質問本文情報
平成二十三年五月二十七日提出質問第二一一号
統一地方選挙投票日直前に児童・生徒に配布された菅直人内閣総理大臣等のメッセージに関する質問主意書
提出者 高市早苗
統一地方選挙投票日直前に児童・生徒に配布された菅直人内閣総理大臣等のメッセージに関する質問主意書
統一地方選挙の期間中であった平成二十三年四月六日付で、文部科学省初等中等教育局長名で、全国の教育委員会教育長や知事等に宛てた文書が発出された。
初等中等教育局長の文書には、「新学期を迎える皆さんへ」と題する菅直人内閣総理大臣及び高木義明文部科学大臣のメッセージについて、「各学校の児童生徒及び教職員等に行き渡るよう、特段の御配慮をお願いします」と記されていた。
これを受けて、例えば大阪市教育委員会では、四月六日付で各学校長宛に「各校園におかれましては、本メッセージを始業式の講話や学級指導、ホームルーム等で適切に活用するとともに、児童、生徒一人一人に配布するようお願いします」と記された文書を発出した。
菅内閣総理大臣名入りのメッセージ文は、小学生用、中学生・高校生用の二種類であり、入学・進級への祝意の他に東日本大地震被災者への配慮を求める内容であったが、「各学校の児童生徒に行き渡るよう」に配布しなくても、教員が口頭で指導すれば足りる内容である。
また、仮に一部の心無い人による福島県からの避難者への嫌がらせに対応することがメッセージの目的であったとすれば、発出時期が遅過ぎ、配慮を求めるべき対象が狭過ぎると言わざるを得ない。
統一地方選挙投票日を数日後に控えた時期に、民主党代表でもある菅総理大臣名入りの文書を、児童・生徒が持ち帰ることができる形で配布した行為は、党利党略に過ぎず、不適切なものだと考える。
従って、次の事項について質問する。
二 前問について、仮に政治家の指示があったとすれば、内閣総理大臣メッセージを児童・生徒に行き渡らせることについて決定した者、各都道府県への通知を指示した者は、それぞれ具体的に誰か。
三 「新学期を迎える皆さんへ」と題する内閣総理大臣メッセージは、毎年、「各学校の児童生徒及び教職員等に行き渡るよう、特段の御配慮をお願いします」という局長文書とともに発出されるものなのか。
四 仮に毎年のことではないとしたら、何故、今年は発出されたのか。仮に東日本大地震の発生が理由であるとするならば、過去の大規模自然災害発生時とは違う対応を行う理由は何か。
五 内閣総理大臣メッセージを読むと、教員が口頭で指導すれば足りる内容であるが、「各学校の児童生徒に行き渡るよう」にと、配布を促すような局長文書を発出した理由は何か。
六 当時は、電力供給力不足、油不足、水不足、紙不足が深刻で、飲料水用ペットボトル容器に貼るラベル用の紙でさえ不足し、統一地方選挙候補者もビラの印刷や選挙カーの運行を減らすなど資源消費を控える状況にあった。コピー機使用電力やコピー用紙の浪費を促す結果を招いた政府の指示は、的確だったと考えるか。
七 全国で何校の学校が、菅内閣総理大臣のメッセージを児童・生徒に配布したのか。
八 メッセージが菅内閣総理大臣名入りである必要性は何か。内閣総理大臣名を記すことにより期待できる教育効果を伺う。
九 局長文書及び内閣総理大臣メッセージの発出時期が四月六日であった理由は何か。
十 統一地方選挙投票日を数日後に控えた時期に民主党代表である菅直人氏の氏名が記された内閣総理大臣メッセージを児童・生徒に配布することが、統一地方選挙の公平性を損ねることは皆無だったと考えるか。
右質問する。