年までの温室効果ガス一九九〇年比二十五%削減」という目標に、どの程度寄与すると考えているのか。具体的な数値を示して答弁されたい。
三 鳩山内閣における科学技術政策の長期戦略について
 @ 平成十九年六月一日に閣議決定された「イノベーション25」についての鳩山内閣総理大臣の見解如何。
 A 「イノベーション25」は、安倍内閣で閣議決定されたものであるが、鳩山内閣においても、この閣議決定は踏襲されるのか。
 B 日本の将来を考えた場合、「イノベーション25」は、党利党略を離れて踏襲されるべきものであると思うが、仮に、鳩山内閣では踏襲しない場合、五年毎に作成する「科学技術基本計画」とは別に、前述の「イノベーション25」のような長期戦略が必要であると考える。新たな長期戦略を策定する考えはないか。
四 基礎研究の重要性について
 @ 科学技術力向上のための基礎研究の重要性について、鳩山内閣総理大臣の認識如何。
 A 日本の今後の基礎科学力の強化に向けた具体的な道筋は、どのようになっているのか。
 B 科学技術行政の推進に当たっては、「特定分野に研究費を集中させるだけでなく、政治主導で研究の多様性を担保していくバランスも重要」との学識経験者の意見もあるが、こうした意見に対する鳩山内閣総理大臣の見解如何。
五 科学技術行政の推進体制について
 @ 民主党がマニフェストに先立って作成した政策集「INDEX2009」には、総合科学技術会議を改組して、「科学技術戦略本部(仮称)」を設置するとの記述がある。今後、「科学技術戦略本部(仮称)」を設置するのか。設置するとすれば、いつ設置するのか。
 A 自民党政権では、科学技術政策と宇宙行政は密接不可分な関係にあることから、岸田科学技術政策担当大臣も、野田科学技術政策担当大臣も、宇宙開発担当大臣を兼務してきた。鳩山内閣では、宇宙行政を、繁忙な前原国土交通大臣兼沖縄及び北方対策担当大臣兼防災担当大臣に担当させている。科学技術行政と宇宙行政の担当大臣を分けた理由は何か。
 B 第八十五回総合科学技術会議の議事録を見ると、宇宙行政を担当する前原国土交通大臣がメンバーにすら入っていないようであり、鳩山内閣の宇宙行政への消極性を感じざるを得ない。宇宙行政を担当する前原国土交通大臣は、総合科学技術会議の議員であるか。仮に議員でないとすれば、その理由は何か。
 C 前述の政策集「INDEX2009」においては、「わが国の宇宙開発利用を強力に推進していくために、二〇〇九年度中に各省庁の宇宙関係セクションと宇宙航空研究開発機構(JAXA)企画部門を内閣府のもとに再編一元化するとともに、将来的にはJAXAを含む独立した組織の創設を検討します」との記述がある。今後、こうした宇宙開発利用関係機関の再編一元化を進める考えはあるのか。
 D 科学技術行政と宇宙行政は、一体不可分のものとして同一組織が強力に推進していくことが日本の将来にとって必要不可欠であると考える。例えば、文部科学省から科学技術部門を切り離し、前問の宇宙行政関係機関と統合し、科学技術省を創設する方法もあると思うが、どう考えるか。

 右質問する。



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