質問本文情報
平成二十三年七月二十九日提出質問第三六一号
森林の整備・保全と国有林の管理運営に関する質問主意書
提出者 木村太郎
森林の整備・保全と国有林の管理運営に関する質問主意書
低迷する国内林業の活性化と山村での雇用創出を目指し、一昨年末に政府は「森林・林業再生プラン」を策定し、木材自給率を今後十年で現在の二十四%から五十%に引き上げるとしたが、効率的な林業生産基盤の確立のため、今後より一層の路網整備が求められている。
また、本年五月の台風二号や今月の台風六号などによる集中豪雨の頻発、さらに地震などによる大規模な山地災害が発生している中、これまで以上の治山対策が必要となってきている。
脊梁山脈や奥地水源林に広がる国有林の九割を占める保安林の公益機能を充実させるための管理経営を力強く推進し、併せて生物多様性や生態系の問題を含めた環境保全対策など、各森林管理局、森林管理署及び支署、森林技術センター他、組織一体となった実効性ある取り組みが益々重要となっていると考える。
従って、次の事項について質問する。
二 森林・林業再生プラン実践事業として、昨年二月に全国十四の公募箇所から審査を行い、五箇所の先進地区を決定したが、その後においての進捗状況はどのようになっているのか示されたい。
三 林業再生のためには、森林から木材利用まで循環し持続させる仕組みが必要不可欠と考えるが、具体的に今後どのように対応していくのか、菅内閣の見解如何。
四 東日本大震災により壊滅的な被害を受けた海岸防災林の本格的復旧に必要な予算の確保を含め、これまで以上に必要となる治山対策について、平成二十三年度第三次補正予算及び平成二十四年度予算ではどのように財源を確保し、反映させていくのか、菅内閣の見解如何。
五 四に関連し、「森林・林業再生プラン」に基づく路網整備について、平成二十三年度第三次補正予算及び平成二十四年度予算ではどのように財源を確保し、反映させていくのか、菅内閣の見解如何。
六 国有林の九割を占める保安林の公益機能を充実させるための管理経営を力強く推進し、併せて生物多様性や生態系の問題を含めた環境保全対策など国による一体的な管理運営と実行体制が益々重要となるが、全国に分布する現在の各森林管理局、森林管理署及び支署などの組織体制について、不利な地理的条件や気候条件など様々な事情を抱える地域によっては必要十分とは言い切れない。国として組織体制のさらなる確保に向けて、今後どのように進めていくのか、菅内閣の見解如何。
七 林業就業者の高齢化が進む中で、若者等の就業者を確保し、育成に努めるための「緑の雇用担い手対策」の進捗状況を示されたい。
右質問する。