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平成二十三年三月三日提出
質問第一一六号

国民の生命線たる道路に関する質問主意書

提出者  木村太郎




国民の生命線たる道路に関する質問主意書


 私は昨年八月三日に「道路の新規事業再開に関する質問主意書」(質問第二八号)を提出したが、その答弁書(平成二十二年八月二十日、内閣衆質一七五第二八号)には、「道路事業の新規採択に当たっては、新規採択時評価を実施し、便益が費用を上回っていること等を確認する」、「高次医療施設へのアクセス改善等の道路事業に係る多様な効果の評価については、便益の計測精度の課題があり、厳格に行う」、「必要なものかどうかを見極める」などとしている。
 西郷南洲の敬天愛人思想に「道を行う者は、天下挙って毀るも足らざるとせず、天下挙って誉むるも足れりとせず」、「道は天地自然の物にして、人は之を行うものなれば、天を敬するを目的とす。…天は人も我も同一に愛し給うゆえ、我を愛する心を以って人を愛するなり」とある。
 政治は商いでもなく、ましてや政治家は神でもない。自然物を自ら天にも昇った気持ちで、評価したり、便益を計測したり、厳格に行うというのは如何なものか。
 米国では、高速道路のことを「Dwight David Eisenhower National System of Interstate and Defense Highways(全米州間国防高速道路網)」というが、それは、有事或いは緊急の際に国民の生命線ともいうべき輸送路、補給路等を想定したものであり、特に四面海なる我が国においては、国土の辺囲を守らねば、到底国を保つことはできない。道路の根幹をなすものは、国民の生命と財産を守ることであると考える。
 従って、次の事項について質問する。

一 我が青森県を含む東北地方は、食料・エネルギーの供給に貢献しているが、南北に連なる急峻な山脈が、地域間交流の妨げになっており、また豪雪地帯が八割を占め、道路交通の冬期間においては大きな足かせにもなっている。国民の生命と財産を守る観点から、及び敬天愛人思想に則り、高規格幹線道路の未整備区間の整備を早急にすべきと考えるが、菅内閣の見解如何。
二 一に関連し、東北地方は水害、続発する地震、特に今後再発生の確率の高い宮城県沖地震への対応等、防災に向けた地域高規格道路及び生活幹線道路整備への取り組み、緊急輸送路の確保が必須であると考えるが、菅内閣の見解如何。
三 道路予算をめぐっては平成二十二年度において、前原元国土交通大臣は、「原則、新規事業は行わない」として約二割削減したが、二十三年度では、当時、尖閣ビデオで多忙な馬淵前国土交通大臣が「新規事業は費用対効果を徹底し、必要なものはやっていく」と言明し、大きく変節した。大畠現国土交通大臣においてはどのように取り組んでいくのか、菅内閣の見解如何。
四 道路事業は、便益として数値化されにくい。例えば過疎地域を結ぶ道路や高次医療施設へのアクセス改善等、地域にとっての必要不可欠な道路は、便益の計測精度と関係なく自然物と捉え、寧ろ評価すること自体、畏れ多いことと考えるが、菅内閣の見解如何。
五 政府は、道路整備について、「国民にとって必要なものかどうかを見極め、進めていく」としているが、一体何処を見極め、また見極める基準はどのように崇高なものなのか示されたい。

 右質問する。



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