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平成二十三年八月十六日提出質問第三九八号
緊急時避難準備区域の一斉解除に関する質問主意書
提出者 木村太郎
緊急時避難準備区域の一斉解除に関する質問主意書
福島第一原発事故を受け、緊急時に屋内退避や圏外避難ができる準備を求める「緊急時避難準備区域」の一斉解除に向けて、今月六日、細野大臣は、同原発周辺の十二市町村長らと会談し、本格的な検討に入ることを明らかにしたと聞く。指定されている五市町村によると、震災前に同区域内に住んでいた計約五万七千人のうち、約二万八千人が避難されているが、政府の対応の遅れに苛立ちを隠せないものの、早く帰りたいと期待の声も上がっている。また、南相馬市においては、現在人口が約三万七千九百人にまで減り、約三万三千六百人が市外で避難生活しており、除染について国の対策が全く進んでいないため、放射線量が依然高い状態では市民が避難先から戻って来ないことを憂慮し、同市と東京大学アイソトープ総合センターは、警戒区域を除く市内全域にかけて、除染を共同実施するとした。
解除されたらすぐにでも帰りたいものの、「放射線の不安が付きまとう」「帰っても雇用が心配で帰宅を諦めざるを得ない」「津波で流された家を新築したいが堤防が未復旧のため建てるのが怖い」「帰っても病院が近くにない」などの除染、雇用、医療その他を巡る問題が山積しており、国として被災地の意向を最大限尊重し、各自治体に対しての支援を明確化した上、更にきめ細かく行うことが急務と考える。
従って、次の事項について質問する。
二 一に関連し、事故から約五ヶ月が過ぎ、漸く具体化した解除の動きであるが、現政府の初動の遅れは否めない。過ぎ去ったことに異論を唱えても虚しいが、放射能の広がりを克明に示すSPEEDIを活用しなかった理由は奈辺にあるのか、菅内閣の見解如何。
三 除染について国の対策が全く進んでいないため、放射線量が依然高い状態では市民が避難先から戻って来ないことを憂慮し、南相馬市と東京大学アイソトープ総合センターは、警戒区域を除く市内全域にかけて、除染を共同実施するとしているが、国として同市を含む対象地域に対してどのように支援していくのか、菅内閣の見解如何。
四 区域内では、「帰っても雇用を創出しないと、諦める人も出てくる」と失業者を危惧している被災地もあるが、国としてどのような支援をしていくのか、菅内閣の見解如何。
五 一〜四に関連し、避難準備区域の解除後における除染や雇用対策、医療問題などの支援について、平成二十三年度第三次補正予算及び平成二十四年度予算では、交付税、一括交付金以外においてどのように反映していくのか、菅内閣の具体的な見解如何。
右質問する。