衆議院

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平成二十二年八月四日提出
質問第三八号

陵墓に治定されている古墳の祭祀に関する質問主意書

提出者  吉井英勝




陵墓に治定されている古墳の祭祀に関する質問主意書


 皇室の先祖や皇室関係者が葬られているという理由で、戦前に陵墓(陵墓参考地を含む。以下、この質問において陵墓と略)に治定し、現在も宮内庁が管理している古墳が多数ある。陵墓では皇室によって式年祭等の祭祀が行われているが、皇室の私的な祭祀に宮内庁職員やそれ以外の国家公務員と地方公務員も参列している。具体例として本年二月十三日の大阪府堺市の田出井山古墳(宮内庁によれば反正天皇陵)と、本年四月一日の大阪府羽曳野市の誉田御廟山古墳(同じく応神天皇陵)での式年祭を取り上げた。これについて本年六月十四日に提出した質問主意書で、憲法が定めた政教分離の原則との関係を問うたが、これに対する答弁書は「国家公務員の参列については儀礼的なもので憲法上の問題があるとは考えていない」、「地方公務員の参列については答弁する立場にない」旨のものであった。
 よって、次のとおり質問する。

(一) 宮内庁によれば、「陵墓における祭祀は、皇室の伝統に基づくものとして古くから行われているもの」とあるが(二〇〇九年七月十七日閣議決定の答弁書)、「古くから」とは具体的にいつからか。また、今に至るまですべての古墳時代の陵墓で、祭祀は途切れることなく連綿と続けられてきたのか。証拠を示して明らかにされたい。
(二) 宮内庁は、箸墓古墳には孝霊天皇の娘であるヤマトトトヒモモソヒメが葬られていると定め、「大市墓」という名前の陵墓として管理している。宮内庁は、孝霊天皇の皇女であるヤマトトトヒモモソヒメの没年や箸墓古墳の築造年代については、日本書紀に記述がないという。ヤマトトトヒモモソヒメの父である孝霊天皇が葬られたのは日本書紀による孝元天皇六年で、それは紀元前二〇九年に相当するという見解を示している(二〇一〇年六月二十二日閣議決定の答弁書)。一方で文化庁は、箸墓古墳の築造時期について三世紀の中頃から後半と考えられるという見解を述べている(二〇〇九年二月二十日、衆議院予算委員会第四分科会)。
 これは、孝霊天皇は紀元前二〇九年に死没し、その娘であるヤマトトトヒモモソヒメは箸墓古墳が築かれる三世紀半ばから後半まで、四百年から五百年近く生存していたことを意味しているのか。
(三) 宮内庁は「陵墓や陵墓参考地については、現に皇室において祭祀が継続して行われ、皇室と国民の追慕尊崇の対象となっているので、静安と尊厳の保持が最も重要なことである」(二〇〇九年七月六日閣議決定の答弁書)と示しているが、「祭祀が継続して行われ追慕尊崇の対象なので、静安と尊厳の保持が最も重要である」と考える理由を分かりやすく答えられたい。
(四) 文化庁によれば、「古墳の被葬者が発掘調査で判明することは非常にまれ」という見解である(二〇〇九年六月二十四日、衆議院内閣委員会)。宮内庁が「古代高塚式の陵墓又は陵墓参考地」として管理している百二十一の古墳の各々について、そこに皇室の先祖が葬られていることの証拠を明示されたい。
(五) 宮内庁が「古代高塚式の陵墓又は陵墓参考地」として管理している百二十一の古墳の各々について、陵墓の名称・考古学上の名称・被葬者名(ルビ付)・所在地・治定年月日(西暦による)を分かりやすく示されたい。
(六) 陵墓の環境の静安と被葬者の尊厳の保持と、陵墓の墳丘最下段テラスよりも上に登る学術調査とは、学術調査がいかなる内容のものでも両立することができないという考えか。
(七) 宮内庁職員であれば、管理のために陵墓の墳丘最下段テラスよりも上に登っても静安と尊厳を保持することができ、宮内庁職員でなければ、墳丘最下段テラスよりも上に登って墳丘表面の観察をするだけでも静安と尊厳の保持ができないという明確な理由を、それぞれ示されたい。
(八) 宮内庁職員が陵墓の墳丘最下段テラスよりも上に登る場合は、どういう手続きを経ているのか。また、登る場合には何らかの祭祀を行っているのか。
(九) 宮内庁が提出した資料によれば、堺市の田出井山古墳(宮内庁によれば反正天皇陵)と羽曳野市の誉田御廟山古墳(同じく応神天皇陵)での式年祭の次第について次のようにある。
 午前九時三十分、陵所を装飾する。
 同 十時、勅使が参進して本位に就く。
 次に神饌を供する。
  この間、楽を奏する。
 次に掌典が祝詞を奏する。
 次に幣物を供する。
 次に勅使が拝礼の上、御祭文を奏する。
 次に幣物及び神饌を撤する。
 この間、楽を奏する。
 次に各退下する。
     〇
 皇族、公務員、有位者及び有勲者並びに縁故者、門跡寺院の住職及び尼門跡寺院の住職が参列する場合は、勅使参進の前に着床し、御祭文奏上の後に拝礼する。
 宮内庁によれば、陵墓における祭祀が神道の形式によるものか否かを答えることは困難である(二〇〇九年七月十七日閣議決定の答弁書)とのことだが、陵墓の拝所には鳥居が置かれている。また、陵墓の式年祭では次第のように、神饌を供し、掌典が祝詞を奏し、幣物を供する。鳥居の設置やこれらの行為と神道とは、どういう関係があるのか。全く関係がないのか。
(十) 「陵所を装飾する」、「神饌を供する」、「楽を奏する」、「幣物を供する」、「幣物及び神饌を撤する」主体はそれぞれ誰か。
(十一) 勅使、掌典、「陵所を装飾する」者、「神饌を供する」者、「楽を奏する」者、「幣物を供する」者、「幣物及び神饌を撤する」者は、それぞれ公務員か否か。公務員でなければ、どういう立場の者か。
(十二) 鳥居を含めた陵墓の拝所は国有財産か。その管理は誰が行っているのか。
(十三) 本年六月二十二日閣議決定の答弁書では「国家公務員による参列は、陵墓において皇室が祖先を弔う目的で行う行事に際し、平素から陵墓の管理等に携わる者が儀礼的に行ったものであり、憲法上の問題があるとは考えていない」とあるが、「管理等」の「等」とは何を示しているのか。その内容を具体的に明らかにされたい。
(十四) 儀礼的であれば、皇室の宗教的行為である祭祀に参列しても憲法上の問題がないのか。儀礼的なものと、そうでないものとの違いはどこにあるのか。明確に答えられたい。
(十五) 田出井山古墳と誉田御廟山古墳での国家公務員の式年祭への参列が、儀礼的であったという根拠を明示されたい。
(十六) 本年六月二十二日閣議決定の答弁書では「地方公務員による参列については、お答えする立場にない」とあるが、なぜ答える立場にないのか。答える立場にある者は誰か。
(十七) 宮内庁が提出した資料によれば、田出井山古墳での「反正天皇の千六百年式年祭」と誉田御廟山古墳での「応神天皇の千七百年式年祭」について、以下に掲げる公務員に対し、宮内庁書陵部古市陵墓監区事務所長名で「反正天皇山陵千六百年式年祭の儀」と「応神天皇山陵千七百年式年祭の儀」の執行と参列の案内を送っている。これらの公務員を送り先として選んだ基準や根拠は何で、誰が選んだのか。
〔反正天皇の千六百年式年祭〕
 大阪地方裁判所所長  大阪家庭裁判所所長  大阪地方検察庁検事正  大阪地方検察庁事務局長大阪地方検察庁堺支部長  大阪法務局堺支局長  国土交通省近畿地方整備局局長  国土交通省近畿整備局河川部長  国土交通省近畿地方整備局大和川河川事務所長  大阪府知事  大阪府府議会議長  大阪府府議会副議長  大阪府教育委員会委員長  大阪府教育長  大阪府警本部本部長  大阪府堺警察署署長  大阪府鳳土木事務所所長  大阪府立三国ヶ丘高等学校校長  堺市長  堺市市議会議長  堺市市議会副議長  堺市副市長  堺市教育委員会委員長  堺市教育長  堺市博物館長  堺市市長公室室長  堺市市長公室理事  堺市建築局長  堺市消防局長  堺市堺消防署署長  堺区長  堺市立三国ヶ丘小学校校長  堺市立三国ヶ丘中学校校長 宮内庁京都事務所所長  宮内庁京都事務所次長  宮内庁京都事務所庶務課長  宮内庁京都事務所管理課長  宮内庁京都事務所工務課長  宮内庁京都事務所林園課長  宮内庁正倉院事務所所長  宮内庁正倉院事務所庶務課長  宮内庁正倉院事務所保存課長  桃山陵墓監区事務所所長 桃山陵墓監区事務所職員代表  畝傍陵墓監区事務所所長  畝傍陵墓監区事務所職員代表  月輪陵墓監区事務所所長  月輪陵墓監区事務所職員代表  皇宮警察京都護衛署署長  皇宮警察京都護衛署副署長  宮内庁次長  書陵部代表
〔応神天皇の千七百年式年祭〕
 大阪地方裁判所所長  大阪家庭裁判所所長  大阪地方検察庁検事正  大阪地方検察庁事務局長大阪地方検察庁堺支部長  羽曳野区検察庁副検事  大阪法務局富田林支局長  国土交通省近畿整備局長  国土交通省近畿整備局河川部長  国土交通省近畿整備局大和川河川事務所長  大阪府知事  大阪府府議会議長  大阪府府議会副議長  大阪府教育委員長  大阪府教育長  大阪府警察本部長  羽曳野警察署長  大阪府富田林土木事務所長  羽曳野市長  羽曳野市議会議長  羽曳野市議会副議長  羽曳野市副市長  羽曳野市教育委員長  羽曳野市教育長  羽曳野市市長公室長  柏原羽曳野藤井寺消防組合消防局長  羽曳野市立古市小学校長  羽曳野市立誉田中学校長  宮内庁京都事務所所長  宮内庁京都事務所次長  宮内庁京都事務所庶務課長宮内庁京都事務所管理課長  宮内庁京都事務所工務課長  宮内庁京都事務所林園課長  宮内庁正倉院事務所所長  宮内庁正倉院事務所庶務課長  宮内庁正倉院事務所保存課長  桃山陵墓監区事務所所長  桃山陵墓監区事務所職員代表  畝傍陵墓監区事務所所長  畝傍陵墓監区事務所職員代表  月輪陵墓監区事務所所長  月輪陵墓監区事務所職員代表  皇宮警察京都護衛署署長皇宮警察京都護衛署副署長  宮内庁次長  書陵部代表
(十八) これら祭祀(式年祭)の執行と参列の案内を送った相手は、平素から陵墓の管理等に具体的にどのように携わっているのか。各々について具体的に答えられたい。
(十九) 皇室による陵墓の祭祀について、皇室以外の公務員に対し、なぜ祭祀の執行と参列の案内を送る必要があるのか。また、案内送付の決裁は誰が行ったのか。

 右質問する。



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