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平成二十二年五月二十八日提出
質問第五一七号

いわゆる袴田事件に関する第三回質問主意書

提出者  鈴木宗男




いわゆる袴田事件に関する第三回質問主意書


 昭和四十一年に静岡県で発生した強盗殺人放火事件で犯人とされ、死刑が確定した元プロボクサーの袴田巖氏は、冤罪を訴え、現在再審を請求している。右のいわゆる袴田事件と「前回答弁書」(内閣衆質一七四第四八六号)及び「前々回答弁書」(内閣衆質一七四第四二二号)を踏まえ、再度質問する。

一 袴田氏及びその弁護団、支援者は、袴田氏が逮捕された当時、時に一日十時間以上の長時間に渡る取調べを受け、しかもその際に、警察官により棍棒で殴られる等の熾烈な暴力にさらされたと訴えている。袴田氏の事案は現在も再審請求がなされ、係属中である。前回質問主意書で、係属中であるということは、袴田氏が一日十時間以上の長時間に渡る取調べを受けた、取調べの最中に棍棒等の道具で殴られる等の熾烈な暴力にさらされたという袴田氏側の主張についても、当然事実関係の確認、然るべき調査がなされているものと考えて良いか、また、右の事実関係を千葉景子法務大臣は正確に把握しているかと問うたところ、「前回答弁書」では「現在再審請求審係属中の事件にかかわる事柄については、お答えを差し控えたい。」との答弁がなされている。既に述べている様に、当方として事実関係の詳細な内容は問うていない。単に、千葉大臣として、袴田氏側の主張についての事実関係を確認し、正確に把握しているか否かの一点を問うているだけである。千葉大臣として、なぜ右の様にして答弁を避けるのか説明されたい。
二 袴田氏は逮捕・身柄拘束されて本年で既に四十四年になる。前々回質問主意書で、千葉大臣として袴田氏の精神的・身体的な健康状態を正確に把握しているかと問うたところ、「前々回答弁書」では「個々の死刑確定者の健康状態に関するお尋ねについては、個人のプライバシーにかかわる事柄であり、お答えを差し控えたい。」との答弁がなされ、「前回答弁書」でも、「一般論として申し上げれば、死刑確定者の健康状態については、法務省の関係部局において、常に注意が払われ、必要に応じて、医師の専門的見地からの診療等を受けさせるなど、慎重な配慮がなされており、法務大臣は、必要に応じて、関係部局からの報告を受けている。」との答弁がなされている。当方は袴田氏の体調がどの様な状態であるかといった、同氏のプライバシーに関する事項を問うているのではなく、千葉大臣としてそのことを正確に把握し、然るべき措置を同氏に講じているか否かという点を問うているだけである。千葉大臣として、「一般論として…」と、一般論に逃げるのではなく、当方の質問の趣旨を正確に把握した上で、誠実な答弁をすることを求める。
三 過去の質問主意書で、刑事訴訟法第四百七十九条(以下、「第四百七十九条」という。)に「死刑の言渡を受けた者が心神喪失の状態に在るときは、法務大臣の命令によつて執行を停止する。」と規定されていることにつき、右の規定により、法務大臣の命令によって死刑執行が停止された場合、当該死刑確定者に対していつ、どこで、誰によって、どの様な方法でそのことが伝えられるのかと問うたところ、昨年二月二十七日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一七一第一三五号)では「法務大臣から死刑の執行を停止する命令があったときに、これを死刑確定者本人に通知することを定めた規定はない。」との答弁がなされている。右は、法務大臣による当該命令が発せられたとしても、死刑確定者本人に知らされることはないということか。
四 心神喪失の状態にある死刑確定者への死刑執行が法務大臣の命令によって停止された場合に、当該命令に関する死刑確定者本人に通知する方法について、そもそもそれを定めた規定がないのはなぜか。
五 仮に袴田氏に対し、千葉大臣から「第四百七十九条」に基づいて死刑執行の停止命令が出された場合、袴田氏本人はどうやってそれを知り得るのか。

 右質問する。



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