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平成二十二年三月十八日提出
質問第二八六号

検察庁の各種マスメディアに対する対応のあり方に関する再質問主意書

提出者  鈴木宗男




検察庁の各種マスメディアに対する対応のあり方に関する再質問主意書


 週刊朝日二月十二日発売号の二十二頁から二十四頁にかけて、「暴走検察 子ども人質≠ノ 女性秘書『恫喝』十時間」との見出しの、ジャーナリストの上杉隆氏による論文(以下、「上杉論文」という。)が掲載され、それには、東京地方検察庁特別捜査部に所属している民野健治検事が、本年一月十五日、小沢一郎民主党幹事長の政治資金をめぐり逮捕された石川知裕衆議院議員の女性秘書に対し、被疑者としての出頭を予め明確に求めることなく全く別の理由で呼び出し、不意打ちの様な形で事情聴取を行った、その際に外部との連絡を無理矢理絶たせた、同秘書に対し、事実関係云々に関係なく、検察の言いなりになることを脅迫ともとれる様な言いぶりで求め、黙秘権を否定するかの様な発言をした、当初押収品の返却との理由で呼び出しておきながら、一つの押収品も返却しなかった旨の記述がなされている。それに対し、本年二月三日、東京地方検察庁の谷川恒太次席検事は、「上杉論文」は事実でないとする抗議文(以下、「抗議文」という。)を週刊朝日の山口一臣編集長に出し、「上杉論文」における記述三点を挙げ、具体的にそれらがどの様に事実と異なるかを詳細に述べている。右と「政府答弁書」(内閣衆質一七四第一五九号)及び「前回答弁書」(内閣衆質一七四第二二九号)を踏まえ、再質問する。

一 先の質問主意書で、過去に検察庁として、「抗議文」と同様に、ある特定のマスメディアに対して文書を送付し、抗議を行ったことはあるか、あるのなら、過去にどの様な報道に関し、どのマスメディアに対して、どの様な理由の下、どの様な内容の抗議を行ったのか、全て明らかにされたいと問うたところ、「政府答弁書」では「お尋ねの過去における文書による抗議の有無については、記録が残されていないため、お答えすることは困難である」との答弁がなされている。右を受け、前回質問主意書で、右答弁は検察庁において記録を調べ、また、同庁における担当者に問い合わせがなされた上で、つまり、同庁に対し、直接問い合わせた上で作成されたものか、また仮に記録がなくとも、同庁において報道機関に対応する部署の職員に問い合わせをすれば、それなりの事実関係を把握できるのではないのかと問うたところ、「前回答弁書」では「先の答弁書(平成二十二年三月五日内閣衆質一七四第一五九号)一及び二については、その作成に必要なすべての情報を、法務省刑事局から提出させ、作成したものであり、御指摘のような調査を行う必要があるとは考えていない。」との答弁がなされている。「抗議文」と同様の抗議を過去に行ったことについての記録を法務省刑事局が有していなくとも、当事者である検察庁に直接問い合わせをすることで、何らかの情報が得られ、当方の問いに回答することも可能となるのではないのか。検察庁に問い合わせることもなく、「政府答弁書」にある様にただ「記録が残されていないため、お答えすることは困難」とするのは、右答弁を作成した法務省政務三役の職務怠慢ではないのか。
二 「抗議文」の書類は、現在も検察庁において保管されているか。
三 そもそも検察庁において、「抗議文」と同様に、過去にある特定のマスメディアに対して文書を送付し、抗議を行ったことに関する記録が残されていないのはなぜか。
四 「政府答弁書」では、「御指摘の『上杉論文』の記載が捜査・公判に対する支障となるものと考え、株式会社朝日新聞出版に対して抗議を行ったものと承知している」と、今回検察庁として、「上杉論文」に対し「抗議文」を出すことが必要であると判断した根拠についての説明がなされている。右を受け、前回質問主意書で、では検察庁として、右答弁にある様な「上杉論文」と同程度の「捜査・公判に対する支障となる」との報道がなされた場合、それらに対して例外なく、週刊朝日側に「抗議文」を送ったのと同様に、然るべき措置を講じてきているかと問うたところ、「前回答弁書」では「一般論として申し上げれば、捜査機関は、特定の週刊誌の記事の内容が個別具体的事件における捜査機関の活動内容にかかわる事柄である場合は、それぞれの事案及び記事の内容に応じて、捜査・公判の遂行に対する支障の有無等を考慮し、必要に応じて抗議をすることを含め、適宜適切に対処しているものと承知している。」との答弁がなされている。しかし、「政府答弁書」では、その様な抗議を記録した文書は残されていないことが明らかにされている。確かな記録が残されていないのにも関わらず、法務省政務三役が右答弁にある様に「適宜適切に対処している」と言えるのはなぜか。
五 本年一月二十二日付東京新聞に、「内部告発直前に逮捕、服役し出所 三井元大阪高検公安部長 本紙に語る 『検察、まだ自民と一体』 小沢氏周辺捜査『裏金追及で反撃せよ』」との見出しで、元大阪高等検察庁公安部長の三井環氏が、検察庁における裏金問題について発言した記事(以下、「東京記事」という。)が掲載されている。「東京記事」には、「検察はまだ、前の政権与党だった自民党と一体になっている。民主党政権が、取り調べ可視化など検察にとって都合が悪いことをしようとしているから、排除するという考えだ」、「私が逮捕される直前、新聞紙上で検察の裏金問題を実名告発した後、参考人として国会で証言し、検事バッジを外す−とのスケジュールが既に出来上がっていた。逮捕当日は、新聞報道の後にテレビで報じるという約束でジャーナリストの鳥越俊太郎氏の取材を受ける予定だった。逮捕は、組織を守るための明らかな口封じだ」との、検察庁を激しく非難する三井氏の発言が掲載されている。前回質問主意書で、右の内容は、検察庁に対する国民の信頼を失わせ、結果として「政府答弁書」にある様に「捜査・公判に対する支障となるもの」となるのではないかと、樋渡利秋検事総長、谷川次席検事による説明を求めたところ、「前回答弁書」では「一般論として申し上げれば、捜査機関は、新聞・週刊誌等の記事の内容が主として個人の特定の見解を表明するものにすぎないものであるか否かなども含め、それぞれの事案及び記事の内容に応じて、捜査・公判の遂行に対する支障の有無等を考慮し、適宜適切に対処しているものと承知している。」との答弁がなされている。右答弁を起案・作成した者は誰か、その官職氏名を明らかにされたい。
六 五の問いを、当方は樋渡総長、谷川次席検事に投げかけたものであるが、五の答弁を作成する上で、右二名に対し、きちんとした問い合わせはなされているか。
七 五の答弁は、当方の質問に対する答えにはなっていない。当方は、検察庁を厳しく非難する三井氏の発言が掲載されている「東京記事」は、「政府答弁書」にある様に「捜査・公判に対する支障となるもの」となるのではないかと問うているのである。樋渡総長、谷川次席検事に対し、「東京記事」が「捜査・公判に対する支障となるもの」となると認識しているのか否か、明確な答弁をすることを再度求める。
八 「前回答弁書」では、「鳩山内閣としては、法務大臣、法務副大臣及び法務大臣政務官は、質問主意書に対して誠実に答弁しており、国民の目線に立って、責任を持って意思決定を行っているものと考えている。」との答弁がなされている。七で指摘した様に、当方の質問の趣旨から外れた答弁を作成している法務省政務三役に関し、どうして「質問主意書に対して誠実に答弁しており、国民の目線に立って、責任を持って意思決定を行っている」と言えるのか、その根拠を示されたい。

 右質問する。



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