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平成二十二年四月九日提出
質問第三六八号

刑事裁判における物証中心審理に関する質問主意書

提出者  馳  浩




刑事裁判における物証中心審理に関する質問主意書


 三月五日付の日本経済新聞(夕刊)によると、「千葉県東金市で一昨年九月、五歳の女児が殺害された事件で起訴された勝木諒被告(二三)について、」「日本発達障害福祉連盟(金子健会長)は五日午前、被告の知的障害に配慮し、供述でなく物証中心の審理を進めるよう、千葉地裁に文書で申し入れた。」とのことである。
 この申し入れ自体は妥当なものであるが、そもそも現行の刑事訴訟法は、「被告の知的障害」に関わらず「供述でなく物証中心の審理」が原則である。
 とするならば、この申し入れは、当然の事が出来ていないため、その当然の事をやって欲しいという事をわざわざ確認せざるを得なかったという状況を浮き彫りにしているといえる。
 そこで、次の事項について質問する。

一 刑事訴訟法第三百二十条第一項には「公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」とあり、伝聞証拠禁止の原則を定めている。このような伝聞証拠禁止の原則が定められた趣旨について、政府の見解を問う。
二 また、刑事訴訟法は第三百二十一条以下で伝聞例外を認めている。このような伝聞例外を認めた趣旨について、政府の見解を問う。
三 伝聞証拠禁止の原則および伝聞例外の趣旨が真実性の確保や真実の発見であるとするならば、被告人については、公判期日における供述のみに証拠能力を認めることが最も趣旨に適うのではないか、政府の見解を問う。
四 また、被告人の供述に伝聞例外を及ぼすとしたならば、取り調べ状況を可視化すれば、「特に信用すべき情況の下にされたものである」かどうかが一目瞭然であり、「取り調べのような圧力がかかりやすい状況では、相手の意図や誘導に沿った言動になりやすく、供述が事実と相違する事態が生じかねない」との懸念も払拭できる。このような取り調べの可視化を実現する意向があるか、政府に問う。

 右質問する。



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