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平成二十四年六月十九日提出
質問第三〇六号

消費税に関する質問主意書

提出者  佐藤ゆうこ




消費税に関する質問主意書


 野田政権は、税と社会保障一体改革と称して、消費税の増税を進めようとしているが、現在、消費税増税に関する国民合意は全く得られていないと考える。
 六月初旬の世論調査において、今国会で消費税増税を実現すべきでないとの回答が七割を超えたとの結果を報じる新聞があるが、私自身の政治活動において消費税増税を是とする意見に触れることは皆無に近く、今の消費税増税を阻止して欲しい旨との声が圧倒的である。
 実際の民意は、ただやみくもに大衆増税を目指す政府の姿勢に対し、メディアの調査よりはるかに厳しいNОを突きつけていると考える。
 そもそも、近代議会は、専制君主の徴税権に対する抵抗から始まった。すなわち、議会の最も本質的な機能は、専制君主が一方的に課する税を国民が納得許容できるレベルまで抑止することであった。
 専制君主なきわが国にあっては、政府の徴税権の暴走をどのように抑止するかということこそ、国会の使命であると考える。
 国民の大半が納得許容しがたい今回の消費税増税策こそ、政府の徴税権の暴走である。
 そこで、以下の点につき質問する。
 説明責任を尽くし、誠実な答弁を求める。

一 野田総理は、二〇〇九年の総選挙において、予算の組み換えと天下りの根絶による財源確保を訴えて来られた。野田総理自身が行革の断行を「シロアリ退治」に例えて語る動画は、インターネット上でも多く見られるところである。
 そこで、野田総理が有権者に約束した「シロアリ退治」による財源確保額は、いくらになったか、民主党政権下の各内閣ごとに実績額を明らかにされたい。
 なお、各内閣において決定し、後の財源となるものは、決定時の内閣の実績として別途明らかにされたい。
二 現行の消費税率(五%)には、地方消費税一%と、国庫に入って地方交付税となる一.一八%強が含まれている。
 政府の説明資料によると、今回政府が目論む消費税率引き上げ分にも、同じ割合で地方税分の引き上げが含まれている。すなわち、一%の引き上げには〇.二%の地方消費税増税と、〇.二三六%の地方交付税財源の増税が含まれている。
 名古屋市は住民税を五%引き下げる恒久減税を決め、愛知県も減税策を検討中と聞くが、自動的に地方消費税として増税されてしまっては、名古屋市や愛知県の努力が減殺されてしまう。
 そこで、名古屋市内の納税者から収められる消費税収はいくらか、また愛知県内の納税者から収められる消費税収はいくらか、最新の決算による金額を明らかにされたい。
三 現行消費税率に含まれる地方消費税は、地方の独自財源か。市民税・県民税と同様に自主財源と理解してよいか。
四 輸出品には消費税がかからないので、輸出企業には輸出戻し税として消費税五%が返る仕組みになっている。現在、輸出戻し税は年間いくらか、最新の決算による金額を明らかにされたい。
五 近年、マニフェスト選挙が定着し、国民は、各政党・候補者が掲げた具体的な政策を比較検討し、是とすべき政策に票を投じるようになった。
 すなわち、今日の選挙は、旧来のように、抽象的な選挙公約を掲げた人物や政党を選んで、後は自由に任せておくものから、約束された政策の実行者を国民が選択するものへと質的に変わったと言うべきである。
 民主党が政権を託されたのは、〇九年衆院選マニフェストで政治主導や地域主権、生活第一など自民党とは違う政権像を描いたからである。しかしながら、菅政権誕生に始まった方向転換は野田政権により明白なものとなった。
 マニフェストで掲げた理念を反故にし、自公政権が続いたのと同じ結論しか導き出せないなら、今の民主党政権には正当性も存在意義もないと言うべきである。
 自公政権が進めようとしていた消費税増税に、真っ向から異を唱えて政権をとったのが民主党であるのに、野田総理は、消費税増税に政治生命をかけて強行突破をめざし、自公両党に協力を得るために、マニフェストの根幹政策をいくらでも捨て去ろうとさえしている。
 野田内閣はマニフェストに従う必要はないとお考えか。端的な答弁を求める。
六 税と社会保障の一体改革という以上、社会保障の将来像と増税は一体不可分のはずである。
 また、そもそも税の本質は、政府の行う行政サービスのコストを国民に負担してもらう点にある。増税論議の前提として、政府の想定する将来の社会保障の姿を明らかにしなければならない。
 「明日の安心 税と社会保障の一体改革を考える」という政府広報には、将来の引き上げ率五%のうち四%が今の社会保障の充実と書かれている。これを見る限り政府は、現行の社会保障制度の維持を大前提に考えており、抜本的な改革を考えていない様に見受けられるがどうか。
 民主党のマニフェストには抜本的な社会保障改革のアイディアが掲げられていたが、現在政府内でそれらを検討している部署はあるか。
 検討しているならば、そこが結論を出す時期を明らかにされたい。
七 国際通貨基金(IMF)は十二日、日本経済に関する年一回の審査を終え、高齢化社会に対応する安定的な歳入を確保するためには、消費税率を少なくとも一五%に引き上げることが望ましいとの声明を発表した、と報じられている。
 この報によれば、消費税増税に伴う低所得者の負担軽減策として、食料品などを対象に軽減税率を採用すれば「税収を効率的に増やすことは難しい」と指摘し、否定的な考えも示されたという。さらに、消費税率を一〇%まで引き上げることを含む社会保障と税の一体改革の関連法案の成立が「財政再建の意思を示し、投資家の信頼を維持するために極めて重要」とも強調したという。
 増収による日本の財政再建策を考えるならば、日本は、往時に比べて法人税も所得税も減税してきたのであるから、それらを元に戻すという選択肢もあるのに、何故、IМFは、奇しくもわが国政府・財務省の立場と軌を一にするような消費税増税を強調するのか腑に落ちないところである。
 政府はこの報道の元となった声明の内容を承知しているか。承知したとすれば何時、どのような経路で承知するに至ったか明らかにされたい。
 また、この声明の前提となるわが国の財政や税制の情報収集や声明のとりまとめ過程において財務省からの出向者あるいは退職者が関与したか否かご回答いただきたい。
八 消費税増税は景気を冷やす、との批判がある。実際に九十七年の税率引き上げで景気が落ち込んでしまった事実は記憶に新しい。九十七年当時は、成長率が三.六%もあったが、今日は出口の見えないデフレ不況の下にあり、当時のような成長はない。
 九十七年増税後の不況をアジア通貨危機のせいと政府は主張してきたが、現在の国際経済はアジア通貨危機に勝るとも劣らない欧州通貨の危機に瀕している状況なのであるから、今わが国経済の体力を奪う増税は厳に慎むべきと考える。
 民主党内では増税の条件として景気回復条項を盛り込むべきとの強い意見もあったように報じられているが、政府案では景気に関して努力目標へと後退した。このことは景気や経済成長の如何を問わず税率だけは確実に上げることを意味している。
 政府は財政の安定性・持続性さえ確保できれば、経済・景気がどうなろうと構わないという立場か。
九 増税は、市場からお金を減らすのでデフレをますます深刻化させるという批判がある。
 財政赤字は名目額であるから、デフレが続く限り、GDPの名目値も減少を続けることになり政府債務の対GDP比はさらに大きくなる。また税収も名目額が減ることで財政再建はいっそう困難になることは自明である。
 デフレ対策より増税による財政再建にばかり目が向いている限りは、泥縄式に際限なく消費税率が上がり続けることにもなりかねないが、政府は、そうならないという明確なメッセージを発した形跡が無い。
 政府は、際限なく消費税率を上げ続けるつもりか。それとも、断じてそうならないと宣言するか。
十 「明日の安心 税と社会保障の一体改革」という政府広報には、企業の国際競争力の維持・向上、雇用の確保のために、法人税実効税率の五%引き下げを目指す旨の記載があるが、雇用の対価となる人件費は費用であり、法人税の課税ベースは売り上げから費用を引いた額だから、法人税の多寡は雇用に関しては中立のはずである。
 また、今日の国際競争は、もはやコスト競争の域に入っており、名だたる国際的企業であっても人員整理や賃下げなどが続いているのはその証左である。
 しかるに、法人税の多寡は、コスト競争に勝った後の利益配分の問題に過ぎないから、国際競争力の維持・向上にも役に立たないと考える。
 つまり法人税の引き下げは、税引き後の利益処分にあずかる者、すなわち、配当が増える投資家と報酬の増える役員のための政策という意味合いが強いものである。
 法人税の引き下げが、どのように競争力の維持・向上につながるのか、雇用の確保につながるのか、わかりやすい説明を求める。
 今日の税収の減少は、景気低迷による減収もさることながら、法人税率の引き下げによる減収の影響も大きく、自公政権が消費税の引き上げを目論んでいたのは、法人税の減収を穴埋めするためと分析する論者もいる。
 そこで、仮に二〇〇〇年当時の税率で計算したとしたら法人税収はいくらになるか、直近の決算額と、それをもとに推計した額をお答えいただきたい。

 右質問する。



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