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平成二十二年五月三十一日提出質問第五二〇号
家畜伝染病「口蹄疫」への政府の対応に関する質問主意書
提出者 江渡聡徳
家畜伝染病「口蹄疫」への政府の対応に関する質問主意書
本年四月二十日に宮崎県都農町において一例目の感染が確認された「口蹄疫」については、確認後一ヶ月以上がたつ現在においても歯止めがかからず、拡大の一途をたどっている。宮崎県口蹄疫防疫対策本部(宮崎県農政水産部)の五月二十七日付けの発表によると、牛・豚合わせて十五万二千三百八十七頭が殺処分対象になり、畜産農家にとって生活基盤が失われると同時に、生活を共にし、愛情をこめて育ててきた家畜を、目の前で殺処分しなければならない精神的ショックは計り知れず、未だに深刻な状況が続いている。
かつて平成十二年に北海道、宮崎県で口蹄疫の発生が確認され、七百四十頭の牛が処分された際の教訓が、今回の第一例目発生時においての初動対策に対して活かされていない。まさしく政府の危機管理の欠落と初動の遅れが、今日の被害拡大の大きな原因であると考える。
また、補償対策も大切ではあるが、被害を受け不安を感じている畜産農家に対し、発生が確認された直後、対策本部長であった赤松農林水産大臣が現地に赴き、まずは政府としての対策への意気込みを示すことが肝要だったのではないか。
これらを踏まえ、次の事項について質問する。
二 四月二十九日現在、移動・搬出制限区域内(半径二十キロメートル以内)の畜産農家戸数は、四市七町で二千六百六十八戸、飼養頭数は、牛・豚合わせて三十七万三千四十一頭であり、四月三十日には、殺処分対象が四千三百六十九頭(宮崎県口蹄疫防疫対策本部の資料)等と被害が広がり、同日、新たな畜産農家への追加支援が発表された。しかし、被害の拡大が予想される中、赤松大臣が外遊へ出発し、代わって、内閣府特命担当大臣である福島大臣(当時)が農相臨時代理・口蹄疫防疫対策本部長となった。この時、赤松大臣から福島臨時代理に対し、口蹄疫に関する情況説明及び充分な対策についての話し合いは持たれたのか。
三 福島臨時代理から外遊中の赤松大臣に対し、現地の状況について報告はなされていたのか。また、その報告に対し、赤松大臣は福島大臣(当時)とどのような協議を行い、また、対応をしたのか。その内容を詳細にお知らせいただきたい。
四 赤松大臣外遊中、臨時代理と本部長に就任した福島大臣(当時)から鳩山総理に対し、どのような報告がなされたのか。また、総理からはどのような指示がなされたのか。
五 五月十日、宮崎県を訪れた赤松大臣に対し、JAグループ宮崎や酪農生産者団体関係者から、国の対策本部を宮崎県に移設するよう提案がなされた。しかし、政府は五月十七日にようやく宮崎県に国直轄の対策本部を設置した。口蹄疫が蔓延する中、迅速な対策と一日も早い収束と、政府対策本部と連携を取るためにも必要不可欠である現地対策本部の設置が、なぜ要望から一週間もかかったのか。また、赤松大臣から初動対策段階において最も重要である政府直轄の現地対策本部設置の提案はなされなかったのか。
右質問する。