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平成二十二年一月二十一日提出
質問第二二号

全国学力・学習状況調査に関する質問主意書

提出者  馳  浩




全国学力・学習状況調査に関する質問主意書


 「全国学力・学習状況調査」については、民主党はマニフェストなどで全く取り上げていないにも関わらず、政権発足早々に、悉皆方式から抽出方式への見直しを行った。そこで抽出率四〇%での概算要求が行われたが、事業仕分けにおいて、さらなる予算の圧縮が求められ、最終的に平成二十二年度予算では三〇%になった。
 抽出率について、鈴木副大臣は、「四〇パーセントを下回ると次に統計的に意味があるのは一〇パーセントぐらいなんです。二〇とか三〇というのはあんまり意味がなくて」(十月二十二日の記者会見:出典:文部科学省ホームページ)「四〇パーセントというのはいろいろな議論の積み重ねの結果、あるいは統計学の方々にも伺った結果、概算要求をしておりますから、そういう意味では基本的には堅持したい」(十一月二十六日の記者会見:出典:文部科学省ホームページ)と述べている。
 従って、次の事項について質問する。

一 「全国学力・学習状況調査」の目的は、「国が、全国的な義務教育の機会均等と水準向上のため、児童生徒の学力・学習状況を把握・分析し、教育の結果を検証し、改善を図る」、「各教育委員会、学校等が、全国的な状況との関係において自らの教育の結果を把握し、改善を図るとともに、継続的な検証改善サイクルの確立を図る」、「各学校が、児童生徒一人ひとりの学力・学習状況を把握し、教育指導や学習の改善等に役立てる」ことである。国の教育施設等の一層の改善を図るため、大学等の研究機関の専門的な知見を活用し、悉皆調査の利点を活かした高度な分析・検証に関する調査研究も、平成二十一年度予算において新たに実施されているところであるが、抽出方式に改めたことにより、これらの「全国学力・学習状況調査」の目的・機能が変わったのではないか。
二 抽出率三〇%で政府がめざす「全国学力・学習状況調査」の目的を達成できるのか。なお、回答の際は、鈴木副大臣の「(抽出率)二〇とか三〇というのはあんまり意味がない」「四〇パーセントというのはいろいろな議論の積み重ねの結果、あるいは統計学の方々にも伺った結果」との記者会見での発言を踏まえて回答されたい。
三 悉皆調査継続の意見書を採択した地方議会が二十二に上り、石川県など全公立学校が希望利用方式で参加する自治体も生じている。地方自治体の意見を十分に踏まえた上での抽出方式への見直しであったのか、政務三役において抽出方式に見直しを決定した過程の説明を求める。なお、回答の際は、平成二十二年は、三年前に小学六年生だった生徒が、中学三年生となり調査に参加するので、三年間の学習の成果を、定点観測により検証できる初めての機会であるにも関わらず、あえて「抽出方式」に切り替える合理的な理由がないとの指摘を踏まえて回答されたい。
四 「抽出調査の対象外であっても、設置者が希望すれば、国から同一の問題の提供を受け、調査を実施」できる希望利用方式も併用するとのことだが、「採点・集計等は、設置者が自らの責任と費用負担で行う」とされており、有料であり事務処理の負担もある。これは、抽出調査の対象となった者と比べて不公平であり、財政力の弱い地方自治体は参加できなくなるおそれがあるが、考えを問う。
 また、希望利用方式における国からの問題の提供方法(印刷した上で必要部数を提供か、原簿の提供か、電子媒体で提供し印刷は各自治体が行うのかなど)もあわせて問う。
五 抽出方式に改めた利点は、予算が縮減されたことのみに思えるが、悉皆方式と比較しての抽出方式の利点を示されたい。
六 民主党の「日本国教育基本法案」には、「何人も、その発達段階及びそれぞれの状況に応じた、適切かつ最善な教育の機会及び環境を享受する権利を有する。」という理念が示されている。悉皆方式によれば、個々の子供の学習状況や発達状況などを確認することができ、よりきめ細かい教育を行うことが可能となる。悉皆方式と抽出方式では、どちらが同法案の理念を実現するにふさわしいと考えるか、見解を問う。なお、「学力テストだけが同法案の目的を達する唯一のツールではない」というような回答ではなく、あるいは財源上の制約を理由にするのではなく、悉皆方式と抽出方式では、どちらが同法案の理念を実現するのに政策的に適しているのかを明確に回答されたい。

 右質問する。



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