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平成二十三年十一月十一日提出
質問第四三号

政府におけるエネルギー基本計画の取扱いに関する質問主意書

提出者  近藤三津枝




政府におけるエネルギー基本計画の取扱いに関する質問主意書


 平成十四年六月に施行されたエネルギー政策基本法に基づき、翌年十月に計画期間を十年間としたエネルギー基本計画が閣議決定された。
 その後、平成十九年三月、エネルギー基本計画の第一次の改定が行われ、さらに、政権交代後、平成二十二年六月十八日に、菅内閣のもとで、計画期間を二十年間に延長した第二次改定が行われた。
 現在のエネルギー基本計画には、原子力エネルギーについて次の特筆すべき点がある。
 第一に、計画策定時の平成二十二年六月時点では、原子力及び再生可能エネルギー、つまりゼロエミッション電源の比率は三四%であったが、これを二〇三〇年までに二倍の約七〇%に引き上げるとされている。
 第二に、このゼロエミッション電源の比率を七〇%に引き上げるために、原子力発電所を少なくとも十四基以上新設、増設し、原子力発電所の稼働率も九割とこれまでの稼働率から大幅に引き上げることが明記されている。
 ところが、東日本大震災とこれに伴う福島第一原子力発電所事故が発生したのを受けて、菅前総理大臣は、平成二十三年五月十日の記者会見で、「現在のエネルギー基本計画では、二〇三〇年において、総電力に占める割合として、原子力が五〇%以上、再生可能エネルギーは二〇%を目指すとなっております、しかし、今回の大きな事故が起きたことによって、この従来決まっているエネルギー基本計画は、一たん白紙に戻して議論をする必要があると考えております」と発言した。
 そして、野田総理大臣も、九月三十日の記者会見で、「今のエネルギーの基本計画についてはこれは白紙で見直しをしていく」と表明し、その後の国会答弁でも同様の発言を再三している。
 そこで、私が平成二十三年十月二十六日の衆議院経済産業委員会(以下、「十月二十六日委員会」という。)において、枝野経済産業大臣に対して、エネルギー基本計画の白紙見直しについて、野田総理大臣の考えと一致しているのかどうか、確認の答弁を求めたところ、枝野大臣は、「白紙見直しの作業を既に始めております。全く一緒です。」と答弁した。
 そこで、以下の二点に関し、質問をする。

一 私は、十月二十六日委員会において、閣議決定の意義・効力に関する内閣法制局長官の国会答弁を引きながら、二〇三〇年までに原子力発電を電源構成の五〇%とし、十四基以上の原子力発電所を増設し、その稼働率を九割に引き上げると明記した現在のエネルギー基本計画が、国務大臣のみならず、その統括下にある関係行政機関及びその職員を拘束していると指摘した。その上で、この大きな矛盾を解消するためには、まず、このエネルギー基本計画を廃止するための閣議決定をするべきであると枝野経済産業大臣に質したところ、同大臣は、「御指摘のとおり、閣議決定には一定の法的拘束力、内閣あるいは内閣のもとにある行政各部に対する拘束力があることは、御指摘のとおりでございます。そして、現在のエネルギー基本計画が一定のその拘束力を今持っていることは間違いありませんが、一方で、法については、新法は旧法を破るという基本原則がございますので、エネルギー基本計画そのものを撤廃、廃止をしなくても、その後にある同レベルの法的拘束力を持った決定である閣議決定が、矛盾をする場合は優先をいたしますので、それに基づいて適切に対応しているという状況でございます。」と答弁した。
 しかし、私は、新しいエネルギー基本計画と現在のエネルギー基本計画が矛盾する場合の優劣を質したのではなく、現在のエネルギー基本計画に明記された原発に関する方針と現在の政府の原発に関する方針が矛盾しており、現在のエネルギー基本計画を廃止しない限り、閣議決定に違反する状態が継続するのではないかという点を質したのである。この点に関する政府の見解を明らかにされたい。
二 一の答弁に対し、私が、重ねて、エネルギー基本計画を即刻廃止するのかどうかについて見解を求めたところ、枝野経済産業大臣は、「せっかくの御提起でございますし、わかりやすさという面では、一たん既存のエネルギー基本計画を法形式上も全面的に廃止ないしは停止をするということの方がわかりやすいという御提起は一つの御提起だと思います。ただ、閣議決定案件ですので、私がここでわかりましたとお答えをすることはできませんので、閣内で検討させていただきたいと思います。」と答弁した。
 そこで、その後、政府において現行のエネルギー基本計画の全面的廃止又は停止に関する検討状況がどのようになっているのか、明らかにされたい。

 右質問する。



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