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平成二十二年八月二日提出
質問第二二号

政府による防衛白書了承の見直しに関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




政府による防衛白書了承の見直しに関する質問主意書


 本年七月二十七日、政府は当初同月三十日に予定していた平成二十二年版防衛白書の閣議了承を先送りすることを決定した。右を踏まえ、質問する。

一 報道によると、今回政府として防衛白書の閣議了承を見送ったのは、我が国固有の領土である竹島について、例年通り同白書で「領土問題が未解決のまま存在」と明記することに韓国側が反発することを仙谷由人内閣官房長官が考え、韓国側に配慮する意味で防衛省に先送りを指示したとのことであるが、右は事実か。
二 一方、仙谷長官は記者会見で「韓国の哨戒艦沈没事件について、G8などの会合や国連安保理での議長声明もあり、日本側の積極的な貢献活動もあった。最近は、アメリカ、韓国との合同演習に海上自衛官をオブザーバー参加させるなどしており、北東アジアの安全保障上の重要な事象については防衛白書に書くべきだという指摘もあった」と、閣議了承見送りの理由は、同白書に加筆する必要が生じたことが原因である旨述べているが、今回、政府として同白書の閣議了承を見送った真の理由は何であるのか説明されたい。
三 本年七月二十九日、仙谷長官は権哲賢駐日韓国大使と面会していると承知するが、右の面会の際、どの様なことが話し合われたのか明らかにされたい。
四 三の面会の際、権大使より、平成二十二年版防衛白書の内容について何らかの申し入れはなされているか。
五 竹島問題については、平成十八年版の防衛白書より、政府は一貫して明記している。それにも関わらず、一で、韓国側に配慮する形で平成二十二年版防衛白書の閣議了承を見送ったのであるなら、なぜ本年に限り、その様な対応を取ったのか説明されたい。
六 政府として、平成二十二年版防衛白書に、竹島問題について従来通り「領土問題が未解決のまま存在」と明記する考えはあるか。
七 竹島は我が国固有の領土であり、国家主権に関わる問題は絶対に譲ることのできない問題であると考えるが、菅直人内閣総理大臣、仙谷長官の見解如何。
八 我が国が抱える領土問題は、竹島と北方領土に関わる問題の二つのみであると考えるが、菅直人内閣の見解如何。
九 竹島問題に関しては、平成二十二年版防衛白書への記述を見送る等、韓国に過度に配慮した対応を政府は取り、またこの問題は、日韓の正式な交渉課題にすらなっていない。その一方で、日ロ両国で正式な交渉課題とされ、これまで何度も声明、合意文書が作られている北方領土問題に関しては、ロシアに対して強硬な対応を取るというのでは、領土問題に対する我が国の姿勢として矛盾しており、ロシアに対して誤ったメッセージを送ることになると思料する。先にロシアにおいて、毎年九月二日を対日戦勝記念日とすることが決められたことは、その結果の一つではないのか。菅総理、仙谷長官の見解如何。
十 本年七月二十七日、政府として平成二十二年版防衛白書の閣議了承を見送ることを決定した時点で、同白書は既に刷り上がっており、その費用はいくらかかっていたのか、また、今回新たな内容を盛った白書を作り直すことで、新たにどれだけの費用が生じるのか、全て明らかにされたい。
十一 十の費用を既に要しておきながら、既に刷り上がっていた平成二十二年版防衛白書を無駄にしてまで、同白書の内容を変えるくらいなら、政府として、特に仙谷長官として、なぜ作成段階で具体的な指示を出さなかったのか説明されたい。二で指摘した様に、同白書に加筆する事項が生じたのなら、刷り上げる以前に、その時点で指示を出すべきではなかったのか。仙谷長官の見解如何。
十二 白書というのは、ある政策課題について、前年度にあったことを国民に説明するものであると承知する。十一で指摘したことは、防衛白書の作成段階で、政府、特に仙谷長官としてその内容をチェックすることもなく、全てを官僚に丸投げし、政治主導どころか官僚主導で決められていたことの最たる事例ではないのか。

 右質問する。



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