衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十三年七月二十日提出
質問第三三八号

路線高速バス及びツアーバスに関する質問主意書

提出者  木村太郎




路線高速バス及びツアーバスに関する質問主意書


 平成十二年と十四年に、バス事業の規制緩和などを行う道路運送法が改正されたことにより、ツアーバスなどの貸し切りバス事業へ参入を希望する観光バス事業者が急増し、これまで、事業計画や実施運賃などの国土交通省に提出を必要とする路線バス事業者との間で熾烈な競争が繰り広げられた結果、運賃の下落が加速している。旅行業法に基づき旅行代理店等の主催者が観光バスを借り上げ、運賃ならぬ旅行代金として収受されるツアーバスはその性格上、燃料高騰や運転士不足を背景として、稼働率を上げるための運賃ダンピングや過労運転による交通事故が指摘され、労務管理を徹底して行う路線高速バスに比べ、その安全面が問題とされている。しかし、運行頻度、料金、予約・発券、座席の快適性などの満足度においては高速バスを凌いでいるとの評価もあり、利用者の約七十五パーセントを若年層が占めていると聞く。
 これまで路線高速バスとツアーバスの熾烈な低価格競争により、路線高速バスの廃止や統合を余儀なくされ、さらに生活交通路線の慢性的赤字を路線高速バスの収益によって補充する地方の路線バス事業者が多く、行き詰った末、路線高速バス部門の減収が生活交通路線の削減・廃止を加速し、中には生活交通路線から全面撤退した事業者もおり事態は深刻である。
 路線高速バス、ツアーバスともに合法とはいうものの、現行の規制される法律においての様々な相違点、また同事業の中に二つの制度が並立して存在するという矛盾が生じてきており、地域間の流動を安全に確保するための公共性の視点から、運行を維持するための規制などの制度について、一元化を図ることが早急に必要と考える。
 従って、次の事項について質問する。

一 直近において、路線高速バス及びツアーバスに関する全国の利用実態調査を示されたい。
二 国土交通省は、平成十九年二月における観光バスの死傷事故を受けて、同年四月に着地における乗務員の睡眠施設、駐車場所の確保義務を明確化し、運行指示書にも睡眠施設を明記させることなどを示し、その後「貸切バスに関する安全等対策検討会」を発足、同年十月に報告をまとめた。しかし、これらの内容は観光バス事業者を対象とするものであって、旅行会社にも指導を行うよう要請があったと認識しているが、これまでの進捗状況はどのようになっているのか、菅内閣の見解如何。
三 二に関連し、現状においては法的拘束力のない通達に留まっているとし、擬似的な路線バス事業を、法の不備を突かれ、認めてしまったとの声があるが、菅内閣の見解如何。
四 平成二十年、国土交通省から「一般貸切旅客自動車運送事業に係る乗務距離による交替運転者の配置」の指針が出され、運転者の一日における最大走行距離は六百七十キロメートルとしているが、路線高速バス、ツアーバスそれぞれの実施状況はどのようになっているのか、菅内閣の見解如何。
五 これまで路線高速バスとツアーバスの熾烈な低価格競争により、路線高速バスの廃止や統合を余儀なくされ、さらに地域の生活交通路線の慢性的赤字を路線高速バスの収益によって補充する地方の路線バス事業者が多く、行き詰った末、路線高速バス部門の減収が生活交通路線の削減・廃止を加速し、中には地域の交通弱者を守るべき生活交通路線から全面撤退した事業者もいる状況に対してどのように捉えているのか、菅内閣の見解如何。
六 路線高速バス、ツアーバスともに合法とはいうものの、現行の規制される法律においての様々な相違点、また同事業の中に二つの制度が並立して存在するという矛盾が生じてきている。双方ともに運輸及び観光事業を所轄する国土交通省ゆえに問題解決が遅々として進んでいないものと推察するが、今後どのように対応していくのか、菅内閣の見解如何。
七 一〜六に関連し、双方ともに地域間の流動を安全に確保するための公共性の視点から、運行を維持するための規制などの制度について、一元化を図ることが早急に必要と考えるが、菅内閣の見解如何。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.