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平成二十二年四月十九日提出
質問第四〇八号

政党「同一略称」に関する質問主意書

提出者  田中康夫




政党「同一略称」に関する質問主意書


 私が代表を務める新党日本は、二〇〇五年八月に結党し、現在まで三回の国政選挙を何れも、略称「日本」で戦っている。
 第二一回参議院議員通常選挙に於いて比例区得票数百七十七万余票、得票比率三.〇一%を獲得し、公職選挙法、政治資金規正法、政党助成法が定める政党要件を何れも満たす公党である。
 昨年八月に執行された第四五回衆議院議員総選挙後も、公職選挙法第八十六条の六に基づき、「新党日本」を政党の名称として、「日本」を政党の略称として、中央選挙管理会に届け出ている。これらは何れも受理された後、本部の所在地、代表者の氏名と並んで、官報に告示されている。
 然るに今般、「たちあがれ日本」を名称とする政党が、略称として「日本」を届け出る事態が生じた。総務省に拠れば、異なる政党が「同一略称」で選挙戦を戦った事例は過去になく、メディアの選挙報道に於いても投票・開票の現場に於いても、混乱・誤認が生ずる恐れは不可避である。
 故に四月十三日、速やかな善処を求めて総務省自治行政局選挙部の責任者と面談した所、正確を期すため、当方から文書で照会したならば、選挙部長名で翌十四日正午迄に文書で回答する旨、通告された。これを受けて同十三日、総務省自治行政局選挙部長宛に、「『たちあがれ日本』がなした『政党の略称に関する届出』につき、以下の各事項に対し、具体的にご回答ください」と計七項からなる質問状を手渡した。
 これに対し、約束の期限から丸二日が経過した十六日午後に至っても総務省から返答がないため、再度、回答依頼の書面を送付した所、「二〇一〇年四月十六日付けで貴職よりいただいた回答の再依頼について、現時点では、指定された本日十六時までには回答できませんのでよろしくお願い申し上げます」なる文面の書面が届いた。その後、十九日正午を過ぎても、回答は未着である。
 こうした中、「共同通信」は十八日、「総務省、回避策示せず 略称『日本』問題」と題する記事を配信し、「有識者からも『有権者が混乱する可能性があり、対応策を取らないのは責任放棄だ』との指摘が出ている」、「新聞などメディアが政党の公約を報じる際に略称を使うことがあり、読者が両党の政策を取り違える恐れも。ほかにポスターや選挙公報など、混同が予想されるケースは多い」と懸念を表明している。
 加えて、「産経新聞」も十五日付紙面で、十四日の会見に於ける私の発言「『本物の民主』とか『まともな民主』という党を(政党要件を満たす五人以上の)国会議員が作って、略称『民主』で届けられるかと総務省に聞いたら、『その通りだ』という驚くべき見解だった。二党だけの問題ではない」を引用した上で、「公職選挙法に同一呼称を禁ずる規定がなく、論理的には、今後結成される新党が略称『民主』や『自民』などを名乗ることも可能」と同じく懸念を表明している。
 即ち、今回の政党「同一略称」は、単に二党間に留まらず、衆議院・参議院で第一党の民主党、同じく第二党の自由民主党にも影響を及ぼす、謂わば日本の政党政治全体の問題である。
 よって、以下に質問する。

一 「同一略称」につき、混乱・誤認が有権者に生じることを総務省は認識しているにもかかわらず、回避措置を何故講じないのか。
二 前記、混乱・誤認の生ずることは、公正な選挙が損なわれると総務省及び中央選挙管理会は予見しながら、何故放置するのか。
三 仮に、一票が按分により分割された場合、憲法が認める「一人一票の権利」が阻害されるのではないか。
四 総務省は政党の届出につき申告制をとりながら、実際にはその名称等に関し裁量的審査をし、規制しているのではないか。
五 仮に、四でなければ、公序良俗に反する名称(差別的名称、卑猥な名称等)でも、政党の届出をそのまま無審査で受理するのか。
六 政治資金規正法を根拠に、「同一名称の政党」は認めぬ一方で、複数の政党の「同一略称」を認める根拠を具体的に示せ。
七 日本の憲政史上初めて、複数政党が「同一略称」を用いて国政選挙に臨みかねない状況を、総務省は放置するのか。
八 「『意思を示すには正式な政党名を記入してほしい』と総務省は話している」と「共同通信」は十三日に配信しているが、衆議院議員総選挙、参議院議員通常選挙の何れに於いても、全国各地の投票所の投票記載台の上部に掲出されている政党一覧表には、「比例投票」制度導入時から、正式名称と共に「略称」も記されている。この事実は、「略称」での投票を中央選挙管理会が自ら認めているものであり、「共同通信」に示した見解と齟齬を来すと思量するが如何か。更に、「略称」が記載された投票用紙を有効票としてきたのは、「略称」での投票行動に混乱・誤認を生じさせない前提に立った上での歴史的経緯と考えるが、間違いないか。
九 原口一博総務大臣は十七日に総務省で開いた会見で、「今の法律の中では、私たちには止める手立てはない」、「制度的な担保について、国会でもご議論いただければ」と述べているが、直近の国政選挙は本年七月に実施されるため、その実施までに国会での議論の末に一定の方向が得られるのは物理的に不可能と思われる。甚大なる影響を社会全体に及ぼす、こうした「想定外」の事態が発生した場合に、迅速・的確に対処してこそ、政権交代後に掲げる「政治主導」の真骨頂と考えるが如何か。
十 他方で原口大臣は同じ会見で、「私たちの判断で、AとかBとか言えるかどうか検討してみたい」と発言している。その検討の結果を示されたい。
十一 同じく会見で、新党日本からの質問状に回答がされていない点を質問され、「承知していませんので、後で精査をしたい」と答えているが、精査の後、如何なる指示を出したのか。
十二 自身も政党人であると同時に、中央選挙管理会を総務省の附属機関に置く総務大臣が、二党間の仲介役として問題解決の労を取る意思はあるか。
十三 今後、「日本」とは異なる名称の「同一略称」問題が、他党を巻き込む形で生じた場合にも、総務省は今回の認識・判断と同じ対応を取るか。
十四 万が一にも、「同一略称」が回避されぬ儘、国政選挙が実施され、混乱・誤認が生じた場合、迷惑・被害を受けた有権者、候補者、報道機関を始めとする国民各位から、統治管理能力という意味合いでの「ガバナビリティ」を問われる事態に陥ると思うが、覚悟の程を問う。

 右質問する。



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