衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十二年二月十八日提出
質問第一四六号

ワシントン条約締約国会議に向けた政府の取り組みに関する質問主意書

提出者  浜田靖一




ワシントン条約締約国会議に向けた政府の取り組みに関する質問主意書


 老若男女問わず消費者の嗜好品の上位にあるマグロについて、わが国は世界一のマグロ漁業国であり世界一の消費国である。マグロ漁業については、五つの地域漁業管理機関によって全世界の海洋を管理し、わが国はすべての地域漁業管理機関に加盟し、昨年のICCAT(大西洋まぐろ類保存国際委員会)年次会合においても二〇一〇年の東大西洋のクロマグロ総漁獲量の四割減が決定されるなど、混獲や資源量の悪化等を理由としたマグロ漁業の規制について、これまでもマグロ漁業におけるわが国の立場に見合う指導力を発揮し率先して実行してきている。
 ICCATによって大幅な漁獲削減を行うことが決まっている大西洋のクロマグロについて、今般のワシントン条約締約国会議において、ワシントン条約附属書Tへ掲載する提案がなされることは非常に遺憾であり、本クロマグロに関しての提案、及び、サメ類及び宝石サンゴ全種をワシントン条約附属書Uへ掲載する提案が行われることに関し、以下質問する。

1 マグロ類資源は五つの地域マグロ資源管理機関とその合同会議によって管理されており、資源の悪化を懸念して、厳しい措置が採択されている。大西洋クロマグロについては、昨年のICCAT年次会合において漁獲枠の大幅削減と付帯事項が採択されており、その効果も検証せず、いきなり貿易を制限するワシントン条約の規制対象とすることは不適切と考えるが、いかがお考えか、お伺いする。
2 モナコ提案を何時どの時点で把握されたのか、お伺いする。
3 モナコ提案の把握以降、関係国及びにワシントン条約事務局に対して、モナコ提案が採択されないよう、どのような働きかけを関係府省の政務三役は行われたのか、お伺いする。
4 農林水産省ホームページによると赤松広隆農林水産大臣が二月五日の記者会見で「非常に微妙な差になる」、「本当に五票ぐらいの差で、たぶん決まるんじゃないかと、五票以内のね。」と述べたと記されているが、五票以内の差でモナコ提案の採択を防げるということなのか、採択されるということなのか、お伺いする。
5 右と同じ記者会見で「既に、今、十人ぐらい、それぞれの地区に行ってもらって、いろいろ各国の了解を取り付けるように、水産庁の現職、それからOB、それから関係団体の人にも協力をいただいて、行ってもらってます。」との赤松広隆農林水産大臣の発言が記されているが、脱官僚・政治主導を唱えておられる政権にあって、政権・政務三役が決定されたことのみを伝えるだけの役割しか与えておられない現職官僚にどのような権限・権能を与えて誰が関係国へ派遣されたのか、また、官僚OBはどのような立場で、どのような肩書で派遣され、どのような権限・権能を与えられ、どの国へ、何時、どなたが派遣されたのか、大臣記者会見にある派遣の目的である了承については、これまでどの国からどのような了承を取り付けられたのか、お伺いする。
6 赤松広隆農林水産大臣が記者会見で「もう委員も決まったので、十日から十五日ぐらいの間がちょうど一番のポイントの時ですから、山田副大臣が行ければ、派遣をして、いくつかの国のところで、一票でも、二票でもひっくり返せるように、そういうふうにしたいなと、今、考えております。」と述べられているが、記者会見による発言は当然国内だけでなく、関係国はもちろん全世界に向けて発信されたことになる。赤松広隆農林水産大臣は、全世界に向けてこのような発信をしたうえで、最高責任者でなく副大臣をそれも当該国際会議直前ともいっていい時期に派遣して、本当に大臣会見にある「ひっくり返せる」と信じて世界に向けて発言されたのか、信じて発言されたとすれば、どの国を「ひっくり返せる」とお考えなのか、根拠・理由をお伺いする。
7 赤松広隆農林水産大臣の記者会見で、記者の「日本の立場は、かなり危機的状況にあると受け止めていらっしゃるというふうにみていいですか。」との質問に「そうですね」と答えておられる。仮に赤松広隆農林水産大臣の記者会見通りになった場合、他の地域漁業管理機関での他のマグロ魚種を含めたマグロ漁業全体、マグロ漁業に依存している地域、食品産業、なかでも寿司屋をはじめとした外食産業へ与える影響は計り知れないものが考えられ、これまでのどの国際漁業交渉結果による対策以上の、国家を挙げたあらゆる対策が必要であると考えるが、どのような認識・覚悟を持ってこれまで政務三役はモナコ提案に対処されてきたのか、お伺いする。
8 「サメ類」、「宝石サンゴ全種」をワシントン条約附属書Uへ掲載する提案についてもワシントン条約事務局が「採択すべきだ」との見解をまとめ、加盟各国に示しているが、政治主導を唱えておられる政府は、関係国へこれまでどのような働きかけをしてこられたのか、また、関係府省の政務三役はどのように対処されてきたのか、お伺いする。
9 ワシントン条約附属書Uへの掲載提案に関し、「サメ類」、「宝石サンゴ全種」に係る関係漁業者をはじめとした関係者、関係地域に対して何時、どなたが、どのような説明を行われたのか、その説明の際に見通しについては説明されたのか、お伺いする。
10 関係地域経済、地域伝統文化を考えると、「サメ類」、「宝石サンゴ全種」についてワシントン条約附属書Uへの掲載の採択は何としても防がなければならないことは当然であるが、ワシントン条約締約国会議において掲載を防げなかった場合、関係漁業者をはじめとした関係者、関係地域への対応・対策について政府は如何考えておられるのか、お伺いする。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.