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平成二十三年二月九日提出
質問第五八号

ナラ枯れ被害の対応に関する質問主意書

提出者  木村太郎




ナラ枯れ被害の対応に関する質問主意書


 青森県深浦町で、ナラ枯れが発生し、県は、一月十三日に青森市内で専門家を交えた被害対策会議を開いた。出席者が所属する森林総合研究所関西支所の資料等によると、ナラ枯れ被害は、被害発生地の多くが薪炭林、あるいは天然林とされているが、一九五〇年代に燃料革命が起こり、ガス・灯油が頻繁に使われると、薪炭林が放置され、残された枯死木からカシノナガキクイムシが病原菌を生存木に媒介する伝染病であり、一九九〇年代から被害が継続的になり、主に日本海側を中心に範囲が広がったとしている。
 推察するに、昔の薪炭林は、枯死木を薪として使用し、人為的に調整してきており、この伝染病を抑制していたが、放置された枯死木が大量に増え、ナラ枯れ増加に至ったと思える。
 先の大戦などにより、焦土化した我が国は、戦後に造林した樹木が、適齢期に成長し、数十年間この日を待ち続けた森林に、一点の光明が射したことは大変喜ばしい反面、今一度生物多様性や生態系の問題を含め、地域の取り組みに実効性ある森林・林業再生を成し遂げなければならないと考える。
 従って、次の事項について質問する。

一 直近において、これまでナラ枯れが発生していない地域を示されたい。
二 国として、青森県や深浦町、森林・林業関係団体等と今後どのような対応をしていくのか、菅内閣の見解如何。
三 ナラは子どもたちの勉強机や建築材としても多用され、枯死木は燃料として価値が高い。今後においてナラ枯れの起こる以前に、公共施設や学校等で、環境教育の一環として、利活用を推進するなどの対策が必要と考えるが、菅内閣の見解如何。
四 今回のような森林の生態系を変質させる集団枯死の防除対策として、国は地域の方々との連携はもとより、森林・林業の経験が豊富であり、かつ歴史的背景にも精通した専門家・研究者と共同で取り組むことが重要と考えるが、菅内閣の見解如何。
五 四に関連し、防除対策には人材育成が早急に必要であり、国は今後どのように進めていくのか、菅内閣の具体的な見解如何。
六 昨年十一月の事業仕分けでは廃止すべきとの判断がなされた里山整備事業において、受光伐なる間伐が補助金の対象基準となっており、高木である高樹齢のナラなどが多く残され、ナラ枯れを引き起こしやすくなっている現状に、どのように対応していくのか、菅内閣の見解如何。
七 薪炭林は日本の森林面積の三割程度となっているが、人為的な作業と投資は避けられない状況であり、確たる財源が必要であるが、平成二十三年度予算ではどのように反映されているのか。また、厳しい林業経営を支援するためのセーフティネットをどのように反映しているのか、菅内閣の見解如何。

 右質問する。



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