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平成二十三年六月二十七日提出
質問第二七五号

海洋資源生物の保存に対する政府の見解等に関する質問主意書

提出者  浅野貴博




海洋資源生物の保存に対する政府の見解等に関する質問主意書


 「政府答弁書」(内閣衆質一七七第一八一号)には、「ロシア連邦の法令に違反して行われる水産物の漁獲及び輸出の問題については、ロシア連邦政府が自国の法令に基づく取締りを強化することが重要であるとともに、海洋生物資源の保存等の観点から、我が国としても必要な協力を行っていくことが重要であると考えている。このような考えを踏まえ、これまでロシア側との間で様々な意見及び情報の交換を行ってきている。」との答弁がなされ、海洋生物資源の保存の重要性についての政府の見解が披歴されている。右を踏まえ、質問する。

一 「政府答弁書」には「ロシア連邦の漁船については、平成十四年三月までは、貨物税関申告書とともに『ポートクリアランス』も積出証明書として取り扱ってきたが、我が国政府とロシア連邦政府との間で協議を行った上で、同年四月以降は、貨物税関申告書のみを積出証明書として取り扱うこととしているところである。」と、外国人漁業の規制に関する法律(以下、「外規法」という。)について、二〇〇二年四月以降、ポートクリアランス(PC)ではなく貨物税関申告書(GTD)が積出証明書として取り扱われることになったとの答弁がなされている。政府、特に水産庁として、GTDの真偽については、逐次ロシア側に照会をしているものと承知するが、どの様な方法でロシア側と確認しているのか、説明を求める。
二 GTDを積出証明書として取り扱い、ロシア側に逐次照会することとなり、手続きが煩雑化したことで、事実上我が国への入港規制が強化されたことと等しい状況が生じた。結果、それ以降我が国に入港するロシア漁船の数は大幅に減少し、その漁船は韓国へ向かうという状況も生じた。また更に、第三国の船籍を持つ船が大幅に増え、漁船による漁獲と運搬船による運送という分担がなされ、我が国と韓国に対しロシア水産物の運搬が行われ、ロシアの極東海域における水産物の漁獲量を増やし、資源保存に逆行する事態を生じさせることにつながるという事態も生じた。PCからGTDへという「外規法」適用の変化により、右の一連の流れが生じていると考えるが、政府、特に水産庁の見解如何。
三 PCからGTDへという「外規法」適用の変化、つまり、ロシア漁船が「外規法」適用の対象外となるか否かを確認する際に使われる書類が、PCからGTDへと変更され、そして政府は一で指摘したように、GTDの真偽についてロシア側に照会をしている。右は、政府として、ロシアからの一方的な情報に基づいて右確認を行っていることに他ならず、法治国家、独立国家が行う行政手続きとしては問題があるのではないのか。政府、特に水産庁の見解如何。
四 PCからGTDへという「外規法」の適用の変化により、従来なら至近距離にある我が国に寄港し、水産物を降ろしていたロシアの漁船が韓国に向かう事態が結果的に生じたが、政府、特に水産庁として、右を想定していたか。
五 前文で触れたように、「政府答弁書」で政府は「ロシア連邦の法令に違反して行われる水産物の漁獲及び輸出の問題については、ロシア連邦政府が自国の法令に基づく取締りを強化することが重要である」と、ロシアにおける密漁、密輸の問題は、ロシア自身の問題であり、基本的にはロシアが解決すべき問題であるとの認識を示している。それに加え、「海洋生物資源の保存等の観点から、我が国としても必要な協力を行っていくことが重要であると考えている。」と、我が国の国益の観点からも、ロシアと協力していく必要性があることについても政府は触れている。しかし、PCからGTDへという「外規法」の適用の変化により、二で指摘したように、海洋生物資源の保存に悪影響を及ぼし、また第三国の船籍を持つ船の出現を促したことで、ロシア政府による取り締まりを困難とし、ロシアにおける密漁、密輸問題の解決をも困難にさせるという、所期の目的と全く逆行する結果が生じていると考えるが、政府、特に水産庁の見解如何。

 右質問する。



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