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平成二十四年四月四日提出
質問第一六九号

在日米軍基地周辺地域における爆音防止対策等に関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




在日米軍基地周辺地域における爆音防止対策等に関する質問主意書


 二〇一二年四月二日付「琉球新報」は、米軍普天間飛行場に隣接する宜野湾市立普天間第二小学校で、米軍機離着陸時の騒音レベルが一〇〇デシベル以上に達することが琉球大学の調査で判明した、と報じている。
 教室内における一〇〇デシベル以上の航空機騒音(以下、爆音という)は、その都度、授業中断をもたらし、児童の学習に著しい悪影響を及ぼしている。
 同年三月三十日、原告三、一二九人によって、被告国を相手に「第二次普天間基地爆音訴訟」が提起された。その損害賠償請求額は、総額五十一億円余に上る。
 昨年四月二十八日には、嘉手納基地周辺住民ら二万二、〇五八人が原告となり、被告国を相手に「第三次嘉手納基地爆音差止め訴訟」が提起され、現在、那覇地方裁判所沖縄支部で審理が進んでいる。極東最大の米軍基地「カデナ」から暴露される違法な爆音を、全国最大規模の原告らが訴えているのである。
 この間、全国において提起された同種の「爆音訴訟」を通じて、米軍基地から暴露される爆音が違法である、と司法の場で断罪されているにもかかわらず、被告国は、未だに実効性ある爆音防止対策を講じていない。「米軍の運用上の都合」を理由に違法な爆音を放置し続けていることで、在日米軍基地周辺に暮らす多くの国民を苦しめている。その結果、爆音のみか、米軍機の墜落の恐怖や部品落下事故等の被害による苦痛や損害をも強いている。
 米軍嘉手納基地、普天間飛行場、厚木基地や横田基地等における爆音は、健康被害や環境破壊などを惹起し、基地周辺住民の平穏な生活環境を破壊している。もはや、基地周辺住民の受忍限度をはるかに超えた「基地公害」であると断ぜざるを得ない。
 「静かな夜を返せ」「静かな日常生活を返せ」と在日米軍基地からの爆音被害を訴え、「夜間・早朝の飛行差止め」「爆音被害の損害賠償請求実現」などを求める基地周辺住民らの声は、悲痛かつ切実である。政府は、これら被害住民の要求を真摯に受け止め、速やかに実効性ある爆音防止対策を講ずるべきである。
 以下、質問する。

一 文部科学省が「学校環境衛生管理マニュアル」で「望ましい」と定める教室内における騒音レベルの数値はいくらか、窓を閉めた状態、窓を開けた状態それぞれについて明らかにしたうえで、係る数値を基準とした根拠を示されたい。
二 政府は、米軍嘉手納基地や普天間飛行場など在日米軍基地周辺に立地する小中学校等の教育機関において、教室内における騒音レベルを測定したことがあるか。あるならば、測定した事案すべてについて、実施した政府機関名、実施日、実施先の教育機関名、測定された騒音数値を明らかにしたうえで、係る騒音レベルに対する政府の見解を示されたい。
三 公害対策基本法(昭和四十二年法律第一三二号)第九条および環境基本法(平成五年法律第九一号)第十六条第一項に基づく航空機騒音に係る基準(以下「環境基準」という)で定める「達成期間」は、「環境基準」第二−2の規定により、在日米軍が使用する飛行場とその周辺地域にも適用されると解するが、政府の見解を示されたい。
四 政府は、「環境基準」第二−3の規定に則り、防音工事を実施した住居における騒音レベルは「環境基準」をクリアしたものと考えているか、その根拠を示したうえで見解を明らかにされたい。
五 「環境基準」第二−3には、同第二−1で定める達成期間で環境基準を達成することが困難と考えられる地域において「極力環境基準の速やかな達成を期するものとする」とある。係る達成期間とはどの程度の時間を指すのか、たとえば「環境基準」第二−1で第二種空港(福岡空港を除く。)Aが「五年以内」と示しているように、より具体的に明示されたい。
六 防衛施設周辺放送受信事業補助金交付要綱(防衛省訓令第一二六号)に基づき、米軍が使用する飛行場または対地射爆撃場でターボジェット発動機を有する航空機の離陸、着陸等が頻繁に実施される地域において、NHK放送受信料のうち地上波放送分の半額助成制度(以下「NHK放送受信料助成制度」という)が実施されている。この間、爆音被害で苦しむ嘉手納基地等の在日米軍基地周辺住民らから、同制度の助成区域の対象拡大および地上波放送、衛星放送を含む全額助成の強い要望がある。政府は、係る基地周辺住民らの要望に応えて助成制度を見直し、改正する意思はあるか、見解を示されたい。
七 横田基地周辺では、米軍ヘリによる爆音で地上波放送が聴取困難になっている地域が存在する。政府は、係る実態を承知しているか、明らかにされたい。
 また、横田基地同様に、普天間飛行場も「ターボジェット発動機を有する航空機の離陸、着陸等が頻繁に実施されていない」との理由で助成対象外のままである。本件については、私も国会審議等を通じて再三指摘し、助成措置を講じるよう求めてきたところである。
 政府は横田基地や普天間飛行場など米軍ヘリを運用する飛行場周辺地域において「NHK放送受信料助成制度」の適用を図る意思があるか、見解を示されたい。
八 政府は、米軍機および自衛隊機等の爆音が人体に及ぼす医学的、疫学的影響について、基地周辺住民を対象に調査を実施したことがあるか。あるならば、調査した事案すべてについて、実施した政府機関名、実施日、当該爆音を暴露している基地名を明らかにしたうえで、係る調査結果に対する政府の見解を示されたい。
九 関連して、防衛省・自衛隊は固定翼哨戒機P−3Cの後継機として、新規開発したジェットエンジンを搭載する次期固定翼哨戒機P−1を平成二十四年度以降、厚木基地に配備する方針であると承知しているが間違いないか。その場合、厚木基地において「ジェットエンジンを主たる動力とする飛行機は、緊急止むを得ない場合を除き、使用しない」旨、横浜防衛施設局長(当時)が大和市長宛に通知した昭和四十六年十二月二十日付文書「厚木海軍飛行場の海上自衛隊による共同使用について」(施横第5626号(YFP))を反故にするものと考えるが、政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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