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平成二十三年八月二十四日提出
質問第四二一号

密漁密輸出対策に関する日ロ関係省庁会議に関する質問主意書

提出者  浅野貴博




密漁密輸出対策に関する日ロ関係省庁会議に関する質問主意書


 平成十九年九月八日シドニーでのAPEC首脳会談で、安倍首相とプーチン大統領は、極東海域での海棲生物の資源管理を強化するため、ロシア船舶による密漁密輸出対策として日露間で協力し得る措置をとることを検討することを目的として、密漁密輸出問題に関する日ロ協議を東京で開催することで一致し、同月二十六日、二十七日の両日、水産物の密漁密輸出対策に関する日ロ関係省庁会議(以下、「日ロ会議」という。)が東京で開催された。また政府答弁書(内閣衆質一七七第一八一号)には、「ロシア連邦の法令に違反して行われる水産物の漁獲及び輸出の問題については、ロシア連邦政府が自国の法令に基づく取締りを強化することが重要であるとともに、海洋生物資源の保存等の観点から、我が国としても必要な協力を行っていくことが重要であると考えている。このような考えを踏まえ、これまでロシア側との間で様々な意見及び情報の交換を行ってきている。」と、海洋生物資源の保存等の観点から、我が国としてもロシアに対し必要な協力を行っていくことが重要であるとの答弁がなされている。右を踏まえ、質問する。

一 「日ロ会議」開催の目的は、前文で触れたように極東海域の資源保存を図るため、資源管理を日ロ間で強化する措置(ロシア船による密漁密輸出防止)を検討することであり、当時の安倍首相とプーチン大統領との首脳会談により決められたものである。しかし二〇〇二年四月一日より、外国人漁業の規制に関する法律の適用が変わり、ロシア漁船の寄港に際し必要な書類が、ポートクリアランス(PC)から貨物税関申告書(GTD)となり、実質的にロシア漁船の入港が規制される結果となった。同年五月二十一日に開かれた衆議院農林水産委員会において、現農林水産副大臣の筒井信隆氏が発言しているように、同年四月一日以降、ロシア漁船の寄港は減少し、それら規制された船は韓国へ入港(二〇〇二年四月以降、韓国東海港ロシア船入港実績)することとなり、韓国へ入るロシア産の水産物が急増している。右は平成十三年に一,八八八トン、平成十四年に一二,〇四五トン、平成十九年に一八,八二五トンと十倍ほどにまで増加した。また同年以降、我が国への第三国の船籍を持つ船による運送が始まり、北海道と韓国のロシアからのカニ輸入量は、平成十三年の六四,〇八八トンから平成十八年のピーク時には七七,七一三トンまで増加した。右は二〇〇二年のPCからGTDへの変更により、起こったものであると考えるが、政府の見解如何。
二 一の事態は、我が国とロシアの首脳会談により開催が決められた「日ロ会議」に反することになり、資源保存と逆行した重大な結果が生じていると考える。右に対する政府の見解如何。
三 また別の政府答弁書(内閣衆質一七七第二七五号)では、「貨物税関申告書のみを積出証明書として取り扱うことにより、ロシア連邦の漁船が韓国に向かう事態が生じた、ロシア連邦の水産物を運搬する第三国の船籍を持つ船が大幅に増えた等の御指摘のような事実は、承知していない」との答弁がなされている。ロシア水産物の我が国への輸入実績、また韓国への輸入実績は、調査すればすぐにわかることである。また「日ロ会議」の最大の課題は資源保存を図ることであり、右に関しロシア海域におけるロシアからの日韓両国への輸出実績がどうなっているかを把握することは、非常に重要なことであると考える。それにも関わらず、右答弁にあるようにそれを承知していないという答弁がなされるのはどうしてか。政府の説明を求める。

 右質問する。



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