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平成二十四年一月二十四日提出
質問第一〇号

「除染事業」の対象及び方法等に関する質問主意書

提出者  高市早苗




「除染事業」の対象及び方法等に関する質問主意書


 昨年三月に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境汚染に適切な対策を講じ、国民の生命と生活を守ることは、内閣の重要な使命である。
 特に除染事業について、民主党政権の場当たり的な対応が国民の不安を招き、現実的かつ実効的な対策が打たれていないのではないかという懸念を強くしている。
 従って、次の事項について質問する。

一 人体に有害な年間追加被曝線量について
 @ 内閣は、具体的にどの程度の年間追加被曝線量が人体に有害だと考えているのか。
 A 前問回答の科学的根拠を伺う。判断材料となった資料、論文、アドバイザー等の具体的名称も回答されたい。
二 除染対象とするべき汚染の定義と検討経緯等について
 @ 除染対象とするべき汚染の定義を伺う。
 A 細野豪志原発事故担当大臣は、例えば平成二十三年十月五日の震災復興特別委員会など、「除染の基本的な考え方として年間1ミリシーベルトを目標にすることは一貫して述べてきた」とする旨の国会答弁を何度か行っている。つまり、野田内閣は「年間の追加被曝線量1ミリシーベルト以上」を除染対象としていると考えて間違いないか。
 B 前問Aにつき、仮に野田内閣が「年間の追加被曝線量1ミリシーベルト以上」を除染対象としているとすると、その方針が決まったのはいつだったのか。また、方針を決定した会議名、参加閣僚名、最終的な方針決定に責任を負う閣僚名を問う。
 C 除染の基本的考え方として、細野豪志原発事故担当大臣が国会で答弁した「年間1ミリシーベルトを目標にする」ことの科学的根拠を伺う。判断材料となった資料、論文、アドバイザー等が存在するならば、その具体的名称も回答されたい。
 D 文部科学省は、平成二十三年四月十九日に「福島県内の学校の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について」を福島県の関係者に通知しており、そこでは「文部科学省による再調査により校庭・園庭で毎時3・8マイクロシーベルト(年間20ミリシーベルトに相当)未満の空間線量率が測定された学校については、校舎・校庭等を平常どおり利用して差し支えない」としていた。「毎時3・8マイクロシーベルト(年間20ミリシーベルトに相当)未満」の空間線量率なら児童の利用に関して安全だと判断した科学的根拠を伺う。
 E また、文部科学省は、平成二十三年五月二十七日の「福島県内における児童生徒等が学校等において受ける線量低減に向けた当面の対応について」において、「暫定的考え方で示した年間1ミリシーベルトから20ミリシーベルトを目安とし、今後できる限り、児童生徒等の受ける線量を減らしていくという基本に立って、今年度、学校において児童生徒等が受ける線量について、当面、年間1ミリシーベルト以下を目指す」としている。前問に記した四月十九日時点と五月二十七日時点で、除染により目指すべき線量の値につき、科学的知見に変化はあったのか。
 F 除染対象につき、内閣が当初は「年間の追加被曝線量20ミリシーベルト以上」としていたが、その後、「年間5ミリシーベルト以上」、「年間1ミリシーベルト以上」と変更を重ねた旨の報道がなされていたが、その真否を伺う。除染作業開始当初より「年間1ミリシーベルト以上」だったということで間違いないのか。
 G 原子力災害対策本部が平成二十三年八月二十六日に決定した「除染に関する緊急実施基本方針」では、除染実施における暫定目標として、「長期的な目標として、…追加被曝線量が年間1ミリシーベルト以下となることを目標」とするとしている。現在も除染事業は実施されているわけだが、除染事業の現場でどのレベルの数値になるまで除染を行わねばならないと考えているのか。具体的な線量数値を回答されたい。
 H 内閣は「追加被曝線量が年間1ミリシーベルト以下となること」を「長期的な目標」としているが、これはいつまでに達成するべき目標なのか。
 I 除染事業は、いつまでに完了しなければならないと考えているのか。
三 除染事業の結果と効果について
 福島市役所の公式サイトには、渡利小学校通学路、南向台小学校通学路、民家の3カ所における除染事業の結果が掲載されている。
 これによると、民家の雨どいの1例を除いて、除染率は10%〜30%に留まっている。除染率が高かった民家の雨どいについても、除染後の被曝線量は毎時1・6マイクロシーベルト(年間約14ミリシーベルト)であり、野田内閣が目標としている年間1ミリシーベルト(毎時約0・1マイクロシーベルト)に達した箇所は一カ所も見あたらない。内閣が示した目標を達成する手段として最適な除染方法が採用されているのかどうかを確認するため、次の質問をする。
 @ 高圧洗浄などの現行の除染方法で、内閣が目標とするレベルの除染は実現できるのか。
 A 分級技術や放射能低減技術が開発されているが、今後、活用を検討している全ての除染技術の名称と効果、B/Cについて回答されたい。
四 除染対象となる地域の名称と面積について
 除染対象を「年間1ミリシーベルト以上」とした場合、対象地域の面積は、福島県内だけでも約8千kuにも及ぶと報道されている。
 内閣が、広大な面積について確実に除染作業を実施する見通しを持った上で除染に係る方針を定めているのかどうかを確認するため、次の質問をする。
 @ 「年間1ミリシーベルト以上」を除染対象とした場合、該当する都道府県及び市町村の名称を伺う。
 A 「年間1ミリシーベルト以上」を除染対象とした場合、対象となる総面積を伺う。
五 汚染土壌の除染方法と効果について
 @ 汚染土壌の除染について、汚染表土を剥ぐ場合には、表層を何p剥げば安心できる状態になると考えているのか。その科学的根拠を示して回答されたい。
 A 日本保健物理学会は、表層土壌5p深までに放射性セシウムのほぼ100%が土壌粒子に吸着・固定されていると報告している。この報告内容について、内閣の評価を問う。
 B 汚染土壌の除染について、汚染表土を剥ぐ方法以外では、どのような方法があるのか。その効果の科学的根拠とともに回答されたい。
六 除染に要する費用について
 除染事業に係る費用については、東京電力が一義的な責任を負うものであろうが、最終的には相当額の国税を充てるものと推量する。従って、除染事業には費用対効果の厳正なチェックが不可欠であり、「青天井の費用見積もり」は許されるものではないと考える。よって次の質問をする。
 @ 全対象地域の除染事業に要する費用の総額について、試算を伺う。
 A 除染事業に要する費用の内訳を伺う。
 B 除染事業の費用は、誰が負担するのか。

 右質問する。



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